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2018年の雪山始め、中央アルプス木曽駒ヶ岳で最高のお天気に恵まれる!

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お正月休みが明けた直後の三連休中日。2018年の登山始めとして、中央アルプス(木曽山脈)の木曽駒ヶ岳に登ってきました。

木曽駒ヶ岳は昨年の夏に初めて登ったのですが、そのアクセスの良さとロケーションの素晴らしさに感動した中央アルプスの最高峰(2,956m)です。今回も幸運なことに朝から快晴のお天気に恵まれ、最高の2018年“初登り”となりました。

厳冬期のアルプスでも手が届きそうな木曽駒ヶ岳

今回、新年の初登山の行き先を決めるにあたって前日まで候補に挙がっていたのが、この木曽駒ヶ岳と群馬県の谷川岳(久しぶりに電車登山もしてみたかったので)。
さらに私は八ヶ岳の赤岳に登ってみたい気持ちもあったのですが、赤岳は妻がやや及び腰だったこともあり(休み明けに海外出張を控え、行動時間のあまり長くない山行を希望してた)、当日の天気予報が最も良かった山域の木曽駒ヶ岳を選びました。

木曽駒ヶ岳は標高2611.5mの千畳敷駅までバスとロープウェイを乗り継いで行けてしまうこともあり、夏場はアルプス登山の入門としても人気の山です。昨年の夏にも登ってます。

駒ヶ岳ロープウェイは冬期も営業しているため、やはり冬のアルプス登山としては比較的ハードルの低い山と言えるかもしれません。
…といっても、中央アルプスの3,000mに迫る標高の雪山なので、厳冬期登山の装備が必要なことは言うまでもありません。また、乗越浄土から先は周囲に遮るもののない稜線歩きになるため、常に20メートル近い強風に身をさらす可能性の高い環境です。

コースの難易度自体は厄介な雪と岩のミックス帯などもありませんし、岩峰の宝剣岳に登らなければ、千畳敷カールのほぼ中央を登る急登「八丁坂」が唯一の難所(?)ぐらい。

時期によっては強風でガチガチ凍り付いた急斜面での滑落リスクや、積雪の状態によっては千畳敷カールでも雪崩のリスクも高くなるようですが、1月中頃までは比較的雪の状態が落ち着いているという登山雑誌の情報を見て、時期的にも丁度いいのかなと判断しました。

同じくロープウェイなどによるアクセスの良さが魅了の白馬八方尾根や谷川岳天神尾根などと比べても、首都圏からのアクセスが容易であることも、この木曽駒ヶ岳の人気のひとつかもしれません。

1月7日日曜日:菅の台バスセンター〜しらび台〜千畳敷駅

千畳敷カールまでの行き方は昨年夏の記事にも書いていますが、マイカーアクセスの場合は菅の台バスセンターの駐車場に車を停めて、バスとロープウェイを乗り継いで千畳敷駅を目指します。この間、待ち時間込みで約1時間弱。
運賃は往復3900円、クレジットカードも使えますが、モンベル会員証などを使った割引を利用すると現金払いのみになります。

お天気「晴れ」で風が「弱」という間違いない登山日和

この時期(12月〜4月上旬)の始発バスは、菅の台バスセンターでは朝8時15分。駐車場への到着は7時半過ぎでしたが、夏期と違って駐車場はかなり空いていました。

といってもやはり連休中日、既に始発バス待ちの登山客の列ができています。バスの列とチケットの列が別になっているのですが、ザックを並べてバス列を確保するローカルルールがあるようです(夏場はグループが二手に分かれて並んでたような…?)。

ザックでのバス列確保とチケット列

始発バスはかなり前の方で満員になってしまい、次の臨時バス(?)でしらび台駅へ。ロープウェイに乗り継いで、千畳敷駅に到着したのは9時半でした。
ホテル千畳敷と一体になってる千畳敷駅は外に出る前に広いアイゼン装着スペースが用意されているので、寒い屋外でアイゼン装着をしなくてすむというありがたい環境です。

千畳敷駅のアイゼン装着スペース、コンパネの上で履きましょう

一面雪の千畳敷カールは最高の青空!

駅を出ると目の前には雪で真っ白になった千畳敷カールが広がっています。左手のトンガリが宝剣岳、中央に連なる小さな点は始発バス(又はホテル千畳敷に泊まっていた)登山客たちです。夏の千畳敷カールとは完全に別世界!

夏に撮った同じような場所からの写真と並べてみました

信州駒ヶ岳神社で安全祈願してから出発します。神社の奥に見えるピークは「サギダルの頭」、千畳敷駅から直登するサギダル尾根は冬期宝剣岳の有名なバリエーションルートです。この日は左手側の極楽平側から登っているパーティも数組確認できました。

我々の行くノーマルルートはこちら側。中央に直進する夏道(夏の写真に写ってる登山道)は、冬期は雪崩の通り道になりやすいそうなので閉鎖されています。夏期に剣ヶ池を回る遊歩道側のルートで進んで行きます。

広い千畳敷カールの雪原と、一列に連なる登山客たち。初めてということもあり、これだけ先行者のトレースがあった方が正直安心できますね。それにしても凄い景色!

