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パーゴワークス BUDDY 33 レビュー:日帰りハイクから軽量テント泊まで対応するアイデア満載のバックパック

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先月頭、衝動的に…… というか予定外に購入してしまったPaaGo WORKS(パーゴワークス)のバックパック「BUDDY 33」。このひと月半の間に日帰りハイクと縦走登山&テント泊でそれぞれ2回ずつ使ってみて、かなり気に入ったのでご紹介します。

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購入に至った経緯については以前書いたこちらの記事にて。セール価格になっていたミレーの新型サースフェーを注文(自宅フィッティング)したついでに、比較検討として気になっていたBUDDY 33も取り寄せてみたら結局こちらの方が気に入ってしまいった…… みたいな感じです。

PaaGo WORKS / BUDDY 33

以前から愛用しているカメラバッグの「フォーカス」を始め、ユニークなアウトドアアイテムを製造販売している国産ガレージブランドの「パーゴワークス」

バックパックにも以前から気になる製品(CARGO 40)があったのですが、今回導入したのは「BUDDY33」なる中型サイズのバックパックです。

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基本的なスペックは公式サイトより。

PAAGOWORKS | パーゴワークス BUDDY33 | バディ33 | PAAGOWORKS

  • 「BUDDY 33」
  • 価格:18,000円 2019モデルより ¥19,000(税抜)
  • サイズ:600 x 250 x 250
  • 容量:33L
  • 重量:1100g
  • 主素材:ナイロン 330D PUコーティング
  • カラー:ダークベージュ/アーバングレー(2019モデルより)
  • パーゴワークス公式のブロダクトムービー(BUDDY 33)

型番の数字通り容量は33Lサイズのバックパックで、一般的には日帰りハイクや小屋泊登山に丁度いいと言われるサイズです。
価格は18,000円とこのクラスの登山用バックパックの中では平均〜比較的リーズナブルな価格帯と言えるでしょう(生産量を考えてもかなり頑張った価格だと思います)。

外観はベージュ系で一見するとクラシカルなキャンバス地のようなテイストですが、実際に使われているのは330Dのナイロン地。付属のタグによるとRobicのファブリックのようで、これはバックパックによく使われているCorduraよりも軽量かつ耐久性の高い素材と言われています。

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PUコーティングと各部の止水ジッパー採用により軽い雨程度ならば防いでくれそうですが、あくまで撥水程度と考えた方が良いでしょう。

アルパイン用途や縦走用のザックに比べるとやや薄手の生地ですが、テント泊を含む数度の登山で利用し、軽い藪漕ぎや岩場にザックをドスンと降ろすような使い方もしていますが、生地の表面が多少毛羽立つ程度で破けてしまうようなことはありません。

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全くのノーダメージという訳ではありません

重量は1100gとUL系のような軽量タイプではないものの、金属フレーム入りかつ実質40L前後の荷物が携行できるザックとして考えるとそこそこに軽い方かもしれません。

バックパック各部をチェック

メインのコンパートメントは1気室ですが、各所にユニークなアイデアが盛り込まれているバックパックですので1つずつ紹介していきましょう。

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テントやマットを挟むことができるトップフラップ

まずトップフラップ(雨蓋)は通常のザックとは逆の体側に開く仕組み。説明が難しいですが、次の写真のように雨蓋のベルトがそのままショルダーハーネスのスタビライザーベルト(ロードリフトストラップ)に連結されています。

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トップフラップを開けた状態(左)と閉めた状態(右)

このような作りになったバックパックを見るのは初めてですが、雨蓋やメイン気室の荷重をより身体に寄せる効果、そして次の機能を狙ったものでしょう。

このトップフラップと連結されるスタビライザーベルトにより、マットなどの大きめの荷物をトップフラップとショルダーストラップの間に挟み込むことができるようになっています。写真はモンベルのステラリッジ2型を携行している状態です。

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注意:HAKUBAの「首の負担がZEROフック」を取り付けていますが、この使い方の場合は背中とフックの距離が離れてしまうため(カメラのストラップは掛けにくくなる)あまり相性がよくないかもしれません。

