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途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

春の富山県・立山 室堂で過ごす・見る・登る・食べる

今年も4月15日に北アルプスを横断する、立山黒部アルペンルートが開通しました。
毎年のように訪れている春の立山室堂。今年はまだ計画を立ててませんが、できれば行きたいと考えています。

行く度に数本のブログ記事を書いていて、情報がかなり散らばってしまっているので、立山登山やライチョウの観察、雪の大谷、富山グルメ等々、春の立山情報をまとめてみました。
とりあえず思い付く順にざっとまとめてみましたが、少しずつ加筆や修正していく予定。

はじめに

自分が立山に行くのは登山が目的ですが、今回は登山をしない人向けの情報もまとめています。
室堂ターミナルの周辺以外は、雪山登山の対象となるエリアになります。登山届の提出や雪崩対策の装備携行のルールもあるので、登山者の後を付いてむやみにに入山対象区域に入らないよう気をつけてください。

ライチョウ観察が目的の場合も、基本的には指定された遊歩道からは外れない。地獄谷方面は火山ガスが発生しているため立入禁止ですし、積雪があって植生に影響がないと判断できる場合にしても、残雪期は踏み抜きや場所によっては雪崩の危険もあるので、その判断ができないならば立ち入るべきではないでしょう。

6月頃の立山室堂観光については以前こんな記事も寄稿しているので、よかったら参考にしてください。

アルペンルートの混雑について

4/15の立山黒部アルペンルート開通から2週間弱でゴールデンウィークに入ります。訪日観光客も再び増えていることもあって、長野の扇沢、富山の立山駅どちらからのスタートする場合もこの時期、特に休日はそれなりの混雑が予想されます。
可能であれば事前にWEBきっぷを予約しておくことをオススメしますが、連休にかけてすでに埋まり始めている日時もあるようです(完全予約制ではないので、残席なしでも現地で乗れない訳ではありません)。
WEBきっぷホーム | 立山黒部アルペンルート

長野県の扇沢駅と富山県の立山駅

扇沢と立山にある駐車場も台数が限られているので、やはり混雑が発生します(駐車場が埋まると少し離れた場所からのシャトルバス輸送となります)。朝からのスタートを狙うなら、なるべく早く行くに越したことはありませんが、我が家は初日は移動日と割り切って、毎回午後からのスタートにしています。昼を過ぎるとアルペンルートを通過した人が帰り始めるので駐車場に空きも出ますし、混雑も落ち着きます。
スケジュールに余裕がるならば、午後のスタートを検討してみるのもありでしょう。

日帰りよりも宿泊で

立山黒部アルペンルートは途中休憩なしの乗り継ぎのみでも全行程で3〜4時間掛かります。朝いちでアルペンルートに入って雄山登山をしての日帰りなども不可能ではないのですが、ただでさえアルペンルートの混雑する時期に、室堂観光をしたり食事の時間まで考えたら、日帰りはあまり現実的ではないでしょう。

今から室堂周辺の宿が取れるかは分かりませんが(山小屋タイプの宿は一部空きもあようです)、室堂でじっくり写真を撮ったり、ライチョウを観察して過ごす場合は宿泊は必須だと考えましょう。

雷鳥沢キャンプ場でのテント泊は可能ですが、雪上のテント泊になるので経験や装備のない人には難しいでしょう。テント場までの道も積雪量(除雪状況)にもよりますが、ほぼ雪道で徒歩1時間弱かかるので、雪山登山の経験や装備のない人はそれなりの覚悟が必要です。

私は室堂周辺の宿で泊まったことがあるのは「みくりが池温泉」と「雷鳥荘」。どちらも秋ですが、宿泊レポートを書いています。日本最高所の天然温泉にも入れますし食事も美味しい宿なので、どちらおオススメです(ただし、旅館やホテルというよりは山小屋のルールに近い宿になります)。

雪の大谷

高原バスが走る立山有料道路を除雪した際にできる高い雪の壁が「雪の大谷」。立山高原バスの車内から眺めることもできますし、室堂ターミナルから徒歩で見に行くことができます。

15時半までであればいつでも入れますが、午後から徐々に天候が崩れることも多いので、室堂到着時に晴れていたら真っ先に行ってしまうといいでしょう。また一旦、室堂ターミナルから外に出てしまうと、雪の大谷に行くためにはターミナルの1階まで戻る必要があります。

立山から見る雪の大谷

室堂での食事

連休中の室堂ターミナル(ホテル立山)はひっきりなしに長野側、富山側からの観光客が運ばれてくるので(また出発する人もいるので)、常に混み合っている状況です。
到着時に室堂ターミナル2階のレストラン立山にすぐ入れるようなら、空腹ならすぐ入ってしまうのがいいでしょう。朝早い立山・室堂スタートならまだ空いてることが多い気がします。

それ以降の時間帯だとタイミング次第なので、1階の立山そば(ここも混みがち)か、事前にお弁当やパンやおにぎりなどを買って持参しておくのが確実です。

室堂ターミナルから徒歩(雪道)15分ほどの「みくりが池温泉」に行けば、朝8時半から営業している「喫茶みくり」(ピザ、厚切りトーストなど)、11時からはレストラン(定食や麺類など)も利用できます。混雑を避けたいならみくりが池温泉まで行くのが断然オススメです(飲食利用は基本的にいつも空いてる気がします)。

ライチョウを見たい、撮りたい

まだ冬毛が残る天然記念物のライチョウの観察を目当てに、室堂を訪れる人も多いと思います。
ちなみに全身が真っ白な冬毛のライチョウが見られるのは、例年アルペンルートの開通直後からしばらくの期間のみ。GWに入る頃には徐々に羽の色が変わり始めています。

登山が目的ならば山の上でライチョウを見られる機会もありますが、室堂平だけでライチョウを探したい場合、やはり足と目を使って探すことになります。人が集まっている場所にはたいていライチョウがいるので、それを探すのもアリですが、まだ誰も見つけていないライチョウを双眼鏡で探し出すのも個人的にはとてもワクワクできる体験だと思います。

そんなライチョウを観察する際に知っておきたいルール。環境省監修の「ライチョウ観察ルールハンドブック(PDF)」はぜひ事前に一読しておきましょう。「ライチョウに近づき過ぎない(ハンドブックによると5m以上離れる)」「繁殖地であるハイマツ帯に踏み込まない(植生保護の意味でも)」「先に観察してる人がいる場合は邪魔をしないよう」など最低限のマナーは守りたいものです。

ライチョウ目当てで初めて室堂を訪れる人は、いきなりフィールドに出る前に室堂ターミナル隣の「立山自然保護センター」に立ち寄ってみるといいかも。ライチョウの目撃情報も集まっていますし、様々なアドバイスも聞けると思います。4/29からは富山県認定のナチュラリストによる無料の自然観察ツアーも開催されるので、利用してみるのもいいでしょう。

ライチョウを撮影する場合ですが、焦点距離200mm程度(35mm判換算)のレンズでも十分な距離で出会えることもあれば、より長い望遠が欲しい状況もあります。野生動物と一定の距離を取ることを考えたらできれば300mm以上の望遠レンズは用意しておきたいかも。自分の経験だと200〜600mmぐらいの焦点距離があると、離れた場所にいるライチョウの撮影にも対応できます。

あとは双眼鏡。距離の離れたハイマツ帯に潜むライチョウを探す場合、双眼鏡があるとないとでは大きな差があります。例え撮影には適さない距離でも、双眼鏡でライチョウたちの姿を観察しているだけでも立山に来た価値を感じられると思います。倍率は6〜8倍程度で視野の広いものが探しやすいと思います。


立山登山について

残雪期の北アルプス3000m級の登山になるので12本爪アイゼンやピッケルを使った雪山登山の装備、経験が必須です。GW前後は天候変化により雪の状態も一定ではないので、前年の情報がそのまま当てはまるとは限りません。余裕のある計画と十分な装備を備えて立山登山を楽しんでください。

