昨日更新したウメジロー(梅とメジロ)記事。狙いの飛翔シーンだけでなく、真ん丸の正面ウメジローやコミカルなジャンプ姿も予想外に楽しんで貰えたようで、撮った本人としても嬉しい限りです。
そんなメジロ撮影に活躍してくれたのが、昨年末に発売されたオリンパスの最新ミラーレスカメラOM-D E-M1 MarkII。これまでのミラーレスカメラの常識を遙かに超えた連写性能、動体追従能力を持つこのカメラが今回の撮影を助けてくれたことは間違いありません。

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ただ、前回撮影した際に感じたのは「決して動体に強いカメラじゃないと撮れない被写体ではない」ということ。動体を追いかける際に使うC-AF(コンティニアスAF)も使いますが、細かい小枝の中をちょこまか動き回る小鳥を狙うには、C-AFを選ぶことがベストでないシーンの方が多かったぐらい。
むしろ「S-AFでピントを合わせて連写 → ピントを合わせてロックオンして連写」…の繰り返し。私が参考にしたログカメラのメジロ記事を読み返してみても、キモは「いかに高速シャッターでの連写が可能な状況を整えるか」だと感じられます(私はそう読み取った)。
C-AFや親指AFに関してはカメラの扱いに慣れてる人なら、更に歩留まりを高める要素にもなりますが「ストレスなく連写できる準備」が基本であり一番大事なのかなと。そこを理解しておけばE-M1 MarkIIを使わなくても、同じようなウメジローが撮れるはず? …と早速、今日の午前中に府中郷土の森博物館を再訪しました。
エントリー機「PEN Lite E-PL7」とダブルズームキットの望遠レンズで梅ジローを狙おう!
できれば、エントリークラスの一眼レフ機での再現ということで、PENTAX K-S2を使ってみたかったのですが、生憎Kマウントの望遠レンズは持っていません。そこで選んだのがオリンパスのミラーレスカメラ、PENのエントリー機種である「PEN Lite E-PL7」。

OLYMPUS PEN E-PL7 EZダブルズームキット シルバー ミラーレス一眼 E-PL7 EZ DZKIT SLV
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ただしこのカメラは連写性能が8コマ/秒となかなかの数字。エントリー機でも連写性能が高いのは、レリーズ時にミラー動作のないミラーレスカメラならではですが、今回の撮影にはむしろ有り難いスペックです。上手くいけば、5〜6コマ/秒程度のエントリー一眼レフ機よりも、いい結果を出してくれるかもしれません?
使用カメラE-PL7の設定など(一眼レフにも応用可)
まず、なにより大事なのは「1/2500〜1/3200秒」という高速シャッター(これを基本に色々試してみましょう)。動きの素早い小鳥を止めて撮るには、兎にも角にもSSの見極めが大事。ここに気づかせてくれたログカメラには感謝しかありません。
これだけの高速シャッターとなれば望遠域とはいえ手ぶれの心配は殆どないので、必ずしもOM-Dクラスの手ぶれ補正が必要な訳でないことは分かりますね(あるとファインダー像が安定して楽ですけども)。
ISO感度は「ISOオート」で上限ISO3200からもう1段ぐらい上まで上げておいてもいいでしょう。特に今回はキットの暗いレンズを使っていますし。ノイズより高速シャッターが切れることが大切です。それに野外で晴れていれば、そこまで感度が上がることもありません(日陰では結構感度が上がるので注意)。
ファイルサイズは連写がスムーズにできるまで下げてしまいます(ログカメラの受け売り)。トリミング耐性を考えつつ、ブログ用ならそこまで大きいサイズは必要ありませんので、今回はJPEG「M」の上から2番目のサイズで、画質はSuperFineに設定しました。
カメラのバッファ容量も重要ですが、持ってる中で一番書き込みの速いSDカードを使って、事前にどの程度の連続シャッターが切れるか(その後どれぐらいで次のシャッターが切れるか)を確認しておくと、現場で混乱しません。
PEN Lite E-PL7の設定値
- 撮影モード:S(シャッター速度優先)
- シャッタースピード:1/2500〜1/3200秒
- レリーズモード:連写H
- フォーカス:S-AF
- フォーカスポイント:シングルターゲット(中央1点)
- ISO感度:オート(上限ISO6400に設定)
- 記録サイズ:JPEG「M」(SuperFine)
- 記録メディア:SanDisk Extreme PRO UHS-I
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PEN Lite E-PL7で撮ったウメジローたち
結果から言ってしまうとまずまずのウメジローが撮れたのではないでしょうか(記事冒頭からの3枚も全てE-PL7で撮った写真です)。私も実際にやってみるまで、ファインダーのないLVのカメラで、ここまであっさり撮れるとは思わなかった位。お天気が晴れてくれたことも幸いしましたが、フラッグシップ機を使わなくてもちゃんと羽を広げたウメジローの飛翔を捕らえることに成功しました。
フォーカスはメジロ本体を狙ってもいいですが、上手く合わないときは近くの梅の木や花を狙いつつ、ズラしながら微調整していくといいでしょう。恐らく、この撮り方はミラーレスよりも一眼レフ機で狙った方が最初のピント合わせはスムーズなはずなので、各社のエントリー一眼レフでも充分に対応可能だと思います(別にPENTAXでも撮れるはず)。あとはなるべくカメラの最大連写で頑張ります。
連写はずっと押しっぱなしより、メジロの様子を観察して蜜に夢中になってるターンからそろそろ動きそう… というタイミングを狙うと歩留まりが上がるかも。カメラのバッファが少ない場合、一杯になるまで撮りきらず、細かい連写を繰り返すと息切れしません。
他にも枝に止まったウメジロー、ジャンプしているウメジロー、なにより前回は撮れなかった紅梅と青空を絡めたウメジローを撮ることができました。
レンズは最大望遠で150mm(300mm相当)なので、どの写真もトリミングを行っていますが、低価格のキットレンズの開放(F5.6)にしては羽毛の描写など見事だと思います。手振れが少ないのも高速シャッターならではの恩恵ですね。

