先日、久々にフォーサーズレンズ(OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5)を購入したのですが、そういえば昨年書いたこの記事の続きを書いていませんでした。
今回はもう少し踏み込んで、現在だいぶ安価に入手できるようになったら中古のフォーサーズレンズを使ってみませんか?といった切り口の記事になります。
- 今後フォーサーズレンズは中古市場での入手に…
- OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5/同Ⅱ型
- OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8
- OLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro
- OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro
- OLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD
- OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5
- OLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
- まだまだ使える!? フォーサーズレンズ
- 追記:最新OM-Dはフォーサーズレンズの挙動がより安定!?
- こんな記事もあります
今後フォーサーズレンズは中古市場での入手に…
さて、前の記事から9ヶ月、事実上のオリンパスのフォーサーズ撤退からは2年弱の月日が経ちました。まだ一部の量販店やネットショップでは新品のフォーサーズレンズを買い求めることもできますが、今後は中古市場やオークションがフォーサーズレンズ入手の中心となっていくことでしょう。
正直に言えば、像面位相差AFを詰んだオリンパスOM-D E-M1以外のマイクロフォーサーズ(MTF)機で、かつてのフォーサーズ(FT)レンズを扱うのは決して快適ではありません。それでも、FTレンズにはまだMFTでは出ていない個性的なレンズが数多くあります。そこで、中古価格も下がってきている現在、これらのオールドフォーサーズに今一度スポットを当ててみてはどうでしょう?というのが今回の記事。
マニュアルフォーカスでオールドレンズを使うことに比べたら、オートフォーカスだって(遅いながらも)効きますし、今のMFT機はマニュアルフォーカスのアシスト機能が充実しているので、上手くAF/MFを使い分けることで充分に活躍してくれます。
今回は、これまで私が使ったことのあるレンズを中心に、現在中古市場で1〜3万円前後の手頃な価格帯で見かけるようになったフォーサーズレンズを紹介していこうと思います。合間に貼ってる写真は、それぞれ当該レンズを使って撮ったものです。
※MFT機で使えるといってもあくまで旧規格のレンズですので、AFの動作などは過度の期待は禁物。できることならば、事前に使用予定のボディでの動作確認をお勧めします。
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5/同Ⅱ型
(中古相場:20000円前後/防塵防滴)
交換レンズ ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II | 標準ズーム | 交換レンズ | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
ZD14-54mmはFT規格最初期からの代表的なレンズで、F2.8〜F3.5という開放値の明るさを持つ、35mmフィルム換算(以後省略)で28mmから108mm相当の約4倍ズーム。開放ではややソフトに、絞れば解像感も充分、逆光耐性の良さもあり非常に使い勝手のよい標準ズームレンズです。
2008年にはII型へとモデルチェンジしていて、私はかつてはI型を、MFTに乗り換えてからも訳あってII型を購入して使用しています。
新旧レンズの違いですが、II型では円絞りが採用されてる他、ハイスピードイメージャーAF(前記事参照)に対応していることが、E-M1以外のMFTのボディで使用する際には一番大きいでしょうか。II型ならば例えばE-M5との組み合わせでも、そこそこ実用範囲のAFスピードを実現しています。
玉数が多いレンズなので、中古市場でもI型などは1万円台後半から見かけますし、状態の良いII型でも3万円位で探せると思います。
キットレンズからの乗り換えにもオススメで、FT/MFT機をレンズキットで買ったものの「思ったよりボケない」とガッカリしている人にもぜひ試してみて欲しいレンズ。その使い勝手の良さから、12-40mm PROを始め近い画角のレンズを複数所有している私が、未だに手放せない万能レンズです。
セミマクロ的に「寄れる」こともこのレンズの魅力のひとつ。
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8
(中古相場:15000円前後)
25mm F2.8|FourThirds規格交換レンズ|オリンパスイメージング | 単焦点レンズ | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
オリンパスの小型一眼レフ機(E-420、E-620など)との組み合わせでも人気だった単焦点パンケーキレンズ。50mm相当の標準画角に、そこそこ明るい開放値。描写も申し分ない性能を持つ、優等生のお散歩レンズでした。ちなみに、これが私の初単焦点レンズ。
アダプターを介してMFT機に取り付けると、パンケーキとは言い難いサイズになってしまうのと、現在MFTは単焦点レンズのラインナップが拡充してることもあって、今このレンズを求める魅力となると価格ぐらいなのですが…。といっても、思った程安くなってないかなあ、というのが個人的な感想です。
今更ながらE-420の中古ボディを探して組み合わせてみたいなーなんて(笑)
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro
(中古相場:35000円前後/防塵防滴)
交換レンズ ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro | マクロレンズ | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
一部では“神レンズ”なんて呼ばれている(私「神○○」って表現が好きじゃないので、あまり使いたくないのですが)50mmマクロ(5020マクロ)も随分と安く手に入るようになりました。
F2.0という明るさとその綺麗なボケ味から、マクロだけでなくポートレート用途としても評判の高かったレンズ。個人的にもお気に入りのレンズでしたが、機材整理の際に意を決して手放してしまいました。
現在オリンパスマレーシアの社員でもあるRobin Wong氏が、まだオリンパスファンのいちブロガーだった頃にE-5とこのレンズで撮った虫マクロの写真は、当時フォーサーズユーザーの間でもかなり話題になりましたね。今見てもやっぱりすごい!