また、積雪期である4月、5月、11月に立山の入山対象区域に入る場合は、入山届の提出、雪崩ビーコン等のアバランチギアの携行が呼びかけられています。
入山ルール | 立山室堂 山岳スキー情報
一般登山ルートを歩くだけならビーコンは必要ないと考える人も一部にいるようですが、過去登山者の巻き込まれた雪崩事故も起きていますし、中央アルプスの千畳敷カールのような誰もが登るような雪山ルートでも雪崩は頻繁に発生します。雪山登山をする以上、ケチっていい装備ではないでしょう(雪崩ビーコンは立山駅などでレンタルもあります)。

過去の春の立山登山のレポートはこの辺り。個人的に楽しかったのはやはり別山から雄山への周回ルートですが、ややロングコースなので体力や経験次第。浄土山と龍王岳は主峰の雄山に比べると人も少なく、ライチョウ遭遇率が高いのでお気に入り。雷鳥沢キャンプ場から登りやすいのは別山や剣御前山。

奥大日岳も静かで目の前に剣岳が大きく見えて楽しかったですが、残雪期の入山ルールとして様々な声があるようなので、気になる人は室堂ターミナルの入山安全相談窓口に相談してみるとよいでしょう。



雷鳥沢キャンプ場

4〜5月の雷鳥沢キャンプ場は完全に雪原なので、雪の上にテントを貼ることになります。厳冬期のような厳しさはありませんが、マットなしで快適に寝られる環境ではないので、経験の少ない方は注意しましょう。

整地用のショベル、雪上でも効くペグは準備しておきましょう。気温によっては雪が溶けやすくなっているので、冬のつもりでダウンシューズのまま外に出る際は注意。雨が降る可能性もあるので、スノーフライよりはレインフライが安心ですが、これも気象条件次第です。


春の富山を楽しむ、富山グルメ

東京からの立山アクセスは長野側からのアルペンルート利用が一般的ですが、春は富山湾の白エビやホタルイカが楽しめる季節ということで、自分は毎回富山県側からアクセスして、立山入りの前後に地元のお寿司などを楽しんでいます。公共交通を利用する場合、扇沢からアルペンルートに入って室堂で過ごした後は富山側に抜けて、富山駅周辺でグルメを楽しんで北陸新幹線で戻るという贅沢なプランを楽しむ人もいるようです。

富山の美味しい回転寿司として有名なのは私も毎年行ってる「廻る富山湾 すし玉」。車なら富山掛尾本店、公共交通でも富山駅(きときと市場とやマルシェ)に富山駅店が入っています(結構混雑するようなので要注意)。
その他にもお寿司はチェーン系から個人店まで豊富にありますし、富山のご当地ラーメンである富山ブラックも毎年食べるのを楽しみにしています。

富山観光はあまりしたことがないのですが、ますのすし本舗 源が運営する「ますのすしミュージアム」は、食べ比べの試食などもあってとても楽しかったです。

他に行ったことがあるのは新湊の「新湊きっときと市場」(海鮮系のお土産、飲食店)、海王丸(帆船)、新湊大橋(立山の山がよく見える巨大な橋)など。市内を走る路面電車も一度乗ってみたいとは思っていますが、毎回山(立山)にいる時間が長いか、富山の平野部分はまだまだ知らないところだらけ。金沢や能登方面にも足を伸ばしてみたいと思っていますが、全てこれからのお楽しみということで。

色々と書き漏れ、足りないこともあると思うので少しずつ書き足していく予定。

秋(11月)の立山については別の記事にまとめています。

今週のお題「外でしたいこと」

防寒テムレスの寿命は? 結構長持ちしたけど一部水が染みるようになったので買い替え

愛用してる防寒テムレスの1つに寿命がやってきたようです。

冬季、主に雪の中での活動に欠かせないショーワグローブの「防寒テムレス」。見るからに作業用ゴム手袋な青いテムレスしかなかった頃から使い始め、ブラックテムレス(TEMRES 01winter)を追加、サイズ違いのオリーブグリーンも買い足して雪山登山や雪中テント設営、降雪時の雪かき等にも愛用しています。

テムレスは完全防水ながら柔らかく名前の通り(「手」「蒸れ」「LESS」)水蒸気を逃がす透湿素材なので、アウトドアアクティビティで使う人も多いのですが、手汗が完全に抜ける訳ではないですし、雪山登山などで使う際はインナーグローブを組み合わせるのが一般的かも。私も登山で使う際はそうしてます。


防寒テムレスは内側にボア素材になっていてそれなりに保温性もあるモデル。雪山では保温性を増すためにインナーグローブで調整しますが、0度を少し切る程度の気温なら十分な保温性なので、東京で雪が降った際にはそのまま使ってます。濡れやすい東京の雪はもちろん残雪期にも優秀です。

そんな手持ちのテムレスの中で最も使用機会が多かったのがブラックテムレス。ハードシェルや私服と合わせても違和感がない(?)ので購入後は常に1軍として活躍していましたが、先日の降雪時に使っていたところちょっと右手の親指の先が濡れるような感覚がありました。


着脱時にうっかり雪が入ってしまった可能性もあるので、改めて乾燥させてから確認してみました。
素手に装着して水を溜めた洗面所に突っ込んでみます。水道の流水程度では分からない浸水も、水圧をかければ一発で分かります。確かに右手の親指の先からうっすらと水が染みてくることが確認できました。

目に見える穴などは確認できませんでしたが、表面の防水コーティングの劣化などがあるのかも? 合わせて同時期に購入した妻のブラックテムレスや以前から使ってる青テムレスも浸水確認をしてみましたが、水が染みたのは自分の片手一箇所のみなので、頻繁に発生するような経年劣化ではないのかもしれません。

自分の場合はテムレスを装着した手で摩耗が発生するような激しい活動をする訳ではありませんが、右手の親指はカメラのダイヤル等を常に操作していますし、長いこと使っているうつちに徐々に摩耗してたのかも? 全体的にヘタってゴムも柔らかくなっていましたし(それもあって使いやすかったのですが……)。

次の連休は雪山に行くことになりそうなので、早速新しいテムレスを注文しました。常に氷点下の雪山ではそこまで防水性が重要な訳ではないですし、水圧を掛けてうっすら染みる程度なら実用上問題ない気もするのですが、これは雪が緩んだ残雪期にも使いますし、2019年11月から丸4年も使えて十分に元は取ってくれたので、買い替えるにはいいタイミングでしょう。

通常ラインのオーリーブグリーン(安い)と迷ったのですが、ヨドバシのポイントがあったので今回もブラックテムレスこと「TEMRES 01winter」にしました。
インナーグローブによってはLLサイズのテムレスも使いますが、愛用のモンベル「メリノウール グローブ タッチ」との組み合わせやインナーなしで使うならば、Lサイズがカメラの操作などもし易いのです。


古いテムレスは新品に比べると柔らかく(?)なってて使いやすいので、普段遣いや作業用の手袋として使い倒したいところですが、防寒テムレスが必要になるほどの冬の水(雪中)作業って滅多にないんですよね……。


新年初山は焼岳南峰へ:快晴の北アルプスを堪能した雪山登山

先週1月5日、2024年初登山へ行って来ました。7年ぶりの北アルプス・焼岳です。

積雪期限定の焼岳南峰へ

焼岳は北アルプスの南部にある活火山。上高地の大正池や河童橋から綺麗に見える山としてもお馴染みです。2022年5月に噴火警戒レベルが2に引き上げられ、一時的に火口がある山頂への登山が規制されましたが、同年7月にレベル1に引き下げられて以降は再び登山が可能となっています。

