I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

ノスタルジックな近代建築を楽しむ小樽の街歩き

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なんだか時系列がめちゃくちゃですが(笑)、もう少し小樽日記が続きます。

前回は初日夕方の小樽運河でしたが、今回はそれ以外の小樽散策の写真日記になります。運河散策と同じ初日の夕方、そして3日目の午後、新千歳空港に戻る前に少し小樽の街を歩くことができました。

といっても、歩けたのは小樽駅から運河まで伸びる中道通りを中心とした限られたエリアのみ。港を中心として栄え、南北に広がる小樽という街のごく一部でしかありません。

ちなみに私、結構酷い花粉症(スギ・ヒノキ)なのですが、新千歳に到着してから花粉症の症状が一切出ておりません。食べ物は美味しいし、花粉は飛んでないし、あの生き物(テラフォーマー)も北海道の冬を越せないのだとか… なんて素晴らしいのでしょう、この北の大地は。

多くの歴史的建造物が残された街

運河沿いの古い石造り倉庫と並び、小樽の街には明治、大正、昭和初期に作られた建造物が数多く残されています。

なぜ、これだけ小樽の街に近代の建築物が残されているのか? それは昨年放送されたNHKのブラタモリで小樽の「繁栄と衰退」がテーマとなっていたことで知ることができました。
http://www.nhk.or.jp/buratamori/map/list23/index.html
かなりザックリとまとめますと、明治以降に港町として著しい発展を遂げた小樽という街ですが、戦後の急速に産業の衰退したことで、多くの貴重な建造物が取り壊されることなく今に残されているのだそうです。
小樽運河を始めとする、これらの歴史的建造物が再注目され、現在の観光地小樽が誕生したのは比較的最近(1980年代以降?)のことなのだとか。

小樽市指定歴史的建造物

そんな小樽に数多く残る建造物の中でも、小樽市が重要と判断したものを「小樽市指定歴史的建造物」として指定、保全しているそうです。現在、全部で75件が指定されているそうですが、その中のいくつかは今回の旅行中に見ることができました。
https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/
前回の記事に貼った「小樽倉庫食堂」や運河沿いの倉庫のいくつかもこの小樽市指定歴史的建造物に登録されているそうです。
https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s63.html
https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s77.html


日銀通りを小樽運河方面へ

ホテルを出て最初に向かったのが、古い銀行の建物などが並ぶ日銀通りと呼ばれる通り。小樽運河にかけての坂を下りていくと、次々に立派な建造物が現れます。

日銀通りに入って運河と逆方向を振り返ると、山の方に向かってこのような傾斜が付いています。駅から山側にかけてよりきつい坂道が多いようですね。

このような石造りの古い蔵を小樽の街ではよく見かけます。

海へ向かって道路が傾斜しているのが分かりますでしょうか。


「旧向井呉服店支店倉庫」

道の反対側に立派なレンガ造りの建物が見えました。建物の前に紫色の看板が出ているのが見えますが、「小樽市指定歴史的建造物」には全てこのような説明付きの看板が立てられています。

https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s73.html
※以後「小樽市指定歴史的建造物」については小樽市のリンクを張っておきます。建物前の看板と同じ内容の解説文を読むことができます。

「日本銀行旧小樽支店」

ひときわ立派で優雅な建物が見えてきました。現在は金融資料館となっている日本銀行旧小樽支店。東京駅の駅舎を手掛けたことで知られる辰野金吾も設計に関わった建築だそうです。

こちらは小樽市指定歴史的建造物でなく小樽市指定文化財に指定されているようです。


「旧三井物産小樽支店」

当初はM.ZD 12-40mmレンズを付けて写真を撮っていましたが、建造物の全体像を写すのに24mm相当ではやや狭い(道の対岸に渡らないと入りきらないことが多い)ことが分かり、M.ZD7-14mmに付け替えました。そして直後に雪で転びました(笑)(カメラは無事)

超広角レンズは極端なパースが付くので、建造物の撮影には不向きかもしれませんが(?)、個人的には目の前の建物を撮ったぞ!という感じがして、これはこれで嫌いじゃありません。


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s30.html

「旧北海道銀行本店」

日本銀行旧小樽支店の設計にも携わった長野宇平治設計による建築。ワインカフェ「小樽バイン」がテナントとして入っています。ここも飲みに来たかったなぁ…。


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s06.html

「北のウォール街」を歩く

日銀通りと色内大通りが交差する交差点。戦前にかけては「北のウォール街」とも呼ばれ、北海道の一大金融街だった頃の小樽の姿を今に伝える、歴史建造物の集中エリアになります。


「旧三菱銀行小樽支店」

1階部分がローマ様式風になっている面白い建物です。当初、上の部分は後から増築したのかと思ってしまいました(笑)


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s18.html

「旧北海道拓殖銀行小樽支店」

この建物はブラタモリでも登場していましたね。現在はホテルとして利用されている旧拓銀の小樽支店。非常に立派な建物です。


窓枠の細工が舟形になっていたりするのもイカしてます。


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s31.html

「旧越中屋ホテル」

ここから少し色内大通りに入ってみました。


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s16.html

「旧三井銀行小樽支店」

またまた優雅なルネッサンス様式の建物が見えてきました。旧三井銀行小樽支店、こちらも小樽市指定歴史的建造物ではないのですね。



「旧第四十七銀行小樽支店」

夕方に来たときは旧三井銀行小樽支店の前で引き返していましたが、夜に通りかかったこちらの建物も「北のウォール街」の一角。



https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s25.html

「旧安田銀行小樽支店」

そして中央通りを挟んでこの建物までが、小樽の旧金融街エリアでしょうか。ローマ建築風の重厚な建物ですが、現在は居酒屋レストランが入っています。


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s19.html

セイコーマートで滑り止めを買う

あまり雪国経験がないので、どのような靴で小樽に来たらいいのか分からなかったのですが、今回の旅行で行くような場所は、基本除雪されているだろうし、ゴアテックスのトレッキングシューズ(ローカット)でも充分だろうという判断。念のため登山用のゲイター(足首スパッツ)も持ってきていましたが、使うことはありませんでした。