http://robinwong.blogspot.jp/2010/10/olympus-e-5-review-macro-shooting-at.html
http://robinwong.blogspot.jp/2012/08/shoebox-macro-flash-bouncer.html
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro
(中古相場:10000円前後)
35mm F3.5 Macro|FourThirds規格交換レンズ|オリンパスイメージング | マクロレンズ | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
オリンパスのフォーサーズレンズには2本のマクロレンズがありまして、High Gradeのラインだった先ほどの5020マクロに対して、Standardラインだったのがこちらの35mm(3535マクロ)。開放値こそF3.5とやや暗くなりますが、三脚を使ってマクロ撮影するような場合にはそれなりに絞りますし、別に充分なんじゃないかなーとも思います。
70mm相当となる長すぎない画角は、ポートレートや風景撮りにも出番がありそうですが、いかんせん私は使ったことがないので、あまり書けることはございません。
中古価格がかなり安いので、油断するとつい買ってしまいそうでこわい…。
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD
(中古相場:40000円前後/防塵防滴)
デジタル一眼カ ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD | 標準ズーム | 交換レンズ | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
こちらも14-54mm同様の標準ズーム。広角側は24mm相当と広くなり、開放から切れの良いシャープな描写をしてくれる、フォーサーズの人気標準ズームでした。SWD(前記事参照)によりキビキビ動くAFは、E-M1ならば今でも充分に常用レンズとして実用レベル。
私はこのレンズが好き過ぎて、FTから離れられなかった所もあったぐらいで、E-M1購入から1年弱はこのレンズを使い続けておりました。
E-M1以外のMFTボディでも使えますが、レンズ重量が575gと重め(アダプタ混みで600g越え)なので、これを支えられるボディって実質E-M1かバッテリーグリップを付けたE-M5位な気もします。
今回紹介した他のレンズに比べて中古価格はやや高めになっていますが、最近は並品ならば3万円台前半でも見かけるようになってきまいした。
こちらも14-54mm同様に「寄れる」レンズ。
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5
(中古相場:30000円前後/防塵防滴)
Interchangeable Lens ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5 | 広角ズーム | 交換レンズ | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
海外旅行に行く前に12-40mm PROより少しでも広いレンズが欲しい…とうっかり買ってしまった超広角ズーム。…というか超広角寄りの標準2倍ズームです(写真はその後、スイス旅行で撮ってきたものを貼っています)。
いまさら買ってしまったフォーサーズレンズ/OLYMPUS ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5 - I AM A DOG
マイクロフォーサーズ、フォーサーズのレンズは開放からシャープな写りをするものが多いのですが、そんな中でもグンを抜いてシャープな描写をするレンズ。同じ環境で比較した訳ではありませんが、個人的な感覚では12-60mm SWDよりもシャープだと感じたぐらい。
2倍という控えめな倍率のおかげか(12-60mm SWDでは目立つ)周辺部の歪曲などもほとんど気になりません。ズーム側はF3.5の44mm相当なので、標準レンズとしてもテーブルフォトなど問題なく使うことができました。
超広角レンズとして見てしまうとやや物足りなさはあるものの、明らかに12mm(24mm相当)よりも広さは演出できますし、自然な超広角(やや言葉がおかしいですね)の演出には最適なレンズな気がします。
OLYMPUS ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
(中古相場:30000円前後)
交換レンズ ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 | 広角ズーム | 交換レンズ | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
こちらも私は未使用。MFTにも同じスペックのレンズがありますが、中古価格はこちらの方が1万円以上安くなってます。サイズ、重量、AF速度などを考えたらMFT版を選ぶのが正解なのだと思いますが、同じスペックなら光学的にもFT版の方が無理してなくて良いんじゃないかなーという素人考え。
実際、ネットでも写りはFT版が上という声をよく見ますが、超広角ズーム欲しい病真っ最中の私も結局このレンズにはなんとなく手は出してません。
まだまだ使える!? フォーサーズレンズ
その他にも中古価格の下がっているフォーサーズレンズは複数存在しますが、キットレンズ系なら素直にMFTを使った方が良いと思いますし、MFT化されてない個性のあるレンズを中心に見て行くとこんな感じかなーと。
その他、シグマやパナソニックからもFTレンズは出ていましたが、それぞれ市場に出回った玉数が少ないのかあまり中古市場でも見かけませんし、パナソニックはもう少し高価格帯のレンズが中心だったこともあり、本記事では取り上げていません。
最後に今更ですが、MFT機でFTレンズを使う際には、マウントアダプターが必要になります。サードパーティー製の格安のものも存在しますが、OM-DとFT HGレンズを組み合わせる場合は、防塵防滴同士のまま接続できる純正のMMF-3を選びたいところ。
追記:最新OM-Dはフォーサーズレンズの挙動がより安定!?
2016年12月に発売となった、オリンパスマイクロフォーサーズ機の最新フラッグシップ「OM-D E-M1 Mark II」。初代OM-D E-M1と比較しても明らかにフォーサーズレンズの挙動が安定し、個人的な感覚ですがE-5時代よりもAFが速くなったようにすら感じました。
オリンパスプラザ東京で発売前のOM-D E-M1 Mark IIを触ってきたので雑感など - I AM A DOG