焼岳にはこれまで10月頭の紅葉時期に上高地側から、11月頭の晩秋に新中の湯ルートで登ったことがありますが、積雪期に登ったことはまだありませんでした。


焼岳の最高点は南峰の2,455mですが、山頂付近の岩稜が崩れやすいために立入禁止となっていて、北峰(2,393m)に登るのが一般登山ルートです。ただし、積雪期は南峰の南側に伸びる尾根に雪がついて比較的安全に登れること、新中の湯ルートから北峰へ向かう登山道は雪崩地形になることもあって、南峰に登ることが一般的となっています(やや登山者に都合のいい解釈ですが)。冬季に中の湯から北峰へ登る記録もない訳ではありませんが、北峰を目指す場合は新穂高温泉からの中尾ルートの方が定番のようです。

晩秋の新中の湯ルートと北峰との鞍部から見上げた南峰

新中の湯ルートの登山口(新中の湯登山口)は国道158号旧道の安房峠の近くですが、積雪期になると安房峠入り口のゲートが閉門されるので、マイカーの場合は「中の湯温泉旅館」の利用客しか入ることができなくなります。宿泊者以外が入山する場合は、中の湯温泉旅館の駐車場を予約するか(四輪駆動車+スタッドレスタイヤのみ)、沢渡や平湯からのタクシー利用(ゲート前まで)と徒歩になるようです。

駐車場の事前予約は1週間前から可能で、週末には埋まってしまうこともあるようですが、三が日開けの平日だったので前日問い合わせでも空いてました。詳細は以下の中の湯温泉旅館サイトでご確認ください。
安房峠入り口ゲート冬期閉鎖のご案内 11月16日~4月12日まで ※必ずこちらをクリックし、ご確認ください!!! 中の湯温泉旅館(公式ホームページ)|上高地で通年営業の温泉旅館|日本の秘湯を守る会会員

この冬はどこの山域も雪が少ないようで、1月に入っても八ヶ岳や上州エリアは雪山と呼ぶには少々寂しい状況……。これはある程度標高が高い場所に行くしかないかと、当初は中央アルプスの木曽駒ヶ岳を検討していましたが、妻が松本に泊まってみたいホテルがあるということで、それなら久しぶりに焼岳に行ってみるかと登山計画を立てたのでした。

中の湯温泉旅館〜新中の湯登山口

朝7時前に安房峠入り口のゲートに到着。松本からの国道158号は完全に除雪されていて、釜トンネル前のカーブで初めて道路上に雪を見たレベルでしたが、安房峠ゲートから先は完全な雪道でした。

ゲートを自分で開けて通過したら再び閉めておくシステム。

雪道のつづら折りをしばらく上がって、中の湯温泉旅館に到着。駐車料金の支払いは下山後で良いとのこと。

準備中にソロの方がスタートして行きましたが、この前にペアが1組、その後に我々、後からスタートして途中で抜いて行ったソロ2人の7人がこの日の山頂までの入山者だったようです(途中の広場あたりまでもう3名ほど登っていたようです)。中の湯温泉旅館の方によると前日はさらに少なく5人程度だったとのこと。正月三が日後の平日だからなのか、そもそも年末年始に登山者が少ないのか?

気温はマイナス6度。寒いといえば寒いけど、厳冬期の北アルプス登山口にしては温かい気もします。

準備をしている間に太陽が差してきて、7時半過ぎにスタート。旅館の奥の鞍部になっているあたりが安房峠でしょうか。

スタートから12本爪アイゼンを履いて、旅館の脇から裏手の斜面を登って行きます。一旦車道に出ますがそのまままた道の脇から直登。アイゼンは履かずに、つづら折りの車道を歩いているトレースもありました。

何気にここがかなりの急登です。

見覚えのある「新中の湯登山口」に出ました。上高地方面に穂高連峰(明神岳)が見えています。


広くなっているあたりが無雪期の無料駐車場。中の湯温泉旅館から上の道路は除雪されてないので、車で上がってくることはできません。


新中の湯登山口から雪の樹林帯歩き

前日にも多少の降雪があったようなので、トレースはこの日の先行者だけ。雪はサラサラです。

ただし日当たりの良い木に積もった雪はかなり解けているので、あまり厳冬期感はありません。スタートしてすぐは一部土が見えている場所もありますし。

すぐに暑くなってハードシェルとオーバーグローブを脱ぎました。

1時間ちょっと雪の樹林帯を登って行きます。積雪はトレースがなかったらわかんを履いてもいいかなと思うぐらい。わかんは持ってきていましたが結局最初から最後までアイゼンのままでした。


広場から見える焼岳山頂、そして南峰ルートへ

眼の前が開けたところが「広場」。正面真ん中に見えているのが焼岳の南峰です。たしかに南峰と北峰の間はカール状の谷になっていて雪崩が起きそうな地形かも?

ウサギの足跡に赤い冬芽。

積雪が少ないこともありまだ北峰ルートも歩けそうな雰囲気ですが、ここは予定通りに南峰ルート。よく見ると先行してる3人の登山者とトレースが見えます。支尾根を主稜線に向かって登って行くルート。確かに積雪期のルートとしてはとても自然に見えます。

広場には数日以上前のテント泊らしき跡と、雪を被ってかまくらのようになったイグルーがありました。日帰りで十分に登れるルートですが、年末の年越しでも楽しまれたのでしょうか。

ピンクテープは南峰ルートの目印として付いているようですが、登山者によるものでしょうか?

北峰ルートのトレースはありませんが、左手の木々の脇と谷の際を鞍部に向かって登って行く感じ。

そのまま視点を右にずらしていくと穂高連峰に霞沢岳。手前側の谷の底を梓川が流れています。


樹林帯を出る前にハードシェルを着ていたところ、ソロの2人が抜いて行きました。わかんを履いてもいいぐらいの積雪ですが完全につぼ足ですね。ありがたくトレースお借りします。

南峰の東斜面は岩場なので南側に伸びる尾根(の支尾根?)に向かって上がって行きます。

ずっと見えてたと思った北峰ですが、その向こうにあるのが本当の北峰ですね。

なんだか久々に雪山登山してるなという気分。

急登で息を切らしながら、こんな何気ない斜面の雪を見ながら登るのが気持ちいい。

なんるなく夏道のラインが見えるような気がします?

支尾根に入ったあたりから雪が浅く硬くなってきたのでストックからピッケルに切り替え。


南峰稜線は森林限界の雪山登山

稜線が近くなると風も強くなってきました。

外輪山の縁というか白谷山方面につながる稜線に出ます。雪の下は笹原とハイマツ帯になっているようです。そう、焼岳の南峰にはハイマツがあるので北峰では見ることがないライチョウも生息しているようです。

直登にはややキツいぐらいの斜度になるので若干ジグザグ気味に登って行きます。向こうに見えているのは白山連峰でしょうか。北アルプスよりも標高は低いですが雪は多いように見えます。

振り返ると乗鞍。

久しぶりに感じる雪山の風。

山頂の手前にちょっとした岩場があります。

危険ってほどではないけどまあまあの傾斜があるので転ばないように。

山頂から下りてくる方がいたので横に避けて待つ。バラクラバとフード全開にする程度には風。

最後登り切ると正面が開けて穂高連峰が見えました。手前の岩稜帯が北峰に繋がった稜線。


北アルプスを一望、焼岳南峰を独占

山頂はこちら側ですね。やっぱり北峰とは全然雰囲気が違います。

焼岳南峰(標高2,455m)には二等三角点があるとのころですが、ちょっと分かりませんでした。通常は登れないので山頂標識もなし。木の棒が立ってるところが山頂ってことでよいでしょう!?