当初「こんなの絶対に(挟んだ荷物が肩に当たって)背負いにくいに決まってる!」と当初は思っていたのですが、実際に試してみると不思議とこれが背負いやすいのです。

2度の縦走&テント泊ではこの位置にテントを挟んで行動していましたが何も問題はありませんでいた。ちなみにサーマレストの「Zライト ソル(S)」クラスのマットを挟んでしまうと、流石に肩周辺に違和感がありますが無理という訳ではありません。

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当初はこのスタイルで使う予定でしたし……

メイン気室と各部ポケット

メイン気室の巾着は調査緯度のオレンジのベルトを両手で左右に引っ張るころで、ガバっと大きく開くことができます。メイン気室部分にスペック通りの33L位の収納力があるので、トップフラップ部分などを積極的に使うことでスペック以上の荷物を安定して携行することができるのです。

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トップフラップ(雨蓋)のポケットはかなり大きめに作られていて、左右に大きく開く開閉口は止水ジッパー仕様。正面側にテンションが掛かっていると、当初やや開け辛く感じることもありますが、使ってるうちに気にならなくなりました。
(追記:2019年モデルから止水ジッパーは廃止されました)

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トップフラップの裏側にはメッシュポケット。ポケットティッシュや予備の携帯、紙地図などはここに入れておくことが多いです。

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メイン気室の背中側にはハイドレーション用のスリーブ。さすがにパソコンを入れる人はいないと思いますが、手持ちのMacBook Air 11インチはいい感じに収まりました(13インチPCだと厳しそう……?)。両サイドに見えているのは金属製のフレームでこちらはマジックテープの蓋を開けて取り外すこともできます。

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メイン気室とは独立したフロントポケットは雨具や防寒具、予備のペットボトルやファーストエイドキットなどすぐに取り出したい荷物を突っ込んでおくことができます。

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このフロントポケットの口を止めるフックの位置によりザック全体のサイズ感を調整することが可能。この部分は好みが分かれそうですが、私自身は中の荷物量に合わせて結構積極的に使っています。

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ザックカバー(レインカバー)は付属していないので30-45Lサイズのものを買い足しました。本体の底にポケットがあるでここにしまっておくのが正解でしょう。

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サイドジッパーによるメイン気室へのダイレクトアクセス

トップフラップ周りがやや特殊な作りになっていることもあり、特にテント等の荷物をフラップ部に挟んでいる場合、メイン気室へのアクセスがやや億劫になります。そんな際にサイドのジッパー(正面右側のみ)を開けることで、メイン気室内部に直接アクセスが可能です。ジッパーは止水タイプが採用されています。

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サイドジッパーをフルオープンにするには次項のサイドストラップとの干渉があるのがやや残念ですが、この辺りは運用の工夫次第かもしれません。

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着脱式のサイドストラップ

ストックなどを固定できるギアループや背負った状態でも取り出しやすいサイドポケットは登山用ザックではお馴染みですが、左右2対ずつのサイドストラップ(コンプレッションベルト)がトグルによる着脱式になっていて、ザックサイドに上から下まで付いているスリットの好きな位置に付けられるのはなかなか面白いシステムかもしれません。

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ある程度テンションが掛かっていれば勝手に外れることのないトグルですが、コンプレッションとして使用する場合、ベルトの作りの関係で途中で止まってしまうのでもっとキツく締められるといいのですが……。

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あと、このサイドストラップ、うっかりなくすと恐いので予備を買えるようにして欲しいですね(余分にあればもっと別の使い方もできそうですし)。

着脱可能なバックパネルとヒップベルト

さらにユニークなのが背中に直接あたるバックパネルとヒップベルトが着脱式になっていること。特別必要な機能ではないかもしれませんが、背中と直接触れ合うバックパネルを外して定期的に洗濯できるのは結構いいかも?(早速一度洗いました)

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ヒップベルトは30Lクラスのザックとしては標準サイズでしょうか。がっつり腰で背負うタイプのザックではありませんが、フレーム形状もあり荷重はバランス良く分散されていると感じます。ヒップベルト部にポケットなどはありません。

