みなさん広角レンズ好きですか? (私は好きです)
パナソニックのマイクロフォーサーズ用広角ズームレンズ「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.」を使い始めてから1ヶ月半。まだまだ十分に使い込んでいるとは言えない段階ですが、現時点での感想をまとめておきます。
また、いい機会なので2年前から愛用しているオリンパスの広角ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」との比較なども一部交えながら紹介していきます。
なお、本記事にて「E-M1 Advent Calendar 2017」に参加します(12月1日付)。
- LEICA DG 8-18mの良いところ、そうでもないところ?
- やっぱりオリンパスM.7-14mm PROも手放せない?
- LEICA DG 8-18mmとM.7-14mm PRO:同じようなシーンで作例比較
- まとめ
- こちらもどうぞ
LEICA DG 8-18mの良いところ、そうでもないところ?
LEICA DG 8-18mmはパナソニックがライカブランドで製造販売を行っている、マイクロフォーサーズ用広角ズームレンズ。35mmフィルム換算では16-36mm相当の画角になります。
MFT用の広角ズームはオリンパス製のPROズームレンズが先行していましたが、後発ならではの魅力を詰め込んできたのがこのLEICA DG 8-18mmです。
LEICA DG 8-18mmのカタログ的なスペック、特徴、購入直後のファーストインプレッションについては以下の記事をご覧ください。
軽い!
まずは315gという本体重量。これはオリンパスM.7-14mm PROに対して200g以上も軽量となり、実際に使っていても明らかにカメラが軽くなったのが実感できます。
装備の嵩む冬山登山などではなるべく荷物の総重量を軽くしたいこともあり、数10g〜数100gの些細な違いでもそれらが積み重なることで大きなアドバンテージとなります。
ただしそこまで小さくもない
レンズ本体だけを見るとかなりコンパクトなのですが、実際の使用時にはフードを装着することになり、フードサイズもそれなりに大きいのでM.7-14mm PROと比較しても大して差がありません。むしろ全長については若干長くなってしまうくらい。
防塵防滴・耐低温設計
実際にはどの程度の能力を持っているのかまだ未知数ですが、防塵防滴に加えマイナス10℃の耐低温設計を謳っていることもあり、既にオリンパスのPROレンズと同様の扱いでフィールドに持ちだしています。
もちろん使用後のメンテナンスは欠かせませんが、耐フィールド性能に関してはこの冬シーズンに引き続きチェックしていきたい項目です。
フィルター装着可能な前玉
オリンパスM.7-14mm PROは前玉が飛び出した形状でレンズフードも一体型なため、レンズフィルターを装着することは不可能でしたが、LEICA DG 8-18mmは取り外し式のレンズフードで、前玉には67mm径のフィルター装着が可能です
私自身は撮影のためのフィルター(C-PL、ND等)を使うことは少ないのですが、アウトドアでの使用が多いので撥水・防汚タイプのフィルターを使えること、また登山での携行時にはレンズキャップを使わないため(移動中は基本外しっぱなし)前玉保護の観点からもLEICA DG 8-18mmを使うようになってその取り回しの良さは助かっています。
M.7-14mm PROを使っていたときは、撮り終わると前玉保護のため14mm側にレンズを戻すクセを付けておく必要がありましたが、LEICA DG 8-18mmならばズームリングはどの位置でもレンズ全長にも影響しません(フィルターの内側で前玉が前後して動いています)。
当然ですが雨天時に前玉を濡らしにくいのはLEICA DG 8-18mmの方。撥水フィルターを付けていれば、多少の雨粒ならばブロアで吹き飛ばすことも用意です(絞り開放で使えば水滴の写り込みも最小限で防げます)。
開放から安心して使える優等生な描写
肝心の写りについては既に海外のレビューサイトなどでレポートされているので個人の主観に留めますが(ほぼ書かれている通りの印象です)、MFTの上位レンズらしい開放から十分な描写力を持っています。
開放での解像力はオリンパスM.7-14mm PROの方が高いですが、一段絞った段階でほぼ遜色がないように感じました。広角側の解像感のピークはF5.6辺りでしょうか。
しかし、等倍での比較でなく写真全体から受ける印象だと、M.7-14mm PROの方が明らかにシャープに感じられるのは、解像のみでなくコントラストや色ノリなど複数の要因に寄るものがありそうです。
抽象的な表現になってしまいますが、山の澄んだ空気を移した際にM.7-14mm PROで感じられた「ヌケ感や気持ちの良さ」は、まだLEICA DG 8-18mmでは得られていません。
ズーム側36cmm相当は便利だけど特筆する程でもない?