新穂高温泉を挟んで笠ヶ岳。よく見ると新穂高ロープウェイの駅が見えてますね。

記念撮影したり、はしゃいでみたり。先行者の人たちはすでに下山していて、後続の登山者もいないので完全に山頂を独占の贅沢タイム。


穂高連峰。手前に岩稜が焼岳北峰。360度パノラマの展望がある代わりに、北峰からの上高地を見下ろす景観はありません。

そこからぐるっと反時計回りのパノラマ。




穂高連峰、乗鞍岳、白山連峰をズーム。



南峰から北峰に掛けての岩稜。積雪期に歩いてる人もいるようですが、自分たちは南峰だけ。安全に行けそうなとこまでと思いましたが、思いの外岩の上に雪が薄く付いているだけだったので少しだけ。

左奥が南峰。火口湖の正賀池がこの下にあるはずですが、すでに雪の下なのか角度的に見えないか……。

妻は付いてこない。

東側。霞沢岳と北峰の尾根の間が上高地。

南アルプス方面。よく見ると甲斐駒の向こうに富士山の頭だけ見えてます。

南峰に戻ってパンと白湯休憩。思いの外風も弱く、誰もこないし景色も素晴らしいので1時間近く居ました。

それではそろそろ戻りますか。最後に南峰を振り返って……。


昼過ぎに下山

乗鞍岳を正面に見ながらの下山。真っすぐ伸びてる稜線は白谷山からアカンダナ山を経て安房峠。穂高〜西穂高岳から新中尾峠を経て続く主稜線がこれってことでいいのかな?

登りはアイゼンの爪が途中まで刺さる程度の、しまった雪でしたが、下る頃にはかなり柔らかくなっていました。気温はプラス気温で温度計では5度近くありますし、そういえば風もかなり穏やかになってます。

気持ちのいい下山。



霞沢岳が朝よりも黒くなっている気がします。

2016年に開通した上高地トンネル(釜トンネルを出て次のトンネル)の出口が見えてます。

本来なら厳冬期なはずの1月にしては少々雪が少なかったものの、久々に雪山らしい雪山を堪能できました。

いいですね、焼岳南峰。また来たい。

夏山だと木の根や岩、階段など細かな段差で思いの外に下るのがダルい樹林帯の下山路も、雪が付いてしまえば高速道路。足さえ動かしていればサクサクと下りることができます。


14時を過ぎる頃にはもう太陽が山の影に隠れてしまいました。




中の湯温泉旅館で日帰り入浴

一旦、車で着替えてから、中の湯温泉旅館に駐車場料金の支払いと日帰り入浴にやってきました。駐車料金は1000円、日帰り入浴は800円、日帰り入浴を目的に来ることもできるようです(ゲートから電話で確認)。

中の湯温泉旅館、実は初めて入りましたが広いロビーに綺麗な館内。源泉かけ流しの温泉で、露天風呂からは穂高連峰も見えて(下のロビーからの展望とほぼ同じ)、タイミングのせいか貸し切りで入ることができました。お湯も良かったですし、一度ちゃんと宿泊して焼岳登山と組み合わせてみたいかも。

朝よりも路面の雪は減っていましたが、一部解けた雪が凍ってアイスバーン化していました。新しいスタッドレスタイヤはよく効きますが、やはりアイスバーンはそれなりに滑るのでX-MODEでノロノロと下ります。

再び安房峠入り口ゲートを開けて、あとは雪のない国道158号を下るのみ。

余裕の日帰り時間ではありますが、この日は松本駅前のホテルを取っていたのでした。

登山ルートとGPSログ

7時半過ぎのスタートで山頂に11時半、12時半過ぎに下り始めて14時半少し前の下山。登り4時間、山頂1時間を挟んで下り2時間。今回は少し意識的にペースを落として歩いてみましたが、これぐらいの方が却って疲労も少ない気もしました。人のいない山は周りを気にせずマイペースで歩けるのもいいですね。


焼岳南峰 / OKPさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

愛用してたけど、いつの間に使わなくなった山の道具とか…

先日、ハイキング中にちょっと話題になったこと。

登山を初めた頃は愛用していたり、とても便利だと思っていたのにいつの間に使わなくなった道具とか、やらなくなった習慣について。紙地図とコンパスはもういらない、みたいなよく燃えそうな話ではないです。

ハイドレーションボトル

まずはこれ。行動中に水を飲むためのハイドレーションボトル。バックパック内のウォーターボトルから伸ばしたホースで給水するあれ。我が家は私がキャメルバッグ、妻がプラティパスのハイドレーションを使ってました。使い始めた頃はなんて便利なものがあるのだ!と感動していた気がします。

最初の何年かは山に行く際には常に使っていましたが、今では全く使ってません。現行のハイドレーションがどれだけ進化して、飲み口のゴム臭がしないモデルがあったとても、多分もう使わない気がします。

理由は単に面倒くさいから。準備もだし使用後に洗ったり干したりメンテが面倒なのです。基本水しか入れられないし、ザックを開けないと残量が確認できない、継ぎ足す際には取り出す必要がある。氷点下ではホースが凍ってしまうし、そもそも冬は温かい飲み物が飲みたいので使わない。
ペットボトルやナルゲンボトルで好きな飲み物を携行すれば十分だし、補給や中身の移し替えもそちらの方が楽です。でも、こまめな給水の大切さや一度に飲みすぎない習慣を身につけるためには良い道具でした。

コンプレッションタイツ

C3 FitやCW-Xなどのスポーツ用タイツ。血流をどうこうする(?)着圧機能、テーピング的なサポート目的など、タイツによっていくつかの機能がありますが、トレッキングパンツでは下半身が暑くなってしまう夏山登山では、短パン+コンプレッションタイツが基本スタイルでした。愛用していたのはC3 Fitの「エレメントロングタイツ」と、真夏は薄手の「インパクトエアーロングタイツ」。

最近、夏山に全然登ってないので使う機会がなくなったのもありますが、寒くなると使わなくなるし、トレッキングパンツのみだったり、雪山用のゆるい保温タイツを履いたからといって、さほど足の疲労は変わらないなと。テーピングも一時期効果がある気がしてましたが、自分程度の運動量だとさほど関係ない気もします。

家から履いて行くには少々鬱陶しいし、登山口の駐車場で履き替えるのも面倒だ…… とか思っているうちにかれこれ数年履いてません。虫刺されや転んだり引っ掛けた際の怪我のことを考えると、真夏に短パンを履きたくなったら今後も使うかもしれませんけども。

体の正面に吊り下げるカメラバッグ

体の正面にぶら下げるタイプのトップローディング系カメラバッグ。最初は専用のハーネスを使ったり、その後自作でバックパックのショルダーハーネスに吊り下げるようになり、行き着いたのがパーゴワークスの「フォーカス」でした。フォーカスは今も超愛用してますが、バックパックに吊り下げる使い方はしてません。

この携行方法は正面足元の視界が遮られることの他に、バックパックを下ろしたり、上着を羽織ったり脱いだりするたびに、いちいちバッグを着脱が発生するのが面倒です。いつの間にフォーカスは斜めがけのショルダーバッグとして使うようになりました。現行モデルは一度もザックに吊るして使ったことはない。
他にもCAPTUREやb-grip等のカメラホルスターを使うようになったことも理由のひとつですが。

ガスストーブでお湯を沸かしたり山飯作ったり…

昼飯のたびにストーブでお湯を沸かしたり、ちょっとした調理をしたりコーヒーを淹れてみたりとか。
最初のうちは楽しかったのですが、今は面倒なので極力やりたくないです。日帰り登山なら最近はお湯すら沸かしたくない……。

頑張ってカップラーメン(熱々のお湯た食べたい派なので仕方なく沸かす。山専ボトルを使っていてもさらに沸かす)、なんならゼリー飲料とパンやコンビニおにぎりを食べるだけの軽い休憩で十分かなと。

氷点下の雪山だとお湯もすぐに冷めてしまうのでカップラーメンすら微妙ですし、長時間の休憩で下手に体を冷やすぐらいなら、ゼリー等すぐエネルギーになる行動食をこまめに取る感じになって、その流れで夏山でも食事が面倒になってしまった感じ。食事を楽しむのは下山後でいいじゃない……と。

山小屋にお金を落とした方がいいじゃない!?

