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レインウェアを買い換え:ゴアテックスパックライトからエバーブレスメンブレンとC-KNITバッカーへ

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先日、南アルプス仙丈ヶ岳登山で雨に降られた際、私も妻もゴアテックスのレインウェアを着ていたのですがかなり中までビショビショに濡れてしまったこともあり、レインウェアを買い替えることにしました。

mont-bell トレントフライヤージャケットがもうダメな感じ?

これまで使っていた3シーズン用のレインウェア(シェル)は4年前に買ったモンベルのトレントフライヤージャケット。パンツは耐久性を考えて同社のストームクルーザーを使っています。


ゴアテックスメンブレンは正しいメンテナンスを行っていれば、素材の防水性能はほとんど落ちないと言われていますが、それでもシーム箇所の劣化などがあるのでしょうか。1日中雨に打たれるとかかなり濡れてしまうことが増えました。もしかしたら浸水ではなく内部結露によるものかもしれませんが、気持ち的にも買い替えたい気分でした。
表面の撥水効果も加熱では復活せず、一時しのぎの撥水スプレー頼りになっています。
モンベル | カスタマーサービス | レインウエアのお手入れ方法(洗濯・はっ水処理とリペアについて)

アウトドアウェアは消耗品ですし、いざというときに自分の身を守る大事なアイテム。性能が低下したまま使い続けるのも不安…… ということで、新しいレインウェアに買い換えることにしました。

現行「トレントフライヤージャケット」以外で探してみる

まず、これまでと同じモンベル/トレントフライヤージャケットの最新モデルへの買い換え、これは今回は見送ることにしました。
トレントフライヤーはゴアテックス パックライト(PacLite)を使用した軽量コンパクトなレインウェアで、これまで登山以外でも色々とお世話になりました。軽さとたたんだ際のコンパクトさは抜群なものの、その他の不満も色々とありました。

腹回りがバタつく太めのシルエット、立体性に欠けるフードの形状、小さすぎる胸ポケット、そして雨の中で素肌にベッタリまとわつくガサガサな素材感……。軽量化のためにシームテープを細くしているという作りも、実際に使ってているとやはり耐久性の面で不安が残ります。
現行モデルにはピットジップ(脇下のベンチレーション)が付いているという魅力もあるのですが、今回はモンベル以外、ゴアテックス パックライト以外のメーカーと素材を試すことににしました。

私が選んだのはFinetrack / EVERBREATH PHOTON

新宿のアウトドアショップを回って、いくつかのメーカーのレインウェアを試した結果、私が選んだのはファイントラックの「エバーブレスフォトン」です。

ファイントラック自社開発の素材であるエバーブレスメンブレンを使用したレインウェア(アウターシェル)ですが、特徴はなんと言ってもそのストレッチ性能。手足の伸縮を繰り返す登山において、ダブ付きの少ないスリムなシルエットのレインウェアを安心して着られるというのはひとつのアドバンテージです。

防水性能はメーカーの公表値だけで比較してもあまりフィールドでの体感に直結しないという考えですが、とりあえず耐水圧:20,000mm、透湿性:10,000g/m2・24hr(A-1法)のスペックは十分と言えるものでしょう。ここは耐久性と併せて、今後のフィールド使用でじっくり検証して行きたいと考えています。

肌触りはバツグンだけどコンパクトさは少々犠牲に……

エバーブレスフォトンを試着して気に入ったのがその着心地の良さ。シルエットの話だけでなく、裏地がニット地になっていて素肌への当たりが柔らかいのです。雨の中、そして汗をかいた際など、これまでに比べてかなり快適な着心地を味わえそうです。

またファイントラックお得意のリンクベント、正直場所は微妙だと思うのですが(普通に脇でいいと思う)夏場のレインウェアは、素材の透湿性がどれだけあろうと、なんやかんやで物理的に湿気を放出するのが一番効果がありますからね。

あと、3レイヤー素材だけあって畳んだ際のサイズは少し大きめ(トレントフライヤー比)。後述するTNFにしてもですが、モンベルタイプの長細いスタッフバッグの方がバックパック内での収まりがいいんですけどね。これはちょっと不満かも。