ただし、場所によっては足下の雪というか凍結で足を滑らすことがあったので、コンビニで滑り止めを買うことにします。事前にネットで調べたところ、新千歳や札幌のコンビニならどこでも売ってると見たのですが、小樽のローソン、セブンイレブンでは手に入らず…。

北海道ローカルのコンビニ(本州にもありますが)「セイコーマート」にて手に入れることができました。ここでも最後の1個で、まあ地元の方はあまり使わないのかな? 観光客の多い時期(2月前半に「小樽雪あかりの路」というイベントが行われていたのだとか)だと、在庫が豊富なのでしょうかね。こんなやつです。

確かに雪道でのグリップが一気に上がって頼もしい存在。付け方が甘いと簡単に外れてしまうので、装着直後に50m程で片足を無くしました(笑)(10分後くらいに気付いて、歩いて来た道を戻って発見)

まだまだある歴史的建造物

「旧前堀商店」

KUMONのロゴが入ったこちらの建物は「古道具やi」というお店のようです。小樽市指定歴史的建造物の指定は80番目、2014年と比較的最近の登録ですね。


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s80.html

「海猫屋」

小樽出身の作家、小林多喜二の小説「不在地主」のモデルにもなったという海猫屋… いえ、小説は読んだことありません。現在はバル的なワインレストランとして営業しているらしく、初日の夕飯を食べに来てみたのですが残念ながら貸し切りで入れず。


最終日のランチに再度行けないものかと問い合わせてみたのですが、その日は夜のみの営業らしく結局入ることができませんでした。次こそは是非…。


* *

この辺りから、写真が3日目の午後にものになっています。天気は曇りのち雨…(傘を持っていなかったので結構濡れました)。

「消防犬ぶん公」

昭和の初め頃に消防本部で飼われていたという犬の像。「なんでもおじさんの真似をしました」「ホースを加えて筒先係に渡し」「ホースのもつれを直し」「野次馬の整理」と眉唾もののエピソードが満載(笑) そしてなんと24歳まで生きたのだとか! スーパードッグ過ぎるぜぶん公!


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/anzen/shobo/bunkou.html

「旧大家倉庫」

小樽市指定歴史的建造物の記念すべき第1号である巨大な石造り倉庫。

その大きさは目の前の歩道からは24mm相当のレンズでは全く収まりません。


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s01.html

「旧北海製罐倉庫(株)」

一見、港湾部の廃墟のようにも見える建物ですが(失礼)、こちらも2012年に小樽市指定歴史的建造物に登録された建物。
写真の第3倉庫は大正時代の鉄筋コンクリート建築としては、最大級のものだったそうです。

ちなみに、ここから北側がかつての埋め立て前の小樽運河の面影を残す北運河。写真右手奥のアールの出っ張りが、道路造成のために運河を内側に埋め立てたスタート位置になります(これもブラタモリで予習済み)。


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s76.html


「旧小樽倉庫」

現在は小樽市総合博物館運河館、そして観光客向けの運河プラザとして運用されている旧小樽倉庫。瓦屋根に鯱をのせた和洋折衷のデザインが特徴なのだとか。



運河プラザの中からは中庭も見ることができます。鯱が見えた!


https://www.city.otaru.lg.jp/simin/gakushu_sports/kenzo/f_s/f_s13.html

さよなら小樽、またきます!

といった感じでやや慌ただしいスケジュールでしが、初めての小樽に別れを告げて東京へと戻ります。実は帰宅予定だった3日目は朝から猛吹雪が北海道を襲い、航空機が相次いで欠航となった日。幸運にも我々が予約していた便は、欠航を免れ無事に羽田へと飛ぶことができました(翌日にはまた大荒れとなってしまったらしく、奇跡的なタイミングだったようです)。

お天気も朝は吹雪いておりましたが、余市へと向かう頃には雪も弱まり、昼頃には青空も覗いていました。午後の小樽散歩では雨に降られてしまい、小樽港と北運河の一部を回ってくることしかできませんでしたが、ノスタルジックな建造物が並ぶこの素敵な街、ぜひまた遊びに来たいものです(奥さんもこの街がすっかり気に入ってしまったみたい)。

もしかしたら観光的にはオフシーズンだったのかもしれませんが(?)。そのせいか観光客も少なく前回の小樽運河のような、静かな街歩きを楽しむことができました。
海鮮の美味しさは言うまでもありませんし、年明けに入って急遽決めた冬の小樽旅行ですが、かなり正解だったかもしれません。

小樽の街歩き日記はこれで最後(?)ですが、今回の旅行ネタ、実はもう少し続く予定です。余市のニッカウヰスキー蒸留所見学と、朝食バイキング以外の食ネタが少々… もうしばらくお付き合いくださいませ。

追記:お隣余市でも、小樽の街とはまた違った素敵な建築を見ることができました
moognyk.hateblo.jp

旅の予約(ホテル/航空券の手配)について

今回の北海道旅行は宿泊と航空券をセットで予約できる「ANAじゃらんパック」を利用しました。我が家はANAマイルを貯めてるので、ANAを選んでますが当然JALのパックもあります。以前、北海道旅行をした際はレンタカーまでセットで予約できたので、面倒くさがりの私のような人間はいつも重宝しています。
じゃらんパック
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