あとは普段、家で毎日料理していることもあって、わざわざ山やキャンプに行ってまで限られた材料や器具で料理したいとは思わないかも。野外料理全般にモチベーションが低いです。

機能性よりも面倒だから…

ざっと思いついたものをいくつか書いてみましたが、使わなく(やらなく)なった理由のほぼ全てが「面倒くさいから」のようです。機能性については理解しつつも、メンテナンスだったりそれを着用するためにひと手間増えることだったり、とにかく時間が掛かることを徐々に避けるようになったというか……。
どれも使用を否定する訳ではないですし、使ってたことが無意味だったとも思ってませんが、今の自分はそこまで必要と感じてないのかもしれません。

他にもまだありそうな気もしますが、最初は良いと思ったけど徐々に使わなくなったとか(ヘッドライトに被せるランタンシェードとか)、別のアイテムに収束されて中途半端になったとか(ラチェット式のアイゼンとか)、なんとなく合わなくなって同じジャンルの別商品に買い替え(靴下やインナーであるある)みたいのは今回は取り上げていません。

ゲイターのベルトを交換したり、かぎ裂きをリペアシートで補修したり……

先日、立山の浄土山を歩いている際、ゲイター(スパッツ)のベルトが切れてしまいました。


同行者さんが撮ってくれた写真を見るとこの時点ではまだ切れてないみたい(切れたのは左足側)。長さ調整のベルト金具のあたりで切れていたので、岩に引っ掛けたか何かでしょうか……。

ゲイターのベルトは消耗パーツなので、帰宅後に交換品をネットで購入しました。夏山で使うゲイターにはゴム紐を摩耗防止のゴム管で保護したものを使いますが、雪山用は靴とアイゼンの間を通すので薄いゴムや皮のベルトタイプを使うのが一般的です。

元々付いていたゴム製のベルトに近いのは、ISUKAの「スパッツ ネオプレンベルト」っぽいですがこれは1本売り(Amazonの製品写真が2本写っているのでちょっと紛らわしいですね)。せっかくなら予備にあった方がいいかなと、oxtosの「ロングスパッツ交換ベルト」が2本セットで安かったのでポチ。

oxtosのベルト素材は合皮っぽいもの。元々付いていた厚めのゴムベルトよりも薄くペラペラですがまあ問題なさそうです。ラジオペンチでカギフックを開いて古いベルトを外して交換完了。

ところでこのゲイター、雪山に行くようになってからずっと使っているのでかなりボロボロなのです。
長く使ってるせいか買ったときより生地が柔らかくなってて取り回しは良いのですが、そのせいか逆足のアイゼン爪を引っ掛けると破れやすくなってきたというか。敗れる度に補修を繰り返して既にこんな状況。歩き方、下手くそすぎでは……。

そろそろ買い替えてもいい頃なのですが、サイズの確認も面倒ですし(わざわざ靴を借りて試着したりとか)補修できるうちはもう少し使おうかな。

ゲイターを補修しているリペアシートですが、以前finetrackのハードシェルパンツを補修する際にメーカーが送ってくれたものを使っています。ハードシェルパンツはゲイターのお陰もあって特に破くことはないので、完全にゲイター補修キットとなっています。


2年ぶりに11月の立山へ、雪の浄土山と龍王岳を歩いて室堂から赤く染まった立山を眺める

昨年は予定が合わずに行けなかったアルペンルート閉鎖前の立山に行ってきました。

雪が積もったら立山へ行こう

毎年楽しみにしている11月の立山。スキーをする訳ではないのである程度雪が積もってくれればどのタイミングでも良いのですが、今シーズンは比較的早くから降雪はあったもののなかなか安定して積もらない。


11月後半になるなら室堂の宿の営業が終わり(今年は25日泊が最終)、室堂平の仮設野営指定地が使えるようになってからのテント泊が良いなと思ってましたが、18日の週末から20日頃に掛けてまとまった降雪の予報があり、23日の勤労感謝の日の休前日の室堂の宿がまだ予約が取れる状況でした。


24日からは寒波襲来の予報も出ていて、さらなる降雪があれば最終週はバックカントリー勢で賑わいそうですし、久々に宿を取って11月の立山を楽しむことにしました。今回は我々夫婦の他に1人同行者がいるので、室堂のターミナルから近く食事の美味しい「みくりが池温泉」に22日(火)泊の予約を入れました。


天気予報は初日の22日は晴れ、23日(祝)の午後から少しずつ崩れて行くという感じ。
一応、それぞれの日毎の登山計画は立てつつも、初日で満足したら2日目は室堂周辺でダラダラして過ごそうぐらいの緩いプランにしました(結局登山をしたのは22日だけでした)。

休前日の立山黒部アルペンルート

11月22日、朝。長野自動車道を安曇野インターで下りて、大町に向かう際に見えてくる後立山連峰。いつもテンションが上がる車からの眺め。爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳のモルゲンロートが美しい……。

7時過ぎの扇沢無料駐車場。室堂までの道の雪(大町アルペンライン)は完全に除雪されていましたが。駐車場だけは数日前の降雪によりこんな感じ。平日というのにそこそこの車が止まっています。

準備をして扇沢駅へ。相変わらず少々早く行き過ぎですが、車に戻ってもすることがないので適当に時間を潰して、8:10からのチケット発売列に並びます。WEBきっぷはうっかり前日15時までに買うのを忘れました。

この時期の関電トンネル電気バスの始発は8:30。8:15頃でこれぐらいの人が並んでます。平日なので空いてると見るか、休前日なのでそれなりにいると見るか。始発までにもう少し人が増えたと思います。

扇沢〜室堂、往復12,300円。長野側からのアルペンルートはやや久しぶりですが、こんなにしましたっけ!!?? 今季からアルペンルート料金の値上げがあったようですが、春は富山側からの入山だったので気づかなかった。あと、以前11月に来た際は割引きっぷでだったので7,000円代だった気がする……。

黒部ダム、水量が多いでしょうか。山の雪は降雪後にしては思ったよりも少ないかな?

この時期、黒部ダムの観光放水は既に終わっています。……そんな写真を撮っているうちに、脇目も振らずに先を急ぐスキーヤーたちにガンガン抜かれて行きます。ダムの半分ぐらい雪が残って足元もよくない中、スキー、スノボのブーツを履いて板まで持っているのに相変わらずみんなめちゃ速い。1番手で関電バスに乗ったはずが、既に2/3以上に抜かれてしまいました(笑)

ケーブルカーの黒部湖駅に付いたらこんな状況。まさかの1便目に乗れない(笑)

ホテル立山、「空室あり」とここで言われて急遽宿泊を決める人はいるのかな?

ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスと乗り継いで10時少し前に室堂ターミナルに到着。登山届はCOMPASSで提出済み、登山に使わない荷物をコインロッカーに預けます。ホテル立山の「ローストビーフ重」がなくなってしまったのが地味にショック(代わりに牛すき焼き丼が新たに登場しています)。

山岳情報を確認。気温は8時時点で0度なのでプラス気温。積雪は140cm。雪崩への注意はかなり厳重。我々は雪崩エリアに入ることはほぼありませんが、浄土山周辺を通過する際は気をつけて行きます。

積雪期の立山(4月、5月、11月)は決められた様式での登山届提出、雪崩ビーコン携帯などの入山ルールがあります。事前によく確認しておきましょう。
入山ルール | 立山室堂 山岳スキー情報

雪の立山登山、アイゼンを履いて一ノ越へ

4月以来半年ぶりの立山。今年もグリーンシーズンに行きそびれ、紅葉時期も来ることができませんでした。


お天気は見事に快晴。前日も快晴、降雪から2日経っているので山には黒い部分が目立ちます。

この日の予定は浄土山と龍王岳の登山ですが、室堂山側の浄土山登山口からは深い新雪の急登ラッセルになっている可能性が高いので(実際そうだったみたい)緩やかに登って行ける一ノ越側からの時計回りの計画です。

