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微妙な空模様の甲斐駒ヶ岳へ:お盆休み南アルプス山行其の①

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初日は単なる移動日だったお盆の南アルプス北沢峠の2日目、8月14日(月)。いよいよ、ひとつ目の目標である甲斐駒ヶ岳登山のスタートです。


北沢峠から反時計回りで甲斐駒ヶ岳へ

甲斐駒ヶ岳は南アルプスのほぼ最北に位置する、標高2,967mの日本百名山の一座。北杜市や茅野市方面から南アルプス方面を眺めた際、最も手前側に大きく見えるのがこの甲斐駒ヶ岳です。
日本にいくつもある「駒ヶ岳」の中でも最高峰の標高を持ち、中央アルプスの木曽駒ヶ岳(2,956m)に対して「東駒ヶ岳」(木曽駒ヶ岳=西駒ヶ岳)と呼ばれることもあるようです。特に山頂付近の花崗岩による白い山肌は、南アルプスの他の高峰から眺めても異彩を放つ存在感です。


(北岳山頂付近からの甲斐駒ヶ岳)

そんな甲斐駒ヶ岳へ至るルートはロングコースの黒戸尾根や上級者向きとされる鋸岳を経由するものがありますが、最もポピュラーなのが北沢峠を起点に双児山の尾根、又は仙水峠を経由するそれぞれのピストンか時計回り(反時計回り)のもの。我々は長衛小屋のテント場が起点となるので、仙水峠からの反時計回りコースを選びました。


長衛小屋のテント場を出発

本来は日の出と共にスタートする予定でしたが、朝方に軽い雨が降っていたこともあり、テントでダラダラしているうちに6時を過ぎてしまいました…。それなりにコースタイムも長いので、そろそろ行かなきゃ… と出発。

仙水峠へ向けて沢沿いの樹林帯を登っていきます。なんというかとても水の豊富なエリアであることを感じられる登山道。そこかしこに南アルプスの天然水(笑)


前回の記事でも少し触れましたが、川には何段階かの人口のダムが作られていて、小さな池がいくつもできています

30分程で仙水小屋を通過。ここはトイレの貸し出しなどはないので注意。そうそう、北沢峠〜甲斐駒ヶ岳ルートは途中にトイレがないので、朝一にしっかり済ませておきましょう。

標高2,200m程で突然視界が開けてハイマツとゴロタ石のエリアへ。周りの山を見回すとまだ森林限界を超えてないのですが、この一画はこの通り… 面白いですね。


ミニチュアの森のような苔(?)が足下に…

ゴロタ石エリアを抜けると仙水峠。雲の合間に摩利支天と甲斐駒の勇姿が覗きます。


ここから再び樹林帯に突入して1時間半ほどの急登で500mほどグングンと標高を上げていきます。

大仏の頭のようなキノコ?

この頃はまだ青空もたまに見られていたのですが、以降はガスが広がっていく一方…。早朝の雨にめげず、あと2時間早く出発していたら…なんてタラレバが浮かびます。

足下に広がる雲海。青空も残りわずかとなってきました…。

駒津峰の手前で今度こそ森林限界に出ました。


駒津峰からは甲斐駒ヶ岳を真正面に眺めつつ…

北沢峠から双子山経由で直接登ってきた登山客も合流します。こちらの方が若干コースタイムが短く、恐らく朝一のバスでやってきた登山客にも追いつかれてしまいました。

帰りはこの尾根で北沢峠を目指します。うーん、これは退屈そうだ(笑)

生憎甲斐駒ヶ岳はガスに隠れてしまいましたが、ここから山頂直下まで甲斐駒ヶ岳を真正面に眺めながら尾根沿いのアップダウン。

大きな岩の合間を塗って歩いて行くと…

いよいよ甲斐駒ヶ岳の山頂部が眼前に迫ります。ここからは直登コースと、右側の巻き道に分かれます。分岐の手前でザックをデポして直登コースを登って行く登山客もいますが、上でお昼を食べたいので荷物を置いて行く訳にもいかず…(笑)



直登コースで山頂を目指す

雨で岩が濡れていたら巻き道を選ぶことも考えていましたが、特に問題ないようなので直登を選びます。

三点確保ができれば特に問題ありませんが、妻も一緒ですし気を付けてジックリ登ってきます。晴れていれば振り返れば、仙丈ヶ岳から北岳まで南アルプスの絶景が広がっているはずですが、ご覧の空模様なので無心で登るのみ。

山頂直下は別世界のような花崗岩の白い岩肌の間を抜けていきます。周囲がガスに覆われてるせいか、より「白い世界」が際立ちますね。


標高2.967m 甲斐駒ヶ岳山頂

11時半、甲斐駒ヶ岳に登頂。途中ちょっとしたトラブルもあったこともあり(妻がサングラスを落としたり、転んで軽い怪我をしたりなど)、スタートから5時間も掛かってしまいました。ご覧の通り、周囲の展望はガスガスで何も見えません…

とりあえずお腹もすきましたしお昼にしましょう。相変わらず私の中で、明星中華三昧の酸辣湯麺ブームは続いております。美味しいよね、これ。
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ライチョウに少し心が癒される

カップラーメンの準備を始めたところ目の前にライチョウ(雷鳥)の親子(?)が現れてくれました。雛は1羽のみでもう随分と大きく育った若鳥です。

とはいえ、まだまだ顔つきは幼いでしょうか。他の兄妹たちも近くにいるのかな?