ズームしてみると、先頭は既に八丁坂の中間あたりまで登っているようです。時間にしてあの辺まで30分位なので、恐らく始発バスの人たちでしょう。

最初はなだらかだった傾斜がきつくなっていくと、登山客の列が渋滞気味になってきました。ペースがゆっくりなのは楽でいいのですが、自分のペースで写真を撮っていられないので、妻の前を歩いて少し距離を開けたら後ろが追いつくまでの数十秒で写真を撮る作業の繰り返しです(笑)

このあたりの傾斜は30度〜40度といった感じでしょうか? 実際に登っているともう少し急斜面に感じるのですが、後から冷静に見るとそうでもないようです。

カール内はほとんど風もなく穏やかなのですが、稜線の上はかなりの風が吹いているのが、上空に吹き上がる雪で分かります。たまにあの雪が吹き下ろしてくると、寒い、冷たい… というよりは「痛い」(笑)

この辺が一番斜度がキツいあたり。もう少し時期が進むとウインドクラスト(風で雪が固められた状態)の危険な斜面になることもあるそうですが、今はこのままスキーができそうな雪でアイゼンもよく効きます(トレースを外れると膝ぐらいまで沈む感じ)。


ラストの最も急な斜面は夏道と同じつづら折りになっています。すぐ後ろを登ってくるのが妻、あとひと息なのでがんばれ!

千畳敷駅(ホテル千畳敷)が足下に見えます。この最初の30分ちょっとが最も雪山登山的な部分。後は風さえなければ、緩やかなスノートレッキングです。まあ、風がないなんてことはなさそうな場所なんですけども(笑)

南アルプスの向こうには富士山の頭が見えています。東京側から見ると真っ白な富士山も、西側の斜面は雪が飛ばされて黒っぽく見えることが多いですね。


乗越浄土から宝剣岳の脇を抜けて…

乗越浄土からの伊那前岳方面。千畳敷カール内の深い積雪に対して(2m以上あるそうです)、雪が殆ど付いてないのが分かると思います。いかにこの場所に常に強風が吹き付けているかが想像できます。
ちなみにこの日は冬の木曽駒ヶ岳にしては非常に風の穏やかな日だったようですが、それでも発表されていた風速は10数メートル。バラクラバなしではいられません。

そして振り返ると宝剣岳、やっぱり格好いいですね、この山。

雪の付き方を見ると一般ルートなら行けそうな気もしますが、当然計画にないことはしません。妻も絶対に付き合ってくれませんしね(笑)

えび。

宝剣岳の山頂に突き出た岩に登ってる人が見えました(雪で夏より登りやすそうですが、アイゼン履いてると恐そう…)。夏道だともう少し右から回り込んでいた気がしますが(ロープも見えます)、真っ直ぐに登っているトレースが結構見えます。


中岳を越えて木曽駒ヶ岳へ

そんな宝剣岳は見るだけにしてこちらが進行方向。まずは中岳までの緩やかな登りです。かなり幅の広い稜線で滑落の心配などもありませんが、風が強かったりガスったりするとこんなのどかな雰囲気ではなくなってしまうそう。

ちょっと雑なシュカブラ(風紋)の向こうには南アルプスの北岳、間ノ岳… かな?。

八ヶ岳の上空も雲ひとつないお天気です。あちらもさぞかし登山日和なことでしょう。

斜面よりも風が直接当たる鞍部の方が雪がないのですね。風向きの関係かこの辺は全く風がない。冬のアルプス2,900mとは思えない本当に穏やかなスノートレッキングです。


まずは中岳(2,925m)を通過…

中岳から伊那前岳をズームアップ。雪の付いた山肌が格好いいですねー! 次回(来年?)はあちらにも登ってみたいなと。


こっちも気になるけど多分冬の間は登らない山…?

中岳を越えると正面に目指す木曽駒ヶ岳のなだらかな山頂が見えてきます。左手奥には雪を纏った御嶽山が美しい!

ここまで歩いて来た稜線を振り返る。宝剣岳の向こうに見えるのは空木岳でしょうか。

あともう少し、木曽駒ヶ岳の山頂は本当になだらかな斜面です。といってもそこそこ標高も高いこともあり、登っていると結構息切れしますけどね。

そうそう、千畳敷駅の標高が2611.5mとかなり高いこともあり、人によってはいきなり急登を登り始めると息切れしたり、高山病の症状が出てしまうかもしれませんね。自覚のある人はスタート前に少し時間をかけて、高度に体を慣らした方がいいかもしれません。

冬期木曽駒ヶ岳に登頂

はい、木曽駒ヶ岳山頂に無事到着しました。写真ではそれ程ではありませんが、結構人が多いです。まあこのお天気ですしみなさん大勝利ですね(笑)

山頂の西側では乗鞍岳から北アルプスまで一望。

御嶽と乗鞍の間で(?)で記念撮影。さすがにここは風がかなり強くて、隙間からガンガン冷気が吹き込んできます。つまり寒いです。本当に写真では伝わりませんけども(笑)

カメラは今回もキャプチャーとフォーカスでの新旧E-M1、2台持ち。これだけの風景、広角から望遠まで欲しくなるじゃないですか!?

