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GWの立山で過ごす2泊3日:富山側からのアクセス・雷鳥沢キャンプ場・みくりが池温泉など

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GW中の立山滞在。2日目、5月1日(火)の立山周回登山については既に記事にしていますが、その他の立山で過ごした様子についてまとめてみたいと思います。
富山側からの立山へのアクセスや、室堂平、雷鳥沢キャンプ場の情報になります。


改めて今回のスケジュールですが、4月30日(祝)の午前中にマイカーで富山入り。市内で昼食を済ませた後、立山駅まで移動してアルペンルートにて室堂へ。
雷鳥沢キャンプ場にテントを貼って、2日目に立山周回の登山を楽しみ、天気が崩れる予報の出ていた翌5月2日(水)の午前中に撤収する2泊3日です。

立山黒部アルペンルートで立山(室堂)へアクセス

まず「立山」という表記ですが、本記事に於いては特に断りのない場合、室堂を起点にした山岳エリアを「立山」と表記しています。アルペンルートの玄関口「立山駅」については表記で使い分けることにします。

そんな立山へのアクセスですが、一般的には富山県の立山駅と長野県の扇沢駅を結ぶ「立山黒部アルペンルート」と呼ばれる山岳観光ルートの中間地点である「室堂(むろどう)」を目指すことになります。

立山黒部アルペンルートは北アルプス(飛騨山脈)を東西に貫くコースをケーブルカーやロープウェイ、トンネル内を走るトロリーバスなどで乗り継ぐもので、その途中には巨大アーチダムの象徴的な存在でもある黒部ダムもあります(そもそも黒部ダム建設のために掘られたトンネルが、その後アルペンルートに転用されたもの)。


via: 立山黒部アルペンルート オフィシャルガイド

ただし、黒部ダムを見たりトロリーバスに乗れるのは室堂よりも東側で、扇沢からアクセスをした場合。東京から立山(室堂)に行く場合は、長野県の扇沢を起点にした方が早いのですが、今回はあえて富山側の立山駅を起点としました。
…理由は富山のお寿司が食べたかったから(笑)

富山のお寿司などについてはまた別の記事で…

立山駅前の駐車場に車を停めてスタート

立山駅は富山地方鉄道立山線の終点であり、アルペンルートの起点となる駅。車でのアクセスの場合、富山市内からは約45分程度でワインディングも殆どなく走りやすい道です。
そんな立山駅の周辺には無料駐車場が大量に整備されていて、全部で900台近い車が停められるそうです。

駅から近い駐車場から埋まっていくそうで、週末やGWなどの連休はかなり混み合うようですが、連休前半最終日の午後ということもあって、駅前の駐車場にいくつかの空きがありました。ラッキー。

駐車場を出て目の前の踏切を渡った先に駅が見えたので、そちら側から駅に入ったのですが「意外に寂れた駅だな…?」と思ったら、反対側が表玄関だったようです(笑)

こちらが帰りに出た正面口側。バスも入ってこられる大きなロータリーや観光の総合案内センターなどもありますし、いかにも立山の玄関口といった趣です。


立山駅構内には登山用品レンタルも

立山駅構内の無料休憩所にはフードコートや登山用品のレンタル窓口(TABO)も併設されています。前回の記事にも書きましたが、私達はここで予約していて雪崩ビーコンを受け取りました。

ビーコン受け取りの手続きは、必要事項の記入と簡単な使い方の説明(電源のオンオフ、捜索モードの切り替えなど)で5分程度でした。

ケーブルカーとバスを乗り継いで美女平〜室堂へ

これが立山駅と室堂の往復乗車券。大人4,310円で片道(2,430円)を買うよりも、お得になっています。同じ室堂までのアクセスでも、扇沢からの方が若干高くなるようです。


運賃 個人のお客様(1〜14名)|立山黒部アルペンルート

チケットを買ったらケーブルカー待ちの行列へ。右側は団体客(中国からかな?)で我々個人客は左側の列。混み合っているようにも見えますが、チケットの発券から10分後のケーブルカーに乗れることになっていたので、特に混雑している訳ではないようです。

GW期間の朝方などは数本先のケーブルカーまで埋まってしまうそうですが、やはり連休最後の午後便というのも大きいのでしょう。立山発午前のケーブルカーをWEBから予約できる枠もあるようですが、登山目的だと天候等の都合もあって、早い段階の予約も難しいかもしれません…。
立山黒部アルペンルート オフィシャルガイド

