I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

たまにはミステリを読んでみよう


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はてなダイアリー「俺の邪悪なメモ」(現在は跡地)の罪山罰太郎さんが、葉真中顕という名前で作家デビューされたとのこと。以前よりよく見ていたブログの作者さんだったので、Twitterで目にしたときはかなり驚きましたが、僕が好きなミステリのジャンルにおいて新人賞を受賞(日本ミステリ文学大賞新人賞)されたとのこと、これは読まない訳にはいきませんね。
しかし、発売直後はまだKindle版が出てなかったこともあり、この機会に久々にミステリ小節を読んでみようかな、ということでここ最近の乱歩賞作で文庫化されたものを何冊か買ってみました。乱歩賞出身の作家さんは、故藤原伊織氏を始め、真保裕一、池井戸潤、福井晴敏、中嶋博行(敬称略)…とその後の作品も含めファンになる作家さんが多く、文庫化されたタイミングでなるべく読むようにしていたのですが、ここ最近はすっかりスルーしておりました。
(ふんわりとした感想のみですが、一部ネタバレあるかも?)
−−−−
ということで不知火京介氏「マッチメイク」。ちょっと古めの受賞(2003年)で、同時受賞の「翳りゆく夏」は読んでいましたが、こちらは初。プロレスの興行を舞台にしていて、プロレス門外漢の自分には様々な隠語の解説なども含め楽しめましたが、動機や展開にがやや乱暴だったかなぁとも。実在のレスラーがモデルになっているのがなんとなく分かったり、「門番」を務める万年前座レスラーのキャラがなかなかに魅力的でした。

マッチメイク (講談社文庫)

マッチメイク (講談社文庫)

遠藤武文氏「プリズン・トリック」、こちらは本当に惜しい作品。交通刑務所を舞台にして、交通事故の加害者、被害者、そして刑の厳罰化などをテーマにした社会派ミステリ。冒頭からの緻密な描写には期待させられたのですが、その後の目まぐるしく切り替わる登場人物の視点や(混乱します)、後半の決着の付け方など、やや強引で、トリック優先になってしまってたのが残念(偉そうにスミマセン)。後書きにもありましたが、審査員による荒削りだが著者の将来性を評価、的なコメントにもいちいち頷ける作品でした。
プリズン・トリック (講談社文庫)

プリズン・トリック (講談社文庫)

薬丸岳氏「天使のナイフ」、こちらは少年犯罪、そして少年法が抱える闇を扱ったやはり社会派のミステリ。少年法に守られた少年犯罪(殺人)についての描写は、正直「胸くそ悪い」の一言で(苦笑)途中で読むのを止めようかとも思ったのですが、中盤以降はあえてかエンタメ要素に舵が切られていたせいか、一気に読み終えることができました。一部犯人など読めてしまったり、やや都合が良すぎる(伏線繋がりすぎな)展開などもありましたが、やりきれないテーマだけに落とし所としては丁度良かったかもしれません。
天使のナイフ (講談社文庫)

天使のナイフ (講談社文庫)

さて、そろそろ罪山さんKindle版で出てるかな?と思った所で、ランキングに入っているのを見てしまって、ちょっと息抜き(?)にこちらを2、3巻とKindle版で読んでしまうなど(笑) 一応このシリーズもミステリですよね?
1巻は文庫で読んでいましたが、実はこれまでラノベを読んだことがなく、ちょっと構えていたのですが、結構楽しめてます。確かに文章は軽いのですが、子供の頃読んだような、“なんちゃら少年探偵団的”な雰囲気と、今時のアニメ的?なキャラ要素が相まって、漫画を読むような感覚で楽しめます。普通のミステリだと、登場人物を実写で想像してしまうのですが、こちらは始終アニメ絵っぽい想像で読めるのは表紙のイラストのせいか、現実の土地を舞台にしながらも、どこか現実離れしたアニメ的世界観のおかげでしょうか。早く4巻もKindle化されないかしら(笑)
ビブリア古書堂の事件手帖2 ?栞子さんと謎めく日常?<ビブリア古書堂の事件手帖> (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖2 ?栞子さんと謎めく日常?<ビブリア古書堂の事件手帖> (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)

でもって、ようやくKindleで葉真中顕氏の「ロスト・ケア」を購入して読み終えたのが昨日のこと。この作品は現在の介護医療が抱える問題を主題として扱った、これまた社会派ミステリになるのでしょうか。社会問題を一方的に糾弾するのでなく、ミステリ小節というエンターテインメントに落とし込むことで分かりやすい形で、しかし鋭く描かれてします。さらに、検察捜査、宗教、統計、ロスジェネ、鬱、などなど比較的はてなブックマークを始めとしたネット民の注目が集まることの多い各種トピックが散りばめられていてニヤリとさせられてしまうのは、さすが人気(社会派?)ブロガーだったの葉真中氏の手腕でしょうか。TENGAネタはありませんが(笑)
一部、叙述トリックっぽい展開があって、ページの行き来がややメンドウなKindleで確認してしまいましたが、最終的には必要な設定だったのかと思いますが、当て馬にされた方のキャラがやや気の毒かな?という感想も。
ロスト・ケア

ロスト・ケア

面白かったです!