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パーゴワークス製チェストバッグのアタッチメント専用ループ付き

パーゴワークスの製品ということもあり、同社のチェストバッグ「パスファインダー(PATHFINDER)」「スイング(SWING)」「フォーカス(FOCUS)」などを取り付けるアタッチメント専用のループがあります。

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「フォーカス」はカメラバッグとしてだけでなく、スマホや行動食、汗拭きタオルなどの小物入れとして使ったり、ショルダーストラップに付け替えてサコッシュ的に使うこともできるので、最近はPeakDesignのキャプチャーと合わせて必ず使っているアイテムです。

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通常のザックに取り付ける場合と違い、ショルダーストラップの調整ベルトに干渉しないのも嬉しいですね。ちなみにBUDDY 33はショルダーストラップの長さ調整方法がやや特殊ですが、これはすぐに慣れます。

ピークデザイン キャプチャー(V3)の取付幅はややギリギリ

一眼カメラをザックのショルダーストラップにぶら下げるPeakDesignのCAPTURE(V3)を装着する場合、BUDDY 33のストラップがかなり幅広なことで、取り付けられる位置にやや制限があります。

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なんとか実用的な場所に着きますがかなりギリギリ

BUDDY 33のショルダーストラップは登山用ザックにしてはやや薄形ですが、幅広なこともあり肩への食い込みなどはほぼ気になりません。個人的には好きなストラップ形状です。

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日帰りハイクには少し余裕があるサイズ

八ヶ岳あたりの日帰り登山では、ある程度の荷物を詰め込んでも30Lあれば充分なことが多いでしょう。

BUDDY 33も実際ちょっと大きいかな?くらいのサイズ感ですが、カメラを入れたフォーカスを突っ込んだりする余裕もあるので、個人的には使いやすいサイズ。

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私の日帰り装備で水2Lとカメラ機材込みで11kg位。その際はカメラ関連が2.5kg前後だと思うので、だいたい9kg弱の装備(ベースウエイトだと7kg弱)といった感じでしょうか。

小屋泊の登山に使うならば1泊から数泊まで余裕で使えるサイズだと思います。

工夫すれば一泊程度のテント泊も可能な収納量

このBUDDY 33を購入したのはトップフラップにテントやマットなどの大きな荷物を挟むことで、軽量化した装備でのテント泊に良さそう?と考えたからです。

実際に北アルプス五竜岳〜唐松岳、南アルプス鳳凰三山の一泊縦走登山ではどちらもテントを含む荷物をこのBUDDY 33を使って携行しました。

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特別に無理のある軽量化は行っていませんが、ザック内でスペースを食うハイドレーションは使わずに、飲料水の傾向はOTFボトルやペットボトルで数カ所に分散させました。

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テントマットはインフレータブルのものを使っていましたが、テント本体をトップフラップに挟むのでなくメイン気室側に収納し、マットはクローズドセルタイプをサイドに取り付ける方法も次回は試す予定です。

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このテント泊用パッキングで水・食料込みで10kg丁度(カメラ機材含まず)

BUDDY 33の実用耐荷重は明らかにされていませんが、生地や作りを見るとせいぜい15kg前後といった所でしょう。軽量テント泊ならばできますが、2泊以上の縦走や夏以外の季節はやはり50〜65Lクラス以上のバックパックを使った方が無難でしょう。

ただ、コンパクトなザックでの軽量テント泊装備はやはり快適ですし、夏限定の楽しみとして今後も無理のない範囲で軽量化を楽しんでみたいと考えています。ちなみにBUDDYシリーズにはもう少し小さい22Lサイズもあり、日帰り登山やファストハイクにはこちらの方が良さそうな雰囲気。機会があればBUDDY 22も試してみたいと考えています。

追記:新色追加と一部仕様変更となった2019年モデル

BUDDYシリーズは2019年にマイナーチェンジされ、止水ジッパーの仕様を廃止(開閉性を重視したようですが、個人的には残念です)。サイドストラップのトグルが外れにくい形状へと変更されました。また、新色としてアーバングレーが加わりました(カッコいい!)。

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