I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

村松昭氏の河川絵本「日本の川」シリーズ3冊をアトリエ77で購入、最高なので全力で紹介したい!

本ページは商品、サービスのリンクにプロモーションが含まれています

今年の2月にブログで紹介した、絵地図作家 村松昭(むらまつあきら)さんによる山や川の絵地図と、府中本町にある村松さんのアトリエ兼店舗の「アトリエ77」について……の続編(?)。


f:id:OKP:20191016205232j:plain

前回アトリエにお邪魔した際に拝見して、絵地図と共に気になっていたのが、「日本の川」という絵本シリーズ(公式サイトリンク)。村松さんが得意とする、鳥瞰絵図(鳥の視点のような俯瞰の絵図)で描かれた河川の絵本で、上流から河口までを全32〜40Pほどのボリュームで描いています。

f:id:OKP:20190206015919j:plain

対象年齢は小学校低学年からの子供向けとして作られた絵本ですが、各河川流域のランドマークから代表的な河川施設、そしてその土地に纏わる歴史ネタなども盛り込まれていて(ブラタモリ的?)これが大人が見ても十分に楽しめる内容になっています。

先日の台風19号による全国の河川災害もあり、以前から馴染みの深い川について色々と思いを巡らすこともあったりして、改めてこの絵本をちゃんと読んでみようとアトリエ77を訪問しました。
展示されている見本を拝見しつつ、今回3冊の「日本の川」を購入してきました。「たまがわ」「ちくまがわ・しなのがわ」「あらかわ・すみだがわ」の3冊です。

f:id:OKP:20191016172202j:plain

これがどれも最高の絵本でして、皆さんにもぜひ実際に手に取って見ていただきたいものなのですが、その魅力の一端でも伝わればと一部をご紹介します。

* *

まずは、私にとって相模川と並んで身近な川である「多摩川」。表紙は丁度私の住む(というか村松さんの地元である)府中市の武蔵野線、南武線鉄橋のあたりですね。郷土の森博物館やサントリーのビール工場も見えています。

f:id:OKP:20191016172210j:plain

中扉は多摩川源流域のイラスト。いやー、ワクワクしますね。

f:id:OKP:20191016172215j:plain

どの川でも神様と子供がナビゲーターになって源流域から下流までの流域を紹介していくスタイル。多摩川は山犬の神様、荒川は白髭の川の神様、信濃川は天狗がナビゲーターです。

f:id:OKP:20191016172219j:plain

そう。多摩川は奥多摩湖(小河内ダム)を過ぎるまでは多摩川と呼ばれてないのですよね。そんな多摩川源流部にしっかり4ページ割いてします。奥多摩(奥秩父)の山も描かれています。

f:id:OKP:20191016172223j:plain

「丹波川(たばがわ)」が「多摩川」の名前の元になった説を紹介しつつ、諸説ある所にもしっかり触れる神様。荒川の神様もオオカミがいないとは言い切らなかったりと非常に好感が持てます(笑)

f:id:OKP:20191016172228j:plain

数頁ごとに流域地図だけでなく、河川の大きな施設を紹介すページも。小河内ダムのページには余水吐水門もちゃんと描かれています!

f:id:OKP:20191016172232j:plain

羽村の取水堰!!!!

f:id:OKP:20191016172236j:plain

府中郷土の森は多摩川の砂利を採取した跡地だったのか!知らなかった!

f:id:OKP:20191016172241j:plain

私の生まれた年に起こった狛江の洪水。

f:id:OKP:20191016172246j:plain

二ヶ領用水の円筒分水。先日の台風で越水のあった三沢川や平瀬川、かつての湿地帯であることなどがネットで指摘されていましたが(なんなら住むには適さない土地、ぐらいの論調のものも……)、江戸時代から農業用水が整備され、常に人の手によって水と戦い水と共に暮らす努力がなされてきた土地であることにも(人は水がないと生きていけない)目を向けて欲しいなと…… すみません、脱線しました。