アイゼンを履いてスタート。前日も晴れていたからかトレースはばっちりですね。


立山室堂山荘、こちらも一度泊まってみたいけどなかなか機会が……。

真砂岳方面はハイマツ帯の緑色もまだ少し目立ちます。やはり降雪から数日後にしては雪が少ないかな。

日陰に入ると少しだけ寒い。でも気温はプラスで風も殆どない登山日和。


雄山直下に登山道のすぐ手前まで届く巨大な雪崩の跡。前日の午後に滑走による誘発で発生したそうですが、幸いなことにけが人等は出なかったようです。

一ノ越へ登って行く登山コースにからもかなり近いところまで来ています。

それにしても暑い。ということでスタートからハードシェルは脱いでフリースで登ってます。


今回は雄山には登りません。

これから登る浄土山と左奥に見えているのが龍王岳。


一ノ越から浄土山へ

ひとまずお昼前に一ノ越に到着。少し風が出てきたのでハードシェルを着ます。



一の越山荘から浄土山方面。山荘脇の登山道に雪が吹き付けて嫌な角度でガチガチに凍っています。

アイゼンを効かせれば問題なく行けたのですが、妻たちには念のため山荘側を回って貰いました。


浄土山の北側稜線は比較的緩やかな登りで雪も風で飛ばされているのか殆どありません。

右手に室堂平や日本海を眺めながらの気持ちのいい登りです。浄土山の反対側は距離は短いのですが、雪の深い急登を登ることになります。久々なのでそれでも良かったのですが、妻が嫌だと言うので(笑)

シュカブラ。稜線に雪が少ないのはやはり風で飛ばされているのでしょう。

浄土山も結構登ってる人がいますね。

一部吹き溜まりになった箇所もあるものの、全体的には薄い雪と石のミックス。

この見えてる斜面を登り切ればもう浄土山の南峰です。雄山より登る人も少ないですし、一ノ越側からは登りも緩やかで、さらに山頂(龍王岳)からの展望も抜群なので、個人的には雄山よりもこちらの方が好き。あと季節によりますがライチョウ遭遇率が高いのも浄土山の好きなところ。

日本海(富山湾)と陸地も見えてます。魚津のあたりでしょうか?

スノーボードの人が空身で滑っては登り返して楽しんでいます。滑れたら楽しいのだろうけど、未圧雪の山を滑れる自信はないですし、練習してまで……というモチベーションも今のところはありません。

浄土山の南峰に到着。

同行者の方が少し疲れてしまったようなので、富山大学立山研究所の裏で風を避けつつ休憩にします。ゼリーやパンを食べたり温かいお湯を飲みつつ、眼の前にある龍王岳に登れそうかの確認など。



相変わらず360度パノラマが素晴らしい龍王岳

せっかくなので人が下りてくるタイミングを狙って出発します。いざ。

ほぼ空身なのでサクサクと。振り返ると富山の街や白山も見えてます。

春以来の龍王岳。相変わらずここは展望が抜群。

剱岳から立山、そしてこの日登ってきた一ノ越からの稜線が続いています。

ここまで登ると富士山も見えます。両側には八ヶ岳と南アルプス。

雪の五色ヶ原、北アルプスの山がいろいろ見えます(雑)

針ノ木岳の向こうに浅間山と月。

富山湾方面になんだか橋が見えるなぁ…… と望遠レンズ(LUMIX G VARIO 45-150mm)を付けていたGF10でズームしてみたら、やはり新湊大橋と富山新港でした。

こちらは恐らく富山市の駅周辺。この日は街からも立山がよく見えていることでしょう。

せっかくなので300mm相当の最大望遠で槍ヶ岳と穂高連峰。

剱岳。

雄山の山頂はまだ人が多いですね。

龍王岳、相変わらず長居しがちで気がついたらもう14時半を過ぎていました。

そろそろ下りますか。


浄土山北峰から室堂へ

帰りは浄土山の北峰へと歩いて。


影自撮り。

シュカブラ。

浄土山北峰。下山路は石積み(軍人霊碑)の手前あたりから左手に下りて行きます。

夏道の目印。積雪期は比較的どこからでも登れて(下りれて)しまう浄土山ですが、夏道を外れ過ぎて室堂側にまっすぐ下りてしまうと急登の岩場に入ってしまうので、トラバース気味に斜めに下ります。


ガレ場を抜けたら、今度は浄土山登山口に向けてトラバース気味に下って行きます。夏道を知っていると分かりやすいですが、といっても下りるべき場所は常に見えているので特に迷う場所ではありません。

あとはまっすぐ下るのみ。


室堂ターミナルまで下りてきました。アイゼンを外して荷物を回収して……


立山が真っ赤に染まったアーベントロート

16:20頃から始まる立山アーベントロートを眺めつつ、みくりが池温泉に向かいます。

みくりが池はほぼ凍ってしまいました。

みくりが池温泉が見えました。うーん、いい焼け具合。

奥大日岳が赤く染まってます。

そして立山。これまで夕日を受けた雪山が薄ピンクに染まるのは何度か見てますが、ここまで鮮やかに赤く染まったのは始めて見たかも。先程登ってきた浄土山の西面もいい色です。

みくりが池温泉の手前、階段が完全に埋まってステップがほぼ切られてない難所になっていました(笑)

到着しました。思いの外に時間いっぱい遊んでしまいました(チェックインが遅れる旨は連絡ずみ)。

今回はここまで。みくりが池温泉の宿泊やお楽しみの食事、夜の星空、翌日室堂散歩やライチョウ観察の様子については次回にします(書きました)。

サロモン XA PRO 3D V9 GORE-TEXを購入、同V8のソール減るの早すぎでは…!?

サロモン(SALOMON)の「XA PRO 3D V9 GORE-TEX」を買いました。

サロモンの「XA PRO 3D」シリーズは以前から愛用しているローカートのトレッキングシューズです。「クイックレース」という簡単に緩められる靴紐がとても便利で、以前にブログでも紹介しています。

メーカーではトレイルランニングシューズのカテゴリになってますが、ハイキングや軽い荷物の登山はもちろん、雨の日、雪の日、緑地や河川の散歩など不整地を歩く際にはこれを履いておけば安心。脱ぎ履きがしやすいので、日常の買物や散歩など外出全般、旅行にも欠かせません。

同じXA PRO 3Dシリーズで買い替えをしていて、今回で4足目になります。普段用のスニーカー的に使うことが多いので、最近はずっと黒を選んでいます。一見すると見分けが付かないかも……?

前回第8世代のモデル(XA PRO 3D V8)を購入したのが昨年の6月。その前に履いていたモデルが2年ほどでソールがすり減ってしまったのですが、トレイルで履くのは諦めたものの昨年いっぱいぐらいは旧モデルを履き倒して、V8に履き替えたのは今年の1月からだと思います。

V8は以前のモデルとややフィット感が変化していて、試し履きでは少しキツいようにも感じたのですが、その変化が思いの外合っていたようで、一転「これは名作では!?」と今までで一番お気に入りのモデルに。

これは予備があってもいいなと「次、セールになったら買っておこう」と思っていたら、あれよあれよという間に市場から消えてしまい、今年の夏には第9世代の「XA PRO 3D V9」に切り替わってしまいました。
うーん、判断が遅かった……。
サロモンのトレイルランニングの伝統が詰まった始まりのモデル。誕生から20年を経て、第9世代の「XA PRO 3D」が新たに登場。|アメアスポーツジャパン株式会社のプレスリリース

V8モデルはそれなりに大切に履いていたつもりですが、やはり何かと便利なので重宝してしまい、どんどんソールが減って行きました。全体的に減ってますが、今回も小指球から母指球に掛けてが特に減ってます。
まさか10ヶ月でここまでソールが減ってしまうなんて……。

9月の大山に行く前に確認した際はまだ行けるかなって感じでしたが、蔵王、西沢渓谷、牛ノ寝通り…… と緩めのハイキングで毎回履いているうちに、下りでのグリップが徐々に落ちてきているのを感じ、そろそろ山では使うのを控えて新しい靴を用意しておくことにしました。

