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夏山シーズン終了間際の富士山に登ってきた②〜ご来光・剣ヶ峰・お鉢巡り

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富士登山の2日目。前日の午後、山小屋でたっぷり昼寝をしてしまったせいか、あまり夜の寝付きは良くなかったです。9月の3000mは小屋内といえどかなり冷え込むので、ダウンを着たままシュラフに入りさらに布団を被っている感じ。寒さの方は一度体が暖まってしまえばなんともないのですが、眠くならないのだけはどうしようもない…。

夜中にご来光登山と思しき登山客の声が外を通り過ぎて行く気配もよく聞こえます。
なんとか4時過ぎまで我慢して、4時半に小屋の外に出てみると既に白みはじめた東の空と御殿場の町明かり、そしてまだ残っている星空が雲海の上下に広がっていました。

わらじ館で発表されていた天気予報。この日は一日晴れという予報で富士山初心者としてはありがたい限りです。翌日の「みぞれ」というのがやや気になりますね…。最終日の富士山、大丈夫だったのでしょうか?


七合四勺から眺めるご来光

そうこうしているうちに、東の空から朝日が昇ってまいりました。富士山から眺めるご来光です。うーん、綺麗ですね。



振り返れば富士山も朝焼けに赤く染まっています。

ご来光を見終わると小屋では朝食が用意されていました。夜中に出発するご来光登山をすると朝食はパンのお弁当となってしまいますが、小屋ならば暖かいご飯が食べられるのです。ご来光を見ているうちに体がスッカリ冷えていたのでとてもありがたい。



いざ、富士山山頂へ!

朝食を食べたら荷物を準備して山頂へ向けて出発です。不要な荷物は小屋で預かってくれるとのことで、多少ザックの荷を軽くすることができました。
外は既に真っ青な青空が広がっていました。

同じようなアングルが続いてしまいましたが、わらじ館を出てすぐ七合五勺の砂走館。既に営業を終えて冬支度を済ませていました。次はこちらでもお世話になってみたいですね。

ここからはひたすら溶岩帯の登山道をジグザグに登っていきます。浮き石には注意したいですが、特に手を使うような難所もないので、足を前に進めてさえいれば2時間少しで山頂に到着です。

夜中のうちに登頂して山頂でご来光を見た登山客たちが少しずつおりてきます。といっても、20分おきに1〜2人といった程度の間隔。登山道で立ち止まってのんびり写真を撮っても、後続者に迷惑をかけることはありませんし、御殿場ルート最高ですね(笑)

それにしても遠くから見ていると、富士山の山頂付近の山肌がここまで赤かったことには気付きませんでしたね。

振り返れば富士山の側火山である宝永山がクッキリ。この日は宝永山を経由して下山することにしています。

いよいよ八合目を過ぎ、山頂も大夫近くに見えてきました。

ここからやや南側に回り込むようなルートを取ります。御殿場ルートはどこからでもご来光が見えるとはいうものの、八合から頂上の間は角度的に見えないこともあるらしいので、ご来光登山をされる場合は、この手前で立ち止まるか一気に頂上を目指しておく必要がありそうです。

御殿場ルート頂上の鳥居が見えてきました。浮き石が多いので落石には注意したいですね。

到着〜。わらじ館を出て丁度2時間といったところです。御殿場口からだとトータルで7時間半。早朝出発の日帰りはできなくはないと思いますが、体力的にもキツそうですし景色をじっくり楽しむならやはり小屋泊まりが良さそうですね。

それでは日本最高峰の山頂をじっくり楽しむことにしましょう…。

富士山頂:富士山本宮浅間大社〜剣が峰

御殿場ルートの頂上は鳥居と目印の石碑、小さな小屋のみと極めてシンプル。しかしすぐ目の前には巨大な火口が口を開けています。

おー、これが初めてみる富士山頂の火口ですか。想像以上にダイナミックな光景!