立山ケーブルカーの乗車時間は7分程で、立山駅から「美女平」まで一気に500m近く標高を上げます(455m→977m)。登山用の大きな荷物、スキーなどは別に積んで貰えます。

美女平にて立山高原バスに乗り換えます。ここから室堂までノンストップで50分ほど。途中の「弥陀ヶ原」や「天狗平」に停車する便もあるようです。

途中、バスの中から「称名滝」や剱岳を見ることもできます。滝や剱が見やすいのは左側の席です。室堂の標高は2450mなので、このバスで1500m近く標高を上げることになります。

徐々に路肩の雪壁が高くなってきて観光客が見えてくると室堂はもうすぐ。想像していたよりも「雪の大谷」が低いのは今年の積雪の少なさ故でしょうか…。


室堂ターミナル

「室堂」に到着するとターミナル内はこの混雑ぶり。連休最終日の午後ということでこれから立山駅や扇沢方面へ移動する人が多かったようです。やはり各地の観光地同様に、中国や韓国からの観光客がかなり多い印象です。

ターミナルから観光客の大半は雪の大谷へと向かうようです。一気に標高が高くなったので、ベースレイヤーにソフトシェルを羽織っただけでは少し肌寒いようです(立山駅では暑かった位)。

中にフリースを着て、登山靴の靴紐を締めてターミナルから外に出ていくと…

目の前に立山の稜線がどーんと広がっていますが、生憎の曇り空なのでやや感動は薄めです(笑) 山もかなり黒い所が多く、真ん中付近の稜線は殆ど雪がありません。
この辺り一帯の山に囲まれた比較的平坦なエリアを「室堂平」と呼ぶそうです。

翌日登る最終目的(?)の雄山の山頂も見えました。結構尖ってますねー。

登山届け提出時に遭対協の方から気を付けるように念押しされてしまっただけに、この辺りがかなり険しく見えてしまいます(笑)

室堂から「雷鳥沢キャンプ場」へ

室堂ターミナルからテント場である「雷鳥沢キャンプ場」までは徒歩で40分位、基本的にずっと下り道です(つまり帰りはずっと登りになります)。

少しだけ姿を見せたみくりが池。6月頃まで雪で覆われているのだとか。雪融けが早いと言われてる今年はどうでしょう?

室堂平には「地獄谷」と呼ばれる火山ガスが吹き出すエリアがあります(立入禁止)。温泉も湧いているので、後ほど紹介する「みくりが池温泉」を始め周囲の宿(山荘)の多くは温泉が引かれていて、日帰り入浴も可能となっています。

火山ガスの影響か、この辺りの雪は黄色から緑っぽく染まっている場所が多いです。風向きによっては硫黄(硫化水素)の臭いがかなりします。

30分程歩くと眼下に目指す「雷鳥沢キャンプ場」が見えてきました。テントの数はGWにしてはそこまで多くない感じでしょうかね(GWの涸沢を見慣れているせい?)。

雷鳥沢ヒュッテと右手がロッジ立山連峰、同じ系列の山荘で雷鳥沢キャンプ場から最寄りの売店になります(テント場にはトイレ併設の管理棟のみで売店はなし)。

立山をバックにした雷鳥沢キャンプ場が近づいてきました。正面が真砂岳と富士ノ折立の鞍部、右端の一番高く見える山が雄山、見えている全て翌日に歩く予定の稜線です。


雷鳥沢キャンプ場で過ごす2泊3日

雷鳥沢キャンプ場です。

トイレが併設された管理棟で幕営の受付を行います。幕営料は1泊500円/1人で、2泊以上は1000円/1人とのこと。トイレは水洗ですが、和式かつうっかりモノを落とすと取れないタイプなので気を付けましょう。

場所は選び放題な感じだったのでトイレにもそこそこ近くて立山の稜線がよく見える場所にテントを設営、ってテント場のどこからも山はよく見えるんですけどね(笑)

テントの中から見た立山の稜線(別山方面)。前に泊まっていた人がテントの前にテーブル(?)を作っていてくれたのでそのまま利用させて貰うことにします。

初日の夕飯は奥さんが鍋を作ってくれました。白湯スープの餃子鍋で〆ラー付き。

日暮れ前には少し青空も覗いてくれて、この景色を見ながらの食事は最高!