f:id:OKP:20191016172250j:plain

等々力、宇奈根など多摩川を挟んで同じ名前がある土地のエピソード。

f:id:OKP:20191016172255j:plain

そして河口部へ。この「日本の川 たまがわ」は羽田空港D滑走路がまだ工事中だった2008年に出版された、日本の川シリーズの第一作なのでした。

f:id:OKP:20191016172300j:plain

続いて「千曲川・信濃川」。甲武信ヶ岳スタートと思いきや金峰山の五丈岩が登場! たしかにどちらの山も信濃川の源流域かつ、中央分水嶺なのですよね。

f:id:OKP:20191016172305j:plain

八ヶ岳も確か千曲川の源流域のひとつ。小海線にめっちゃスポットが当たってる!

f:id:OKP:20191016172310j:plain

千曲川・信濃川メインではありますが、忘れてはならない犀川。槍ヶ岳に源流部を持つ我らが梓川に、同じく北アルプス源流の高瀬川、鹿島川ともう山ファン大満足のページ。

f:id:OKP:20191016172315j:plain

流域の途中で季節が変わっていく演出も素敵ですねー。北信から新潟へ、千曲川から信濃川に名前を変えるエリアは雪国として描かれています。

f:id:OKP:20191016172319j:plain

この先の西大滝ダム、大河津分水路の描写も最高なので、ぜひ現物を手に取っていただきたい!

そして3冊目は「荒川・隅田川」。

f:id:OKP:20191016172324j:plain

日本の川シリーズで最も新しい本(2016年出版)なので秩父の滝沢ダムにしっかり水が貯められています。「秩父市(旧大滝村)」と合併前の村の名前もちゃんと分かる親切設計。

f:id:OKP:20191016172329j:plain

秩父の街は三段に分かれた河岸段丘。秩父出身の妻から教えて貰いましたっけ。

f:id:OKP:20191016172353j:plain

ムサシトミヨ!

f:id:OKP:20191016172333j:plain

みんな大好き荒川放水路と岩淵水門。

f:id:OKP:20191016172338j:plain

各本、巻末には索引もあるので逆引きで楽しむのもいいかも。

f:id:OKP:20191016172350j:plain

以上、駆け足でごく一部のご紹介でしたが、ぜひ実際に本書を手に取ってみていただきたい絵本シリーズ。この他にも「筑後川」「吉野川」「石狩川」「淀川」の全7種類。流域の取材はかなり時間を掛けて行われているそうで、もっと他の河川も見てみたいのですが(私はやっぱり地元の相模川……)製作には相当の手間が掛かっているようなので、あまり無理も言えませんね。

f:id:OKP:20191016172342j:plain

といった感じで大人の私が大喜びで楽しんでいるこのシリーズですが、本来は子供向けの設定で作られている本なので(平仮名多めで漢字には全てルビがふられています)、川好きなお子さんがいらっしゃるご家庭にもぜひ知って貰いたいなと。

f:id:OKP:20191016172206j:plain

村松さんの本や地図はAmazonや書店などでも手に入りますが、アトリエ77で購入するとこんなオマケも付いてきたりします(写真を撮り忘れましたが「秩父・奥秩父散策絵図」の絵はがきも貰えます)。

f:id:OKP:20191016172401j:plain

日本の川 たまがわ

日本の川 たまがわ

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2008/01/01
  • メディア: 大型本
あらかわ・すみだがわ (日本の川)

あらかわ・すみだがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2016/07/07
  • メディア: 単行本
ちくまがわ・しなのがわ (日本の川)

ちくまがわ・しなのがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2010/03/16
  • メディア: 大型本
よどがわ (日本の川)

よどがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2013/07/18
  • メディア: 単行本
ちくごがわ (日本の川)

ちくごがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2009/04/01
  • メディア: 大型本
よしのがわ (日本の川)

よしのがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2011/07/08
  • メディア: CD-ROM
いしかりがわ (日本の川)

いしかりがわ (日本の川)

  • 作者:村松 昭
  • 発売日: 2012/07/26
  • メディア: 単行本

こちらもどうぞ