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カップ麺のお湯はどこまで冷めても食べられるのか実験&実食してみた!

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昨年のスキレット記事以来、久々に楽天「それどこ」に寄稿しました(いつの間に「それどこ」がメディアの正式名称になっていた!)。

アウトドア用保温・保冷ボトルの超定番、サーモス「山専ボトル」の有力対抗馬として、昨年発売されたモンベル「アルパインサーモボトル」ついて書いています。

アルパインサーモボトルは、私のTwitterのタイムラインでも昨年後半から頻繁に製品名を目にする機会が増えていましたし、これは良い機会だと購入。登山用の水筒ネタに絡めつつ、本製品の性能や実際のフィールド使用などレポートしています。
さて、そんなそれどこ記事と連動して(?)このブログでもちょっとした検証というかお遊び実験を行ってみました。それは…。

カップ麺のお湯ってどこまでぬるくても食べられるか!?

それどこの記事では、沸騰から11時間経ったお湯でカップ麺(日清カップヌードル)を作った例を載せていますが、その際は全く問題なく食べることができました。アルパインサーモボトルのカタログ値が「6時間後:81℃以上/24時間後:61℃以上」ということなので、恐らく70℃前後のお湯だったと思われます。

「それじゃあ一体どこまでお湯が冷めても、カップ麺って食べられるのだろう?」

…と気になったからには、試さなければですね!?

「お湯がぬるいなら沸かせばいいじゃん」と当たり前の突っ込みもありますが、うっかりストーブを忘れた、ガス切れ、腹が減りすぎて一刻も早く食べたい… なんてケースもありえます。というか、とにかく気になったので試す。それだけです。
早速買ってきたカップ麺が上のもの。さすがに通常サイズのものを何個も食べられませんし、今回はミニサイズの熱湯3分タイプで揃えてみました。

75℃〜55℃のお湯でチャレンジ!

最終的に実食に使ったのは日清製粉の「熱湯3分」カップ麺(ミニサイズ)たち。カップヌードルとどん兵衛(そば)では結果がブレる可能性もありますが、全て同じ商品でやったら、絶対にトラウマ抱えて二度と食べたくなくなりそうですしね…。

お湯の温度は75℃から5℃刻みで5段階に下げていくことにしました。上記の山専ボトルやアルパインサーモボトルのスペック(0.9Lサイズ)なら、24時間後で60℃はキープされているようなので、さらにその5℃下まで。我が家の給湯器の最高温度設定が60℃なので、後半は普通に蛇口から出るお湯でカップ麺を作るレベルです。
ちなみに標高が高くなる(=気圧が上がる)ことで沸点が下がることはよく知られていますが、参考までに標高3776mの富士山山頂で約88℃の沸点になるそうです。つまり、今回の実験はもうそんなレベルのお湯の温度ではないのです!(笑) 圧倒的ぬるま湯!

お湯の温度はアルパインサーモボトルを使いつつ、水を加えながら規定の温度まで下げてから、カップ麺に注いでいます。実食はまず規定の3分で確認し、私→妻の順番で実食。固すぎると感じた場合は、少し時間経過を加えつつ感想を記録しました。

※実食作業は室温が20℃以上ある屋内で行ったので、屋外、特に冬山の場合は晴れていたとしても、もう少しお湯が冷めていくのが早いと思われます。

ぬるま湯麺の実食結果は!?

ということで以下、ぬるま湯カップ麺の実食結果です。それぞれの最後に、私と妻のリアルタイムでのメモも貼ってあります。


75℃:カップヌードル(カレー)

それではまずは75℃のお湯にてカップヌードルのカレー味。75℃のお湯というのは普通に飲むには少し熱いかな?といった温度。熱いお茶が好きな私にとっては、丁度いい感じで飲める温度です。これはもう全然平気なレベルです。ちょっとお湯のぬるいカップヌードル。3分でもしっかり麺が戻っている所は素晴らしいですね。


私メモ 十分いける。ポテトがちょっとかたい(そのうち戻った)
妻メモ 全く問題ない。猫舌なので食べやすい温度

70℃:どん兵衛(天ぷらそば)

続いて70℃。3分直後に食べ始めるとちょっと固い… ものの、麺の天地をひっくり返しつつ、かき混ぜてるうちに食べられます。上に乗せてたカチカチの天ぷらも沈めてしまえば、ちゃんと柔らかくなります。麺の写真は撮ってなかったみたい。