頂上とはいっても周囲にもっと高い場所がいくつか見えるので、あまり山頂部にきた感じはしません。まずはこの小山の向こう、富士宮口の頂上へと足を進めます。

こちらが富士宮ルートの頂上。やはり御殿場ルートに比べて登ってくる人が格段に多いです。駿河湾を背にして登ってくるのはさぞ気持ちいいことでしょう。

富士宮口も売店はすでに営業を終えています。

古来より信仰の山である富士山山頂には2つの神社があり、静岡県側にあるのが「富士山本宮浅間大社」の奥宮です。8月のシーズン中には御朱印なども頂けるようですが、既に閉まっておりました。

そういえば記念写真だけ撮って、お参りの類をすっかり失念していましたね(笑)

それではいよいよ日本最高峰である剣が峰を目指します。御殿場ルート、富士宮ルートの頂上からならすぐ目と鼻の先です。それにしても火口がすごい…。


最後の登りがこの馬の背。

まあここまで登ってきたことを考えたらたいしたことありません。3700mの青空も抜けるような鮮やかさです。

かつての富士山測候所跡が残る日本最高峰。シーズン中はこの階段に行列ができることもあるようですが、閉山間際ということもあってか人の数もまばらです。

遂にやってきました3776mの日本最高峰、剣が峰。人も少ないので、山頂標識や三角点での記念撮影もじっくりすることができました。

測候所のドームが撤去されてる今、この階段の上が本当の日本で一番高い場所でしょうか?(笑)

正に「頭を雲の上に出し」状態。


お鉢巡りへ出発!

風はやや強いもののこのお天気、お鉢巡り(富士山火口の周遊コース)も楽しそうです。時間は1時間程度、この写真に沿った時計回りルートで歩いていくことにします。

す、すごい! これはもしかしてあの大沢崩れでしょうか!?
いつも富士山は東側(東京側、箱根側)や南側(新幹線など)から、山中湖あたりまで行っても北側から見ることばかりなので、西側に走る大沢崩れを見る機会はあまりないのですよね。それにしても山頂からここまで広大に崩れた谷だったとは…。

うっかり転んだら下まで一気に転げ落ちていきそうです。下の方なんてまるで樹海を流れる川のようです。

うーん、南アルプスや北アルプスが見えてると思うのだけど…。昨年登った北岳や間ノ岳も見えているのでしょうか?


本当にここは日本だろうか?という荒涼とした風景が続きます。



剣が峰から半周。そろそろ吉田ルート、須走ルートの頂上になります。

やはりこちらのルートは登山客の数が段違いに多いです。この日に限っては御殿場ルートとの差は2桁違ったのではないでしょうか?


こちらの山頂は売店の数も多いですが、やはりこの時期は全て閉鎖されていました。そうそう、富士山頂のもう1つの神社である久須志神社(富士山本宮浅間大社の末社)はここにあります。


富士山頂から見下ろす宝永山。

もう一度、富士宮口まで来ました。というのも、山頂のトイレは1カ所、富士宮の山頂にあるトイレのみが最後まで営業されているので(1回300円)。伊勢湾が綺麗に見えますねー。


下山開始

さて、日本一の山頂をたっぷり楽しんだので下山スタート。御殿場ルートは七合目までは登りと同じルートになりますが、そもそも人が少ないので特に混雑することもありません。


あれよあれよという間にわらじ館まで下りてきました。小屋の前には結構な人。やはり最後の週末、小屋の営業最終日ということで、前日よりは人出も多いようです。

既にお湯を沸かす気もなくなっていたので、再びカレーを頂いたりとか。他に焼きそばや担々麺などのメニューもあったのですが、なんとなくご飯が食べたかったのです。

お世話になったわらじ館に別れを告げて下山することにします。また遊びに来ます!

またまた長くなってしまったので続きは次回。こちらも一度行ってみたかった宝永山(宝永火口)に立ち寄ってから、お待ちかねの大砂走りダッシュです。

ちなみに準備していたバーナーとカップ麺は結局使う(食べる)ことはありませんでした。富士山頂は気圧の関係でお湯が沸騰する温度も低いですし、かなり風も強いので苦労してお湯を沸かすぐらいなら行動食で済ませて食事は小屋で食べてしまおう、なんて気分になったのです。

さらに2L持ってきた飲料水がギリギリ持つかといった感じだったので、持ってきたカップ麺を食べるにも1000円程出して水を買う必要がったのですよね。夏場だったら確実に水を買う必要があったと思いますけども。次回富士山に来るときはもう少し荷物を軽くすることができそうです。


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