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フィールドセンサーシステムに耐結露、すっかり手放せなくなってしまったOLYMPUS Tough TG-5

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オリンパスのタフネス防水カメラTG-5を使い始めて2ヶ月ほどが経ちました。すっかり気に入ってしまい、普段持ち歩くカメラもミラーレスからTG-5に変わってしまったほどです。

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高感度性能をはじめ画質はマイクロフォーサーズのミラーレスカメラに及びませんが、スマホ(iPhone7)よりは確実にいい結果が得られますし、RAWで撮れるのでOM-Dで撮った写真と混ぜても違和感のない現像が可能なのもお気に入り。

気温や標高が写真に記録されるのが楽しい「フィールドセンサーシステム」

前モデルのTG-4以前からGPSや電子コンパス(方位センサー)は内蔵していましたが、TG-5ではさらに気圧センサーと温度センサーが追加されました。これらのセンサーから取得した情報をカメラに表示したり、スマホアプリOI.Trackで映像にトラッキングデータを重ねることができ、これらの機能を総称して「フィールドセンサーシステム」と名付けられているようです。
TG-5 | 防水デジタルカメラ T(Tough) シリーズ | オリンパス

私はこのフィールドセンサーシステムの全てを使っている訳ではありませんが、撮影データに気温や高度が記録されることが登山の際にはかなり便利… というか楽しいのです。

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上から緯度経度・温度・方位・標高・気圧が表示されています

特に温度(気温・水温)はアウトドアでは重要な情報の割に、リアルタイムでモニターできる手軽なアイテムが少ないと思われます。
PROTREKなどのアウトドアウォッチにも温度計は付いているのですが、腕から外してしばらく時間を置かないと体温の影響を受けて正確な数値が得られません。

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このようなデータロガー型の温度計をザックにぶら下げておくのもいいですが(写真は妻が使ってるケストレルのDROP D2)、リアルタイムで気温を見るにはスマホアプリを開く必要があり山行中は手軽とは言いにくいです。

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こんな感じのCSVファイルでログが取得できます。

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しかしカメラなら行動中に定期的に記録写真を撮りますし、そのタイミングで確認できリアルタイムで前後からの変化が可視化されているのは(情報が直接行動と結びつかなくても)なんだか楽しいのです。
もちろん、後からTG-5の再生画面で確認することもできますし、天候の変化に対して気温や気圧がどう変化してるかといったデータを、そのタイミングの写真という視覚的な情報をセットで残すことができるのは、経験則の蓄積としても貴重なものとなります。

高度表示は気圧計からの算出になってると思われるので、GPSと連動したスマホやスマートウォッチの地図アプリに比べると正確さでは劣ってしまいますが、目安として相対的な変化を見るならば十分です。「ここまで○○m登ってきたな…」みたいな。

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時間と太陽の位置、方角、気温が全て表示されている

また、地味にありがたい方位の記録(コンパスマーク)。そのとき、どの方角にカメラを向けて撮っていたのかがひと目で分かるので、地図と照らし合わせて確認できる情報源となりますし、その場で分からなかった山座同定も捗ります。

ただしカメラ取り込み後の情報確認がやや面倒?

カメラの撮影モードや再生モードで画面にオーバーレイされてると楽しいフィールドセンサーの情報ですが、写真をPCに取り込んでしまうとその確認がやや面倒となってしまいます。
フィールドセンサーシステムで記録した各種情報はGPS情報と同じくExifの一部として書き込まれると思うのですが(?)、Adobe Lightroomを含む一般的なViewerではせっかく写真に記録されている気温や標高、気圧、方位といった情報を見ることができません。

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OLYMPUS Viewer3での情報表示画面
通常のGPSカメラではせいぜい位置情報(緯度経度)くらいしか記録されないので仕方がないのかもしれませんが、フィールドセンサーシステムの情報を見るためだけにOLYMPUS Viewerを立ち上げるのはやや面倒なのですよね。

[INFO]ボタンでリアルタイムのフィールド情報を表示

これらのフィールドセンサー情報は写真の撮影時の表示や写真データに記録されるだけでなく、電源OFF時に[INFO]ボタンを押すことで表示できます(ボタンを押した後、ワンテンポ遅れて下の画面が起動します)。

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写真を撮らなくても、方角や気温だけ確認したいような場合に助かる機能です。

[INFO]ボタン長押しで懐中電灯にも…

さらに同じ[INFO]ボタンを長押しするとLEDライトが点灯して、懐中電灯として使えるようになります。かなり明るい白色光なので、AFイルミネーターとして使うのは躊躇しますが(デフォルトではOFF)、アウトドア用カメラに懐中電灯機能を持たせるのはアイデアとしてはなかなか面白いですね。