OLYMPUS 望遠ズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R ブラック
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※今回ははてなフォトライフにアップした写真を記事内に貼ってますが、同じ写真+α(の、もう少しサイズの大きいもの)をいつものFlickrの方にも置いておきます。
PEN Liteと初代E-M1で梅ジロー | Flickr
初代OM-D E-M1でも撮ってみた
保険という訳ではありませんが、E-PL7だけでは撃沈するかも…? と初代のOM-D E-M1にMC-14付きのED 40-150mm F2.8も持って行ってみました。こちらはS-AFとC-AFをレバースイッチで切り替えられる設定にしていましたが、結局使ったのは半押しのS-AFのみ。今回も躍動感のある「ピョーン」写真が撮れております(笑)
ビヨーンと伸びてます…
E-PL7を使ってある程度行けることが分かったので、途中から出番は少なかったですが、飛翔もちゃんと撮れました。元フラッグシップ機の面目躍如ですかね。
あとはやはりさすがPROレンズの描写力、といった所でしょうか。上のキットズームも頑張っていましたが、そこはやはり実力差がハッキリ。

OLYMPUS 望遠ズームレンズ ED 40-150mm F2.8 1.4X テレコンバーターキット 防塵 防滴 マイクロフォーサーズ用 M.ZUIKO ED40-150mm F2.8PROTC
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そうそう、今回はコゲラの姿も見ることができました。小さな体でドラミングしてるのが可愛いキツツキの一種。しかコゲラに夢中になってるうちに、近くにいたウメジロー達を見失いました(笑) 一度見失うとしばらく梅園を彷徨う羽目になります…。
といった感じでやり方次第ではエントリー機でも撮ることができるウメジロー。この週末はお天気もまずまずのようですし、梅の季節もあとわずか。可愛らしいメジロの姿を求めて、お近くの公園を散策してみてはいかがでしょうか?
おまけ:特別展「あしもとネイチャーワールド 多摩川・冬鳥の陣」
せっかく府中郷土の森博物館まで梅やメジロを見にやってきたら、立ち寄ってみると面白いかもしれない「梅まつり」と同時開催の博物館本館の特別展をご紹介。
http://www.fuchu-cpf.or.jp/museum/tenji/1000074/1001248.html
時は2017年、従来の自然環境は都市化の進行とともにその姿を消し、あるいは変貌を遂げ、かつて里山と呼ばれた野鳥たちの住処は減少してしまいました。ある者はさらに奥地の山野に向かい、ある者は別天地を求めて散らばって行きました。しかし、新天地のひとつとして、野鳥たちの人気の的となったのは、開発された都市そのものだったのです・・・・
冬の多摩川周辺に集う鳥たちを「正規軍」「侵略軍」「都市侵略軍」「冬鳥軍」「旅鳥軍」…と分類して、その苛烈な陣取り合戦(?)を、鳥たちの剥製と共に解説した展示です。
敷地内で見たばかり(撮ったばかり)の鳥の名前だったり、元々どのような場所に住んでいる鳥なのか… なんてことが分かって楽しむことができました。開催期間は3月12日(日)まで、ということで残り2日間。ウメジロー撮りと合わせてどうぞ!
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