既にV8モデルは市場になく、新しいV9モデルはなんと定価で3300円の値上がり!
XA PRO 3D v8 GORE-TEX – サロモン公式オンラインストア
XA PRO 3D V9 GORE-TEX – サロモン公式オンラインストア

以前は、セール時なら1万円程度で買えたシリーズですが(2足前は1.05万円、V8で1.36万円で買ってる)最近はセール対象になることも減り、定価販売だと感覚的には倍近くになったようにすら感じます。

非GORE-TEXのモデルなら3300円安くなるのですが(といってもV8のGORE-TEXと同じ)、ラン用途ではありませんし、雨の日にもよく使う自分の用途だとやはり防水は必要です。

少し前から定期的にネットショップ系をチェックして、取り寄せ表示で1サイズのみ1点限りで割引価格になっている店舗を見つけたのでダメ元で注文してみたところ(アレならプラットホームに返金して貰えばいいだろうと)、数日後に無事に届きました。疑って申し訳なかった……。

デザインはV8に比較的近いですが、目立たなくなっていたSALOMONロゴがまた少し目立つようになりました。

内側のモデル名はこの程度の変化。

正面から見るとほとんど差が分からないかも(左がV9)。

V9(右)はタン部分にクイックレースが固定されていて、タンが靴の中に落ちにくくなっています。

ソールパターンは似てるけど少し変化しています。V8を履いていて滑ると感じたことはなかったので、良いソールだったとは思うのですが、10ヶ月程度でここまで減ってしまったのは驚きました。その前はもっと履いていたつもりですが、2年で同じぐらいの減り方だったんですよね……。
不整地よりもアスファルトの方がソールが削れやすいとは思うものの、ちょっと早すぎに感じます。

もしかしたらV8のソールはグリップを重視するあまり、素材が柔らかすぎたのでは?とも。V9のアウトソールは素材が変わり、耐久性もアップしてるとのことなので、それには期待したいところです。
肝心の履き心地ですが、V9はV8に近いフィット感で自宅での試し履きでは違和感ありませんでした。

V8はもう山歩きからは引退させますが、まだ1年履いてないので日常履きとしてはもう少し頑張ってもらう予定。紅葉ハイクは満足しましたし、もうすぐ雪山が始まるのでV9のデビューはしばらく温存できるはず!?

ちなみにここ最近、撮影や緑地の散策に出掛ける際は、捨て忘れていたレベルのモンベルのハイキングシューズを徹底的に使い倒すようにしていて、V8モデルを延命していました(笑) V9の在庫ができたので、安心してV8とモンベルの2足をギリギリまで履きつぶして行くことにします!?

秋の牛ノ寝通り、どこまでも続く鮮やかな紅葉トレイルを歩く

文化の日の11月3日、奥多摩(奥秩父山塊)の牛ノ寝通りを歩いてきました。快晴の空と静かな山の中、色鮮やかな紅葉の中をゆるゆると歩くことができる素晴らしいルートでした。

秋の「牛の寝通り」を歩いてみたい

「牛ノ寝通り」は奥秩父山塊の大菩薩嶺(山梨県にある標高2057mの日本百名山のひとつ)から東に伸びる尾根のひとつ。榧ノ尾山から狩場山にかけての尾根を「牛ノ寝」、その前後を含めて「牛ノ寝通り」と呼ばれているようです。名前の通り、寝転がった牛の背中のような緩やか尾根道の登山道です。

この牛ノ寝通りの紅葉(10月後半〜)が良いらしいと知ったのは数年前のこと。確かこちらのブログの山行記録を見たのが最初だと思います。それから毎年この時期になると気になっていたもののなかなかタイミングが合わず、ようやく行くことができました。

前週に同じ奥秩父山塊の西沢渓谷に行って、牛ノ寝通りぐらいの標高(1300m〜1500m)の紅葉がいい感じだったのを見ていたこともあり、我が家にしては珍しく2週続けての公共交通山行を決めました。

朝の公共交通の混雑が凄かった……

前週乗ったのは高尾駅始発、7:06の中央本線でした。車内は全員座れる程度には空いていたものの、大菩薩方面の玄関口である甲斐大和駅でかなり大勢の登山客が下りるのを見ています。同じ電車だと甲斐大和駅の到着は8:03なので、8:10の上日川峠(大菩薩)行き始発バスに乗るにはややギリギリの時間かも……。

紅葉シーズンだし1本前の電車に乗っておくかと、6:35八王子駅始発の中央本線(松本行き)を目指して家を出ました…… が、この判断すら甘かった!? 八王子駅に到着すると、すでにホームには登山客の行列ができていました。なんだか先週と全く雰囲気が違うかも。

なんとか座席には座れたものの、始発電車なのにまるで通勤電車のような混み具合。松本行きだからなのか?三連休だからなのか?その合せ技か? 甲斐大和駅ではそこそこの乗客が降りましたが、電車の中はまだ混み合ったまま。そして甲斐大和駅のホームは、降りた乗客で埋め尽くされていました。

階段に近い車両に乗っていたので、すぐに改札を出ると以前のバス停とは反対側(公衆トイレがある側、改札出て右)に栄和交通スタッフによる誘導があり、すでに臨時バスが待ち構えていました。
そのまま臨時便のバスに乗り込んで、本来のバス始発よりも25分早い7:45の出発。駅前にはまだまだ大勢の登山客が並んでいますが、紅葉シーズンはこうやって始発を前倒しして対応しているのですね。

甲斐大和駅を出発したバスが山道を上がって行くと、奥日川渓谷の紅葉がいい感じです。やはり紅葉はすでに標高1500m以下とかなり標高を下げているようです。

上日川ダム(大菩薩湖)を過ぎて、「木屋平(石丸峠入口)」バス停で下車(970円)。乗客の大半は終点の上日川峠までですが、木屋平で下りる乗客も1〜2割ほど。ただし全員が牛ノ寝通りに行く訳ではありません。

登るのは最初だけ、木屋平から石丸峠まで

元々、9時頃のスタートを予定していましたが、なんと8時半には木屋平から歩き始めることができました。最初の1時間弱は石丸峠まで登り道。途中林道に出て少し歩いてからは、南側に富士山や大菩薩湖が見えるようになり、ササ原とカラマツの紅葉などお馴染みの大菩薩的景観を楽しめます。

素晴らしい秋晴れの登山日和です。登るのはもうすぐ終わってしまうのですが……。正面の山は小金沢山。

大菩薩湖(上日川ダム)に富士山。カラマツの紅葉が美しいですね。


石丸峠の先は富士山は小金沢山に隠れてしまうので、この風景を楽しむなら今のうち。

石丸峠。標高1933m、本日の最高地点です。


月が沈んで行く熊沢山の向こうが大菩薩峠です。初めて大菩薩峠〜大菩薩嶺を訪れたのもこのコースでした。


この後、すぐに見えなくなってしまう南アルプスも見ておきましょう。

仙丈ヶ岳から甲斐駒ヶ岳、手前には鳳凰三山なども。南アルプスは雪はまだあまり見られないようです。この先は富士山も南アルプスも見えなくなります。

見晴らしのいい景色はここまで。この先はひたすら樹林帯の中になります。

牛ノ寝通りへ向けて尾根を下る

石丸峠からすぐ、牛ノ寝通りの分岐があります。尾根を少し脇に降りるような道になっています。

この先はひたすら下り道になります。小ピークの登り返しは多少ありますが、本当に多少のレベル。ほぼ下りか平坦のトレイルです。

ちょっと分かりにくいですが枯れ木の奥、右奥に伸びているのが牛ノ寝通り。まだまだかなり標高を下げることになりそうです。ご覧の通り歩いてる1900m台はすっかり葉が落ちていて紅葉は見られません。

しばらくは標高を下げながら歩いて行くと、まずは尾根の左手(南側)から紅葉が現れます。

尾根の反対側は既に終わってますが、谷を挟んだ向こうの尾根の紅葉も見事。あちらは「小菅大菩薩道」「丹波大菩薩道」など、やはり大菩薩嶺の東に伸びる尾根が分かれた登山道。向こうも歩いてみたいですね。

