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ペツルのアイゼン「バサック」をセミワンタッチからワンタッチへ… ベイル交換は意外と簡単でした

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雪山登山に欠かせない道具である12本爪のアイゼン(クランポン)。私はペツルの「バサック」という標準的な縦走用のものを使っています。バサック自体は昔からあるモデルですが、一昨年2016年にモデルチェンジした現行モデルになります。

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そんなペツルのバサックをセミワンタッチアイゼンから、ワンタッアイゼンへとパーツ交換したお話です。

セミワンタッチアイゼンとワンタッチアイゼン

12本爪アイゼンは主に「セミワンタッチ式」と「ワンタッチ式」の2タイプがあって、それぞれ対応する登山靴が異なります(セミワンタッチはワンタッチ用の靴にも付きます)。

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ワンタッチアイゼン(左)とセミワンタッチアイゼン(右)

セミワンタッチ式はかかと部分に「後コバ」が付いたマウンテンブーツに対応したもの、ワンタッチ式はさらに「前コバ」の付いたウインターブーツ(冬靴)に対応したものです。その他に前後にコバのない登山靴に対応するアイゼンもありますが、ここでは割愛します。

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冬靴(ウインターブーツ)の前コバと後コバ

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前コバ部分の止め方が異なります

昨シーズンはセミワンタッチ対応の靴(MAMMUT MAGIC GTX)で登っていたのですが、やはり雪山に行くならちゃんとした冬靴(保温材入りでワンタッチ対応)が必要だなと、今シーズン始めにザンバランの冬靴(マウンテンプロ)を買って履いています。

ペツルのアイゼンはセミワンタッチ/ワンタッチの両方に対応

さて、ペツルのバサック(LLUモデル)は出荷時はセミワンタッチ対応になっているものを、自分でパーツ交換することでワンタッチ対応へと切り替えることが可能です。
モデルによっては交換パーツに対応してないものや、交換バーツが別売りのものもあるので購入時に確認しておきましょう。

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ただ、このベイルの金属パーツが相当固くて、簡単には外せそうにありません。バールのようなものを使えば強引に外せそうですが、今度はセミワンタッチの靴で使う際に戻すのが面倒臭そうだったこともあり、セミワンタッチ用のまま使い続けることにしていました(冬靴を買う際「もしワンタッチでガタつくようなら、セミワンタッチで使った方がいい」と言われたこともあります)。

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どちらにしてもベルトを締める作業は発生するので、装着時の手間はそこまで変わりませんし、実際に冬靴+セミワンタッチで使ってみてガタつきや不安は感じていませんでした。

しかし、先日Twitterを眺めていたら、同じペツルのアイゼンのベイル交換が思ったより簡単にできるっぽい書き込みを目にしました。しかもその方法はアイゼン付属の説明書に載ってると…… なんということでしょう。

バサック | ALTERIA|SPORT
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力任せに外さなくても、ベルトを引っかけて引っ張るだけで良かったなんて。

実際にやってみたら簡単でした

ということで、実際にその手順を写真と合わせてご紹介します。まず作業ですが、アイゼンの爪が当たっても屋外で行うか、屋内ならば床を傷付けないように段ボールなどを敷いて行いましょう(段ボールは数枚敷くのが安全)。また、アイゼン本体の固定は足で行うのが確実なので、靴などを履いておくといいでしょう。

ベイルが外れるには決まった位置があって、写真の状態までベイルを倒しておきます。

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ベイル端は細長く処理されているので、穴の形と合わせないと引っかかってしまいます。

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アイゼンのベルトをベイルの根元に引っかけて力一杯引っ張れば、ベイルの金属がたわんで外すことができます。この時、足などでアイゼン本体をしっかり固定しておきましょう。写真では爪が手前側を向いていますが、作業時は反転させた状態で爪を奥にしておくと、手前側を足を押さえても安全です。

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念のためベルトを持ってない手はアイゼン側に添えて作業しますが、片手で引っ張っても十分に外すことができました。

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アイゼンのベルトよりもスリングを使った方が力を掛けやすかったですが、慣れてしまえばそれほど変わらないかも(スリングは差し込むのにちょっとコツもいる)。

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今度は逆の手順でワンタッチ用のベイルを装着。これで完了です。ベイルの向きを間違えると靴が付かないので、前コバに当たる凸部分が正面を向くように付けます。

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ちなみにセミワンタッチ用のベイルは先頭の穴についていましたが、同じ穴にワンタッチ用のベイルを付けるとブーツのつま先が前に出すぎるので(前爪が引っ込んでしまう)、2番目の穴にベイルを装着しました。これは使ってる靴に合わせる感じだと思います。

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セミワンタッチとワンタッチでベイルの位置を変えました

ベイル交換をしたら靴とアイゼンのサイズ調整を改めて行い、しっかり靴に装着できることを確認。これなら前爪もしっかり効いてくれそうです。妻のアイゼンも同じヴァサックなのでワンタッチ用のベイルに交換しました。

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ワンタッチ用にするとベルトの余りが長くなってしまうので、本当は切ってしまったほうがいいのかもしれませんが、残雪期にはセミワンタッチの靴でも使う可能性もあるので、ひとまずベルトの長さはそのままにしておきます。

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説明書はちゃんと読みましょう(反省)

以前、Twitterで「ペツルのベイル交換、固くて大変そう…」とツイートしたところ、やはり同じように感じてる方からいくつかリプライを貰ったことがあったので、力ずくの作業で苦労してる方が他にもいるかも?と思い今回記事にしてみました。
購入時に店で調整方法と使い方を教えて貰ったままで使っていましたが、やはりちゃんと説明書を読むことは大事ですね。反省。

そうそう、あとこの部分。アイゼンの裏に雪がくっつかないようにする「アンチスノー」というパーツを取り付けてるネジ、しばらく使っていると緩んでいることがあります。今回増し締めをした所、全てのネジが動いたので、定期的に確認した方が良さそうです。

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ネジは片足につき6箇所あります

*いくらペツルのアイゼンがセミワンタッチ/ワンタッチ対応で便利そうでも、履いてる靴に合わなければお話にならないので、初めてアイゼンを購入する場合は自分の靴を持って店で試着するか、靴とアイゼンを合わせて貰ってセットで購入するのが確実です。

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