ヤリホー!

伊那前山越しの南アルプス越しの富士山をズームで。山肌の方角が違うのもありそうですが、北アルプスと南アルプスはやはり雪深さが違うようです。

念のためザックにぶら下げてきたワカンとヘルメットは使いませんでした。樹林帯歩きもありませんしストックは必要ないかな?というのが我が家の見解。実際には使ってる人も多かったですけど(ストックで八丁坂登るのは雪質によっては恐いかも…)。

あと、写真を撮るので今回も手袋は防寒テムレスがメイン。さすがに稜線や山頂でずっと風に吹かれていると結構冷えました。手汗をかいてることもあって、インナーグローブをしていても汗冷えすることはあるかなとも。この日は行動時間が短かったから最後までテムレスでしたけども、交換用(予備)のグローブは絶対にお忘れなく。

ソロイストフィンガー 、カメラの操作性はアレですがめっちゃ温かいです。

お昼を食べないまま千畳敷カールを下山

だいぶ風に吹かれてしまったので、下山します。中岳に再び登り返して……

格好いい宝剣岳の横を抜けて……


アイゼンを効かせながら慎重に八丁坂を下ります。凍ったら絶対恐いなここ。

時たま吹き下ろしてくるこの風と雪の塊を顔に食らうとアイタタタ……(苦笑)



ということで千畳敷カールの下まで下りてきました。2,600mの標高は普通の山ならここから長い樹林帯歩きが待っていますが、ここはロープウェイで一気に下りてしまえるのです。なんていうおいいとこ取りな山なんでしょう!
時間は13時過ぎですが、西の空には殆ど雲のない青空が広がっています!

私も妻もこの日の登山には大満足。相変わらず天候によるラッキーが大きいですが、冬山(雪山)は天気がいい日を選んで登ると決めているので、これでいいのです。新年初登山は最高の1日となりました。「来年の1月もまた来ようと」早速話しているところ(笑)

同じような写真ばかりで恐縮ですが一応広角でも。芸がないと思いながらも、やっぱり広大な千畳敷カールを広角で撮りたくなってしまうのです。



ちなみに風の強い稜線では昼食という感じではなかったので、お昼を過ぎても行動食を食べながら戻ってきたのですが、丁度ロープウェイの時間が迫っていたのでそのまま下りてしまうことにしました。朝イチスタートの登山客が帰るタイミングに重なってしまったこともあり、定刻(毎時55分)のロープウェイには乗れませんでしたが、20分後に増発がありバスへの乗り継ぎもスムーズでした。

山行ログと歩行ルート

CASIO PROTREK Smart WSD-F20で記録した当日のGPSログですが、千畳敷カールと木曽駒ヶ岳をピストンするシンプルなルートです。コースタイムは往復で3時間半といったところでしょうか。



木曽駒ヶ岳 / OKPさんの中岳(長野県上伊那郡宮田村)木曽駒ヶ岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

下山後にソースカツ丼から温泉へ

菅の台バスセンター到着は15時前… ですがもう山の向こうに太陽が沈むところです。


明治亭 中央アルプス登山口店のソースカツ丼

遅い昼食は今回も駒ヶ根名物のソースカツ丼です。前回とは別の「ガロ」が気になっていたのですが、ランチ後の休憩に入ってしまっていたので、その向かいにある「明治亭 中央アルプス登山口店」に入りました。

頼んだのはエビフライ付きのソースカツ丼。山帰りでないとこのボリュームは食べられませんよね。

前回食べた「すが野」よりも甘口ソースで、いい意味でジャンクな味。ご飯のボリュームも凄くて、山から下りてきたのにまた山に挑むような… まるで宝剣岳みたいなトンガリ!?

後半「エビフライは余計だった…」と少々後悔しつつも(笑)なんとか食べきりました。正直、木曽駒ヶ岳よりも手強かった!
我が家的には前回のすが野ぐらいのボリュームとソースの味が丁度いい感じですが、若い人だとこちらのお店が好きな人も多いかもしれませんね。


駒ヶ根高原家族旅行村露天「こぶしの湯」

満腹になったら最後は温泉。夏に来た際は近くの「こまくさの湯」だったので(記事に書いてなかった)、今回は車で5分離れた場所になる「こぶしの湯」に行ってみました。

少々古い施設ではありますが、露天風呂からは(垣根の隙間から)南アプルスも見えました。こまくさの湯とどちらの方が良いとかは特にありません(笑)(こぶしの湯はバスのチケット窓口に割引券があるのと、JAFやモンベル会員証でも割引アリ)。
そういえばこまくさの湯では風呂上がりのドリンクの選択肢が全然だったので(特に牛乳系は)、フルーツ牛乳が飲めるこぶしの湯の方が個人的には嬉しいかなと。

帰り際、高速に乗る前に気付いたのですが、この山の中腹の明かりってホテル千畳敷のものですよね(実際はもっと真っ暗なのをカメラで増感)。ということは、駒ヶ根の街からは常に千畳敷カールや宝剣岳が見えているのかと羨ましくなってしまいました。


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