ホシガラスもやってきました。彼らも(声はアレですが)よく見ると可愛らしいですよね。

実は野生のライチョウを見るのは初めてな我が家、生憎のお天気ですが、曇ったからこそ彼らが出てきてくれたと思えば、少しは気が晴れますね。

ん?

「ライチョウかわいいなー」なんて回り込んで写真を撮ったりしているうちに、カップラーメンのできあがり。標高3,000m近いので(お湯の沸点が低いので)少しぐらい長めに待つ位で丁度いいのです。


摩利支天経由に立ち寄りつつ下山

しばらく晴れ間が覗くのを待ってみましたが、ガスは強くなる一方… 諦めて下山します。

駒ヶ岳神社に立ち寄り。

巻き道側は巨大な岩と花崗岩の白い砂地を堪能できるコース。甲斐駒らしさ(?)を味わうためには、こちらのコースも外せませんね。

特に帰りのバスを気にする必要もないので、正面に見えてる摩利支天(甲斐駒ヶ岳の衛星峰)に寄って行くことにします。

摩利支天は巻き道途中から片道10分ちょい。

相変わらずのガスですが、雲の合間の甲斐駒ヶ岳はなかなかの深山感。

摩利支天山頂はこんな感じ。

丁度見えているのが直登ルートから駒津峰を経て双児山へと続く尾根筋でしょうか。帰りはひたすらあそこを下っていくことになります。

足下に長衛小屋のテント場が小さく見えました。あそこまで戻るのかと思うと少々うんざりしながらも、お湯を沸かしてコーヒーを飲んでみたり…。

下山の際に気になったのですが、甲斐駒ヶ岳の山頂直下エリア、花崗岩の山肌にいくつものラインが走っています。最初、置き石でもされてるのかな?なんて思ってしまったのですが…

近くまで寄ってみるとこんな感じ。崩れやすい花崗岩の中から歯車状にギザギザと別の石が一列に覗いています。

超広角でも入りきらないぐらいにずーっと続いています。しかも至る所に縦横無尽に…。

こちらはまた違ったパターンで、花崗岩の中に別の岩のライン。面白いものですね。

…なんて休憩ばかりしているうちに、かなり時間をロスしてしまいました。他のパーティも殆ど下山してしまいましたし、急いで駒津峰を抜け無心になって双児山の樹林帯の中を下山します。



げっざーん。



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ビール・おでん・カレー

長衛小屋に戻ったらお待ちかねのビール&おでんタイム。摩利支天以降はこの為だけに歩いていたようなものです(笑) 山の中でヱビスの生ビールが飲めるなんて嬉しすぎますね!

おでんは自分のコッヘルを持っていくと冷たいものを入れてくれるので、自分で温め直すシステム。熱々おでんが好きな人にはこれはこれで嬉しいシステムかも?

少し前にPRIMUS P-114FからSOTOのSOD-310に買い換えた妻のコンロ。私のP-153よりも効率がいいのか、早くお湯が沸く気がします。評判の耐風性なども今後比べて行きたいですね。
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ビールでひと息ついたら間髪入れずに今度は夕飯の準備。メスティンでご飯を炊きつ…

無印良品のレトルトカレーにハズレ無し。

炊きあがったメスティン飯を保温しつつ蒸らしたら…

うむ。ちょっと吸水が足りなかった気もしますが、カレーご飯なので問題なし。

いっただっきまーす。

食後はこの日も星空は全く期待できそうにないので、翌日に備えてさっさと寝てしまいます。明日こそ晴れるといいなあ…(山は無慈悲である)。

* *

そうそう、暗くなる前にPRO TREK Smart WSD-F20の充電も忘れずに。そういえば、7月前頃のYAMAPアップデート以降、以前よりもバッテリー消費が激しくなってしまった気がするのですが、正確な比較ができないのであくまで肌感覚での感想です。

時計側はもちろん機内モード他消エネ設定にはしていますが、以前なら余裕で50%近くは残りそうな行動時間(休憩中は記録を一時停止)でも20%を切ってしまうようになってしまいました… 原因はなんなのでしょうね?

[asin:B06XNP99LT:detail]

翌日:仙丈ヶ岳登山について