夕方になってやや冷えてきたので、温かい鍋が嬉しいですね。

翌日の夕飯はカップラーメンでした。

夜も曇り空のため日没ショーや星は全く期待できず…(元々、月の明るい夜でしたが)、そのままテントで爆睡してしまいました。
途中、テントの中からカメラだけ出して手持ち2秒、楽なカメラで助かります(笑)

2日目も縦走中は素晴らしいお天気でしたが、夜になると雲が出てきて初日と同じようなお天気になってしまいました。こうなると諦めも尽きますし、立山滞在中はかなり充実した睡眠を取ることができました(笑)


滞在2日目は立山周回登山へ

立山入りした2日目は朝から立山周回の縦走(別山〜雄山)を1日かけて楽しんできました。その模様はこちらの記事にて。


雷鳥沢キャンプ場&室堂で遭遇したライチョウたち

立山縦走中にたくさん会うことができた雷鳥たち。実はキャンプ場の周りにもたくさんいます。なんといってもここは「雷鳥沢」ですからね。

2日目の下山後もテントで休んでいると、あちこちからずっと「グェ〜グェ〜」と雷鳥の鳴き声が聞こえていました。周りのテントからのイビキよりも雷鳥の鳴き声の方が聞こえていたくらい(笑)

疲れていたので探しに行くことはありませんでしたが、翌朝朝食の際に鳴き声が聞こえる方向を見に行ったら… 少し離れたハイマツの中にやっぱり雷鳥がいました。ちなみに300mm相当の望遠をかなりトリミングしたものなので、実際にはかなり離れています。

ちなみに写真には撮れていませんが、テント場の周りでは結構盛んに雷鳥が飛び回っています。前日も見ていますが、こんなに雷鳥って飛ぶんだって知りませんでした。

3羽のオス雷鳥が縄張り争い?

さらにテントを片付けながらまた鳴き声が聞こえたので探しに行ってみると、テント場裏の斜面にできたクラックのあたりに2羽の雷鳥を発見! 肉眼だとかなり怪しいサイズですが、望遠レンズのお陰でよく見えます。

2羽のオスですが特にケンカをするでもなく一定の距離を取って歩き回っています。

そんな2羽の元へ突然鳴き声を上げながら別のオスが1羽がやってきました。先に居た2羽よりもちょっと大きいサイズです。

オスの雷鳥が3羽になりました。新しく来た雷鳥を見て離れていく2羽…

突然、3羽目の雷鳥が尾羽を広げて他の2羽を攻撃し始めました! やはりこれは縄張り争いでしょうか? 先に居た2羽を追い出して縄張りを奪おうとしているのか、元々この雷鳥の縄張りだった場所なのか…?

特に集中的に片方を追い立てながら、もう1羽が少し離れた所から付いていく感じ。

争いながらどんどんテント場から離れていく3羽。買える前になかなか面白いものが見られました。最後には飛んで追いかけていましたからね…。

雷鳥がいるのはテント場の周辺にあるハイマツが露出した場所が多いようで(営巣地なのでしょうね)、鳴き声が聞こえてくる方向のハイマツ帯やその周りを丹念に探すと雷鳥を姿を見つけやすいようです。

空を飛んでると肉眼でもすぐに見つけられますが、今回は300mm相当までズームできる望遠レンズがかなり役に立ちました。双眼鏡などがあるともっと探しやすかったと思いますし、できれば600mm位までズームできるレンズが欲しかったかな。

ちなみにみくりが池を見下ろすころができる遊歩道沿いにも雷鳥がいて(ここを縄張りにしてお馴染みの奴のようです)、観光客が足を止めてみんな写真を撮っていました。望遠レンズを付けたカメラはしまっていたので、広角レンズで撮りましたがそれでもこの近さ。立山の雷鳥たちは人間をあまり怖がらないようですね。


今度は泊まってみたくなった「みくりが池温泉」

最終日、テント場を撤収した後で温泉に入って行くことにしました。日帰り入浴だけならテント場から近い宿にもありますが、以前からそのホスピタリティの高さを耳にしていた「みくりが池温泉」で入浴してから、軽食を食べて行くことにしていたのです。