そんな付属のスタッフバッグはパンツもセットで収納できるよう、少し大きめのサイズになっているようです。試しにストームクルーザーパンツ(こっちはもう少し使えそうなので)を合わせて入れてみたところ、問題なく収まりました。


現行モデルでなく前モデルにしました

あと、買ったのは今年の春にリニューアルされた現行モデルでなく1つ前の型。主な違いは胸ポケットの追加にフード、立体裁断、シルエットの見直しのようですが、新旧モデルを着比べてみて旧モデルでOKと判断しました。胸ポケットの追加は少々気になりますが、旧モデルの裏ポケットもそこそこのサイズがあったのでよいでしょう。

あとはカラーが新モデルにあまり気に入ったものがなく(SOがもう少しレンガ色っぽいなら良かったですが)、旧モデルのFN(フェザーネイビー)が無難だったので。

軽量モデルのエバーブレスレグンもある

ちなみに超軽量コンパクトに振り切った「エバーブレスレグン」というマルチシェルが、今年ファイントラックから発売されています。個人的にはこちらには赤系のカラバリがあるので気になったのですが、2.5レイヤー構造の裏地(布でなく3Dドットというコーティング?のよう)の肌触りがフォトンの試着後だとややイマイチに感じられました……。価格も定価で2万円を切っていてかなり魅力的だったのですが……。

妻はTHE NORTH FACE / Climb Very Light Jacket

一方の妻が選んだのはザ・ノースフェイスの「クライムベリーライト ジャケット」。2015年からゴアテックスが展開している「GORE-TEX C-Knit Backer」を採用したシェルです。

このC-KNITバッカーは名前の通りゴアテックスの裏地をニット素材にし、従来の3レイヤーゴアテックスよりも軽く柔らかく、さらに透湿性を高めたもの。伸縮性もかつてのゴアテックスシェルとは比較にならない程高まっています。

ニット素材裏地の3レイヤーというのはエバーブレスメンブレンとの共通点ですが、実際両方に腕を通してみるとどちらもサラサラとしていてかなり近いです(エバーブレスの方がサラサラ感は若干上ですね)。

私もC-KNITバッカーにはかなり興味があったのですが、今回はエバーブレスメンブレンを試してみたい気持ちが勝りました(あとベンチレーション)。妻はfinetrack含めて各メーカー試着した上で、シルエットが気に入ったのがこのモデルだったとのこと。

コンパクトさも私のエバーブレス フォトンよりは明らかに上で、たたみ方次第ですがご覧の通りトレントフライヤージャケットと同レベルと言えるでしょう。

ベンチレーションはありませんが(冬用のハードシェルに比べて3シーズンシェルは基本ベンチレーションのないものが大半です)、正面の大きなポケットはスマホからデジカメまでスッポリ入って余裕たっぷり。
ある程度は止水されてるとはいえ、防水仕様でないスマホやデジカメなどを入れる際には注意が必要です(写真のTG-4とiPhone7は大丈夫かもしれませんが、完全防水ではないと思いますし、結露による浸水などもあります)。


実測重量はフォトン>クライムベリーライト>トレントフライヤー

男性用と女性用をそのまま比較できる訳ではありませんが、スタッフバッグ込みで実測した重量は次の通り(クライムベリーライト メンズのカタログ重量は250g)。

finetrack エバーブレス フォトン Men’s(S) 258.5g
The North Face クライムベリーライト ジャケット Women’s(S) 223g
mont-bell トレントフライヤー ジャケット Men’s(S) 213.5g

エバーブレス フォトンも発売当時は比較的軽量シェルの部類でしたが、現在はモンベルの定番レインウェアであるストームクルーザーもC-KNIT採用でカタログ値257g程となっていますし、レインウェアとしてはあくまで平均的な重量。


これからじっくりフィールドで試します

丁度、同じ時期に買ったエバーブレスメンブレンとゴアテックスC-KNITバッカーのレインウェア。だいたい私と妻の山行は同じタイミングなのでなので、レインウェアの使用頻度もほぼ同じになることでしょう(私の方が写真撮影や釣りで多少多く使うと思いますが)。

これまでは2世代ほどゴアテックス系のレインウェアを使ってきましたが、最新の防水透湿素材がどれほどのものか今から楽しみです。