スナップからテーブルフォトなども捗りそうなテレ端の36mm相当という画角ですが、オリンパスM.7-14mm PROのテレ端(28mm相当)と比べて確かに狭くはなっているのですが、そこまで大きく違うかといえばそれ程でもありません(?)。
むしろ開放の絞り値がF4.0まで暗くなってしまうので、F2.8が使えるM.7-14mm PROの方が歩留まりも上がりますし、画角の差も少しだけトリミングしてしまえば埋まってしまうレベルなので、思ってた以上に小さな差かもしれません。
積極的なボケ表現を期待するレンズでもないですし、あくまでオマケ程度に考えておくのが良いでしょう。とはいえ最短0.23mまで寄れますし、広角ズームレンズ1本だけと付けた街歩きでそのままテーブルフォトに使えてしまうのは便利といえば便利。
耐逆光性能はそれなり…
オリンパスM.7-14mm PROは逆光時のゴーストにかなり悩まされたレンズで、構図内に太陽がなくても、一本筋のゴーストが走ってしまうようなケースは頻繁にありました(これはこれで味として捉えるのもアリなのかもしれませんが?)。
それに比べると普通の形状の前玉かつ、フードも余裕のあるサイズとなっているLEICA DG 8-18mmでは、その手のゴーストを見ることはほぼなくなりました。
ただし、太陽をガッツリと構図内に入れて撮ってしまえば、それなりに目立つゴーストやフレアっぽい反射も発生しますし、ほぼ同じズーム画角を持つSONY SEL1635Z(このレンズは逆光にも強かった)と比較すると取り立てて逆光に強いレンズとは感じません。
現在、M.7-14mm PROを使っていて「フレアやゴーストが気になるのでパナライカ買い換え検討」だとややガッカリしてしまうかもしれません。過度の期待はせずに「どちらかといえば逆光に強いのはパナライカの方」位で捉えておくと幸せになれると思います。
手袋装着時にAF/MFスイッチを動かしてしまう…?
これはどのメーカーのレンズにも起こりうることではありますが、登山中にレンズ本体に付いているAF/MFのスイッチを、知らぬ間に動かしてしまったことが数度ありました。
決してすぐ動いてしまうような固さではありませんが、登山中のグローブ装着時だとどうしても力加減が曖昧になりますので。AF/MFの切り替えは本体操作でもできるので、頻繁に使わないならばテープで固定してしまってもいいかもしれません。
M.7-14mm PROと比べても鏡筒が細くコンパクトなこともあり、厚い手袋を装着した際のピントリングの操作感はやや落ちるようです(やや特殊な条件になりますが…)。
やっぱりオリンパスM.7-14mm PROも手放せない?
LEICA DG 8-18mmを使うようになり、M.7-14mm PROの出番はかなり減ってしまいました。実際、登山などアウトドアに持ち出すならば、ほぼLEICA DG 8-18mmを選ぶことになると思いますが、M.7-14mm PROはやはり今後も必要なレンズです。
上でも書きましたがM.7-14mm PROの抜群に切れ味のいい描写は魅力的ですし、マニュアルフォーカスクラッチ機構がないと夜間のMFが随分と面倒であることがよく分かりました。超広角域ではレンズを星空に向けた際、拡大MFでも小さな点の光源を探すのに苦労したりしますが、MFクラッチを使えば一発で無限遠が出せます。
他にもライブハウスでの撮影などではF2.8通しの明るさが生きてきますし、今後もここぞという出番ではM.7-14mm PROにも活躍して貰う予定です。
LEICA DG 8-18mmとM.7-14mm PRO:同じようなシーンで作例比較
最後に同じ設定値、撮影場所での比較ではありませんが、ここ1月半の間にLEICA DG 8-18mmで撮った写真と近いものを、これまで撮ってきたM.7-14mm PROの写真の中からピックアップしてみました。PCブラウザで見れば画像クリックで拡大して見て貰えます。
描写の傾向というか雰囲気の違いが分かるような… そうでもないかな…?(笑)
おまけ:LEICA DG 8-18mmとM.7-14mm PROの絞り値別比較
一応、三脚を立ててWB、ISO固定で絞りだけ変化させながら2つのレンズの比較もしてみましたが、特に面白い結果でもないので特に切り出しなどはせずそのまま貼っておきます。大きめの画像になっているので、興味のある方は拡大して比較してみてください。
撮影場所が作例に適してなかった気もしますが、まあいいでしょう…。
まとめ
「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.」と
「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」
どちらもいいレンズだから両方あると楽しいよ!
我ながらしょーもないまとめになってしまいましたが、「E-M1 Advent Calendar 2017」の初日からなんだかすみません(笑)
皆さんならではのE-M1の使い方やどうやって楽しんでいるのか私も知りたいので、どしどし参加しましょう!