日本一高い場所にある天然温泉

テント場から室堂ターミナルまではひたすら上り坂なので、室堂まで目と鼻の先のみくりが池温泉で最後にお風呂に入ってサッパリしていくのが丁度いいタイミング。

入口を入るとフロントや日帰り入浴の案内があるのでそれに沿って進みます。軽食が食べられる「喫茶みくり」は8時半からの営業で、後で行く予定。日帰り入浴は9時から16時の間で料金は1人700円、タオルのレンタルも300円で行われています。

靴は無料のロッカーに入れるか、登山靴やスノーブーツの置き場所もあります。

登山用の大きなザックは食堂に置かせて貰うことができます(管理は自己責任で)。鍵のかかる無料のロッカーが更衣室にあるので、財布や貴重品などは持って行くといいでしょう。

こちらがみくりが池温泉の「雲上の温泉」。源泉はすぐ横にある地獄谷にあるそうで、この温泉は標高2,410mの日本一高い場所にある天然温泉なのだとか。

室堂からのアクセスの良さにそこまで秘境(秘湯?)感はありませんが、涸沢カールよりも高い標高にある温泉と考えると結構凄いですよね。
更衣室。鍵のかかる大きめのロッカーがあるのでカメラ2台と着替えなども安心して入れられることができました。

浴槽は内湯が2つ(熱湯と適温の湯)で、それほど広くはありませんが、のんびりと入れるいいお湯でした。洗い場にはボディソープやリンスインシャンプーも用意されているので、山小屋とか山荘というよりはほぼホテルですね。
風呂上がりには立山のおいしいお水をゴクゴク飲んでしましました(笑)

登山の際はパックタオルを持っているので急な入浴でも問題ありません。モンベルのクイックドライハンドタオルも2枚持っているので、入浴用の体を洗うタオルも(少々小さいですが)これでOK。

喫茶みくりで厚切りジャムトースト&ホットピザ

2日半ぶりのお風呂でサッパリした後は「喫茶みくり」で軽食。ここで食べるために朝食は「1時間歩ければOK」とカロリーメイトしか食べてなかったのです(笑)

コーヒーに厚切りパンのジャムトースト(あんバタートーストもあります)。

厚切りの食パンがフワフワで美味しい!

そして「エンマ様のホットピザ」。

ピザは地獄谷になぞらえた3種類のオリジナルソースをかけて食べることができます。
緑はすっぱ辛い「ハラペーニョソース」、赤は1滴だけでもかなりの辛さの「ホットチリソース」、そして黄色は「カレーソース」です。

個人的にはカレーソースが一番チーズの味を殺さないと感じましたが、ハラペーニョソースも美味しかったです。あとはソースなしでも十分美味しいです(笑)

生ビールとのお得なピザセットもあって心惹かれたのですが、車の運転まで2時間を切っていると思うので我慢です。

お湯も良かったですし、全体的にとても居心地のいい空間だったので、次回は日帰り入浴でなくここに泊まりに来たいなーと感じた「みくりが池温泉」です。


室堂を後にして〜立山駅へ

室堂ターミナルに入る前に雪の大谷の入口付近でちょっと記念撮影… 雪壁が落書きだらけなのは頂けませんね。

ターミナル内は混み合っているように見えますが、立山駅方面はそれほど混んでいません。切符売り場にかなり列ができていましたが、往復チケットで買ってないのかな?


美女平までのバスは殆ど寝ていて、あとはケーブルカーで下りるだけ。立山駅方面は乗り換えが1度のみなので、帰りも楽チンですね。

トンネルを抜けて……

立山駅が見えてきました。

連休中の平日の昼過ぎということで、駅構内はかなりガラガラです。

立山周回でお世話になったビーコンを返却して…

ソフトクリームを食べる。うまい。


立山駅でカモシカに遭遇!?

駅の外に出てみるとケーブルカーの斜面(写真中央)の辺りに何かいるみたい…

なんと斜面で2頭のカモシカが草を食んでいます。めっちゃこっち見てるし!

山から下りてきたつもりですが、まだここは山だったようです。あんなに雷鳥を見たのも初めてのことでしたし、本当に自然が身近なんですね、立山は。

ということでこれで無事期間。お疲れさまでした。さて、寿司でも食べに行こう!


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