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途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

主なミラーレスカメラの撮影枚数やバッテリー容量を比べて思うことなど……

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先月にニコンから「Z 6、Z 7」、一昨日にはキヤノンから「EOS R」が発表され、先行するソニーのα7/9シリーズと併せてフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラはまさに群雄割拠(さらに今月末にはパナソニックのフルサイズミラーレス機の噂……?)。


via: Z 7 - 概要 | ミラーレスカメラ | ニコンイメージング

そして昨日はフジフイルムから新型ミラーレスカメラ「X-T3」が発表となり、気が付けばフルサイズからAPS-C、マイクロフォーサーズまで、各センサーサイズでハイアマ向け〜フラッグシップクラスのミラーレスカメラを選べるようになった現在。
今年上半期の国内出荷台数でミラーレスと一眼レフが逆転したという報道もありましたし、一昔前の「ミラーレスカメラ=エントリー層向け」といったイメージはかなり払拭された感があります。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018090500979&g=eco


via: 生産を終了した商品 EOS:レンズ交換式カメラ・レンズ|個人|キヤノン

しかし一眼レフ機に比べ、撮影時に電子ビューファインダー(EVF)やモニターを使うミラーレスカメラはどうしても消費電力が嵩むこととなり、同じ容量のバッテリーを使った場合の撮影枚数は少なくなりがちです。ニコン、キヤノンの新型フルサイズミラーレスに関しても、発表されたスペックの撮影枚数にガッカリする声が少なからず見られました。

ふと気になって主なフルサイズ〜マイクロフォーサーズのミラーレス機(ハイアマ、フラッグシップ機)の撮影枚数をまとめてみました。それぞれ、CIPA規格、ファインダー使用における静止画撮影枚数のカタログ値を抜き出したものです。

型番 センサーサイズ 撮影枚数 使用バッテリー
NIKON Z 6 FF 約310枚 EN-EL15b(1900mAh)
NIKON Z 7 FF 約330枚 EN-EL15b(1900mAh)
CANON EOS R FF 約370枚 LP-E6N(1865mAh)
SONY α7 III FF 約610枚 NP-FZ100(2280mAh)
SONY α7R III FF 約530枚 NP-FZ100(2280mAh)
SONY α9 FF 約480枚 NP-FZ100(2280mAh)
FUJIFILM X-H1 APS-C 約310枚 NP-W126S(1260mAh?)
FUJIFILM X-T2 APS-C 約340枚 NP-W126S(1260mAh?)
FUJIFILM X-T3 APS-C 約390枚 NP-W126S(1260mAh?)
OM-D E-M1 Mark II MFT 約440枚 BLH-1(1720mAh)
PANASONIC G9 PRO MFT 約360枚 DMW-BLF19(1860mAh)

ちなみにCIPA規格による電池寿命測定方法は色々と細かい条件が設定されていることで、現実的な撮影枚数よりも少なく出ることが一般的。
CIPA、デジカメの電池寿命と解像度の測定規格を公開

私が使っているオリンパスのE-M1 Mark IIは約2年前の機種ですが、前機種から改良された新型バッテリー(BLH-1)の効果もありカタログ値で440枚(初代E-M1は約350枚でした)。実際のフィールドでは1000枚以上撮れることもザラですし、低消費電力撮影モード(カタログ値約950枚)を使った場合その数字は更に増えるので、どの機種も実際の撮影枚数はカタログ値よりも大きく伸びる可能性が高いです。

同世代のセンサーならばセンサーサイズが大きい方が消費電力も大きくなると思われますが(ISユニットの動作なども)、実際どの程度までバッテリー容量を大きくするかは本体重量などとの兼ね合いもあるので各社の課題になってそうな案件。

この中ではソニーのα7 IIIがカタログ値で600枚を越えているのが目を引きます。前世代(II型)まではNP-FW50(1020mAh)というかなり容量の少ない充電池が使われていたこともあり、電池持ちの悪さがなにかと指摘されていたα7系ですが、2280mAhに容量アップした新型バッテリーNP-FZ100を採用したことで大きくバッテリー寿命を伸ばしたことは、α9やα7R IIIの発売直後からかなり話題となりました。

そんな流れもありこれからはミラーレス機でもカタログ値で500枚を越えることが1つの基準になると思っていただけに、今回のニコン、キヤノン製のフルサイズミラーレス機が300枚台に留まってしまったことには物足りなさを感じてしまいます。
バッテリー容量自体は同社の一眼レフ機と同じものが採用されていて決して少ない訳ではありませんが、ソニーが先行して対策していた問題だけに見劣りしてしまうのは否めません。
あとは実際にフィールド等で使用した際、どこまでカタログ値を上回った数字が出るかは興味深いところかもしれません。

さて、APS-C勢のフジフイルムですが、こちらは何故か同社のエントリー機で使用しているものと同じ、今となってはかなり容量の少ない充電池を頑なに採用しています。
これは互換性を重視したものかはたまたあえて小さな充電池にすることで、バッテリーグリップ併用時の充電池3個使用に拘ったのか……?

最新のX-T3では同じ充電池を使いながらX-T2比でカタログ値で50枚も上げてきた所は、開発陣の大きな努力も感じられますが、手ぶれ補正ユニットを搭載するX-H系の次世代なども考えると、そろそろバッテリーの大容量化も期待される所です。

ちなみに私が使っているオリンパスのE-M1 Mark II。バッテリー性能に大きな不満はありませんが、最近のカメラでは当たり前になりつつあるUSB充電/給電に対応していないことは未だに残念で、この点は同じMFT陣営のパナソニックが羨ましい限り。
実際、サブ機として使っているGX7MK2は手軽にUSB充電できることもあり、せっかく買った交換電池を全く使う機会がありません(ただし、GX7MK2は電池が小さすぎて撮影枚数も頼りない……)。