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実際の登山ではヘッドライトを持ってない状況の方が少ないと思いますが、緊急的にスマホのライトを使うよりは持ちやすさの点などでも使い勝手がいいでしょう。

GPSロガー機能は使っていません

TG-5では内蔵GPSで行動軌跡ログを取得するためのスイッチが独立したのですが(TG-4以前はメニュー内にあって、切り忘れなどが発生しやすかった)、登山の際はスマートウォッチでログ取りをしているので、カメラをGPSロガーにする必要性は感じていません。

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ただ、緊急時などのためスマホでのGPSログ取りは極力控えたいこともあるので、GPSロガーのバックアップになるのは安心感がありますね。

RAW保存できてOM-D用のプリセットで現像できる

TG-4から撮影データをRAWで保存できるようになりました。センサーの大きなカメラほど現像時の余裕はありませんが、単純に色味やWBの補正がしやすいのは便利です。

さらにTG-5のRAWファイルはLightroomでオリンパス用のプロファイル(ピクチャーモードの再現)が使えるので、OM-D用に作ってあるプリセットを使ってほぼ同じ色味の現像ができるのが、ブロガー的にとてもありがたい。
下の抜粋部分、1枚目の風景は私がOM-Dで撮ったもので、2枚目は妻にTG-5で撮って貰った写真です。ブログ鑑賞レベルならほぼ違和感のない、同じテイストの写真として並べることができるのがよく分かるかと思います。

2018年の雪山始め、中央アルプス木曽駒ヶ岳で最高のお天気に恵まれる! - I AM A DOG
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妻はあまり露出補正などを気にせずに撮るので(笑)、JPEGでは足下の雪面などほぼ白飛びしていたのですが、RAW補正によりそこそこ階調が戻ってきています。

結露対策されているので急な温度変化も安心

冬山でカメラを使っていると外気が氷点下ということもあり、冷え切ったカメラをそのまま温かい山小屋や飲食店内に持ち込むとレンズやカメラ内部に結露を発生させてしまう危険性があります。分かりやすい症状では冷えたレンズ前玉やファインダーのガラスが白く曇ってしまうので、そのまま写真を撮り続けられない場合も多いです。

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山間部の飲食店は妙に暖房が効いていて屋外との気温差が凄いことになっていることも…

TG-5はダブルガラス構造でレンズの結露対策がされているので、登山の後に暖房の効いたレストランに入るときなども安心して持ち込むことができます。

F値可変のズームコンデジにしては望遠側が明るい

広角端の開放値が明るいコンデジは多いですが、望遠側は暗いことが多く少しズームしただけで一気にF値が上がってしまうことも。その点、TG-5は望遠端でもF4.9に抑えられているので、40mm相当までズームしてもF2.8、70mm相当でF4.0の明るさをキープしています。

レンズ画角(35mm換算) 25mm 40mm 70mm 100mm
開放絞り値 F2.0 F2.8 F4.0 F4.9

TG-5はセンサーサイズ1/2.3インチと極小センサーのコンデジですが、前モデルより画素数を落として高感度性能を改善していることもあり、このレンズの明るさと合わせてもかなり屋内や夜間でも「使える」ようになった印象があります。

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…といった感じで、今回はフィールドセンサーのオーバーレイ表示が楽しい件についてのみお伝えするつもりだったのですが、ついあれもこれもとTG-5を気に入ってる理由についてつらつらと書いてしまいました。
今月末には久々にスキーに行く予定なので(怪しい滑りでOM-Dを使うのはさすがに恐いので)またまたTG-5が活躍してくれそうです。

長らく品薄状態だったこのカメラ、現在は市場在庫も安定してきたようですし、年末あたりからネット通販での価格も4万円台半ばとかなり下がってきています。スノースポーツや雪山用に購入を考えてる人はかなり狙い目かもしれません。

こちらもどうぞ:TG-4/TG-5関連

フィッシュアイコンバーターのFCON-T01を使ってみました。

普段持ち歩いているTG-5で東京ミッドタウンのライトアップを撮ったときの写真です。

GPSロガーを使用しながらの撮影、電池持ちについてはこちらの記事で書いています。

前機種のTG-4を1年使い込んでみてのレビュー。TGひと桁機のマクロ撮影や深度合成(の記事へのリンク)などについては、過去のTG-4記事も合わせてご覧くださいませ。