私メモ 3分では固い。ちょい待ちしたらまあOK
妻メモ 少しごわっとした感触。でも全然食べられる

65℃:カップヌードル(シーフード)

これまた3分直後では固さを感じるものの、徐々に食べられる感じに。ただし明らかにスープがぬるい。やはり具はしっかり戻るのが優秀です。個人的にはこの65℃が山で食べてもいいかな?と思える限界な気がしました。


食べられなくはないが、固い。少し待った方がいい。スープが明らかにぬるい。具は戻る。食べているうちに麺が延びて平気になる
フライ麺の油の風味が感じられる。山なら食べられる

60℃:どん兵衛(鴨だし)

箸を入れた瞬間明らかにゴワゴワしてる…。かき回しているうちに麺はほぐれるものの、食べると明らかに戻ってないのが分かる。かすかに残るサクサク感。しかし、この鴨だしのスープはなかなか美味しいですね、熱々で食べたいです(笑)


麺はなんとかほぐれたが戻ってない。かすかにサクサク感がある。延びても完全には戻らない。つゆがおいしい。
麺の中の油がさらに感じられる。油っぽい駄菓子のような…。そばの風味が油に負けるので、低温にはそばは不向き。

55℃:カップヌードル(しょう油)

60℃の時点で次が厳しいのは想像付きましたが、基本のカップヌードル(しょう油)を残していたのは「どんな悪条件でもカップヌードルなら乗り越えてくれるはず?」という期待を込めたから。しかしお湯を注いで待っている間に、どんどん温度が下がっていきます…。

「あっ…」 明らかに戻ってないのひと目で分かる。

うん、麺もカップの形のまま出てきました。これを食べるのは苦行です… でも頑張ろう。
なんというか、カップヌードルというよりは駄菓子っぽい。麺はまだパリパリしてるし、異常に油っぽい(恐らくフライ麺の油がこの温度では溶けない?)。
一方で具材はそれなりに戻っているので、その優秀さに驚きます。倍の6分まで待ってみましたが、最後まで麺は戻りませんでした。でも食べた。これはツラかった…。


ベビースターみたい。パリパリしていてちょっと厳しい。麺が油っぽい。コロチャーや卵などの具は戻るが、麺は6分経過しても戻らない
箸で麺がほぐれない。もそもそして食べづらい。目の前に置いただけで油のにおいがする

* *

検証に使ったカップ麺は全てスタッフがおいしく頂きました(涙)


総評

ということで、上でほぼ感想は述べてしまいましたが、改めてまとめます。

  • 「カップ麺を美味しく食べたいなら最低70℃以上のお湯を使うこと!」
  • 「ぬるいとお湯なら少し沸かすだけでも良さそう?」
  • 「山専ボトルやアルパインサーモボトルがあれば、丸1日コンロなしでも(なんとか食べられる)カップ麺は作れる」

といった所でしょうか。最初にも書いていますが、秋冬の屋外では今回のテストよりもお湯の冷めるスピードが早まるので、70℃以下のお湯で作る場合は「とりあえず食べられるレベル」にしかならない可能性が高いです(また、実験はミニサイズのカップ麺を使っているので、BIGサイズなどではより麺は戻りにくくなると思われます)。
一方で、取り敢えず食べられればいいのならば、明らかにぬるいと感じるお湯でも、なんとかなるとも言えそうです。

また、ぬるくなったお湯ですが再沸騰までさせなくとも、少し再加熱してあげるだけでも、カップ麺には確実に効果がありそう。寒冷地ではガスストーブの出力が落ちがちですが、ぬるま湯を80℃程度まで温めてあげるだけでも、カップ麺には十分でしょう。

さて、先の寄稿記事ではあえて製品の優劣には触れませんでしたが、個人的な好みで山用の魔法瓶を選ぶなら… 少々価格が高くとも「山専ボトル」の方が満足度が高いよ!というのが本音です。理由は本体首部分の滑り止めゴムの存在と、内栓の回し心地です。

ただし、山専ボトルはあまりに定番化し過ぎて山での被り方が半端じゃないので、その点では現時点ではアルパインサーモボトルの方が差別化できるでしょう。保温性能自体は特に優劣ありませんし。

最後にこんな下らないテストに実食と書記で付き合ってくれた妻に感謝。後になって思い出しましたが、この日は我が家の結婚記念日でした(笑) 例年、美味しいものを食べる日のはずが、何をやっているのでしょう… 半日ほど異常に満足度の低い満腹感に苦しめられました。
代わりに、という訳ではありませんが明日から旅行に行ってまいります!