そういうしてるうちにこちらの尾根の周囲がどんどん鮮やかになっていきます。標高1400〜1300m台の緩やかな尾根、「牛ノ寝通り」に入りました。




この区間は赤やオレンジなど特に鮮やかな色の紅葉が多いエリア。見上げても尾根の下も紅葉だらけ。

進行方向にもこんな光景が続いています。


スマホで撮っていた牛ノ寝通りの動画。ひたすらこんな雰囲気です。

www.youtube.com

何度も上を見上げてしまう。

榧ノ尾山。山といっても登り返した記憶がないレベル。

山頂周辺は少しだけ開けています。

少々お腹が減ってきたので、おにぎりを1個食べる休憩。この休憩中に数組の登山者が抜いて行きましたが、この日はこんな感じで紅葉歩きをしてる最中は他の登山者に合うこともなく、休憩ポイントで抜いたり抜かれたりでいい感じに静かな山の中を歩くことができました(自分の熊鈴がうるさいぐらいで)。


まだまだ続く牛ノ寝通りの紅葉

さて、榧ノ尾山から先はますます紅葉の密度が高くなって行きます。

重なった紅葉が織りなすグラデーション。


巨大な木が途中で折れて登山道を塞いでいたのを、チェーンソーで一部カットして整備したのかな。折れた木の下はまだ行きていて、紅葉を見せてくれています。

ため息ものの黄葉トレイルはまだまだ続く。



噂に違わぬというか想像以上の紅葉です。かれこれ1時間以上こんな光景が続いています。



標高によって微妙に植生が変化していくのか赤やオレンジから、徐々に黄色系の黄葉が増えて来ました。



ここが「牛ノ寝」か。


黄色い黄葉が増えたことで上から差す光もさらに明るくなったように感じられます。

もちろんオレンジもまだまだありますけども。

もはや写真を見ただけでは進行方向なのか振り返ってるのかすら分からない平坦っぷり。

赤と黄色が混ざったモミジ。

狩場。そろそろ紅葉が落ち着いたかな…… と思うとすぐにまた次の紅葉がやってきます。




再び少し開けた場所に出ると「棚倉小屋跡(大ダワ)」。この先は「大マテイ山」。

12時と丁度いい時間なのでお昼にします。カップラーメンのミニと残りのおにぎり1個で簡単に。

この時間も数組の登山者が抜いて行きましたが、同じタイミングに集中することなく、いい間隔で山の中を独り占めできている感じ。緩やかなトレイルなので、歩行ペースの差がしっかり表れるのでしょうかね。

大マテイ山、まだまだ続く紅葉

それではこの日最後のピーク、大マテイ山に向かいます。

棚倉小屋跡から直接小菅の湯に下る道もあります。紅葉に見とれすぎて時間が掛かってしまった場合は、大マテイ山をスルーして降りればコースタイムで40分ほど短縮できるようです。

時間があるなら大マテイ山もかなりいい感じ。標高差も50m程度ですし、牛の寝の紅葉ともまた少し違った紅葉が楽しめます。登山道は登山アプリによって表示がまちまちで(2本の巻き道の間に山頂がある感じ)落ち葉も多く踏み跡もあまり明確ではありませんが、稜線の真ん中付近を上がっていけば山頂です。




大マテイ山の山頂。展望はありませんがベンチもあって休憩にいい感じの広場になってます。

大マテイ山からの下山路は鶴寝山方面にしばらく進んでから、折り返すように小菅の湯方面に下るようです。ヤマレコ地図を見ると、山頂から直接沢地形を下り小菅の湯に向かってショートカットするログもありますが、素直に登山道を行った方が紅葉は楽しめる気がします。

というか大マテイ山の紅葉もよくないですか?


昼を過ぎて徐々に日が傾いてきたせいなのか、光線が優しくなってきました。

ここで左手側に折り返すように小菅の湯に下り始めます。まだまだ紅葉がキレイな尾根を進めばバス停のある鶴峠に出られますが、この時期の休日は始発からでないと座れないかも(後述)。



下山路も終わらない紅葉

大マテイ山の北東側に下り始めてからも、まだまだ紅葉は終わりません。



ランドマークになってるトチノキの巨樹。かなり見事な巨木です。

登山道が紅葉の境目になっていました。だいたい標高1200mあたり。

かと思ったら再びこの通り。


牛ノ寝通りが終わってもまだまだ紅葉の見どころ満載なコースなのでした。結局、石丸峠から下って牛ノ寝通りの紅葉ゾーンに入ってから、3時間近くひたすら紅葉の中を歩いています。

前週に西沢渓谷の紅葉を堪能した蓄積もありますが、紅葉でここまで満腹になれたのは久しぶり。


棚倉小屋跡から下りてくる登山道と合流するあたりで、ようやく植林の針葉樹林になります。


山沢川とわさび田が見えてくると、今度は落ち着いた沢沿いの静かな紅葉。



最後は舗装された林道をしばらく歩きます。



小菅の湯で温泉に入ってビールと山女魚の塩焼き

14時過ぎ、小菅の湯に到着しました。奥多摩湖周辺では有名なスポットですが実は初めて来ました。
朝のスタートが少し早まったこともあり、ゆっくり紅葉を楽しんだ割には余裕のある時間に下りてこられました。

小菅の湯からのバスは、西東京バスの奥多摩駅行きが15:25と17:32、富士急バスの大月行きが14:41、上野原行きが15:00と15:48にあります(休日ダイヤ)。15:48のバスなら1時間半以上の余裕がありますし、奥多摩駅より中央本線の上野原駅の方が帰りがスムーズそうなので、富士急バス狙いにします。

フルーツ牛乳で下山直後のカロリー&水分を補給してから温泉へ。登山客の入浴はごく一部のようで特に混雑もなく、高アルカリ性の温泉でゆっくり体を休めます。

まだまだ時間に余裕はあるので食事処でビール休憩にします。公共交通はこれができるのが嬉しい! 飲食なら小菅の湯に隣接して「道の駅こすげ」もありますが、こちらの食事処もかなり充実しています。

公共交通なので気兼ねなく風呂上がりの生ビール!

川エビの唐揚げ。

そして焼き上がるまで15〜20分かかる「山女魚の塩焼き(700円)」を注文。身はふっくら、塩加減も絶妙で頭からガブリと行けます。


やはり混雑する公共交通

……と少々のんびりしていたら、あっという間に15時半過ぎ。外に出てみるといつの間にバス行列が長く伸びていました。食事処の窓から見た際は(角度のせいもあり)そんな人がいるように見えなかった……。

小菅の湯でのんびりしていた間にも下山してきた登山者が結構いたみたい。やってきた富士急バスは普通サイズのバスで、なんとかギリギリ座ることができましたが(妻とはバラバラの相席で)、並ぶのがあと数分遅かったら、上野原駅まで1時間半近くの山道を立ったまま揺られるところでした。

途中のバス停でも次々に登山者が乗ってきたようで、上野原に付く頃にはかなり混み合っていました。ウトウトしながら座っていましたが、山道でかなり振られるので座っていても少々疲れてしまった……。

上野原駅に付いたのは既に日没を過ぎた17時過ぎ。14時過ぎに下山していたはずが、もう3時間が過ぎていました。上野原は相模川上流部(桂川)で釣りをしたり、車でも渋滞回避でインターを下りたりしたことはありますが、駅に来たのは初めて。ホームとロータリーに高低差があるのでエレベーターが設置されています。

やってきた上り中央本線は、予想通りにそこそこの乗車率でしたが、高尾駅までは3駅です。

高尾駅からは中央線の車両も増えますし、京王線に乗り換える人もいるので、さすがに座れます。京王線でも帰れるのですが(先週はそうしました)、この日は谷保天満宮のおかがら火があったのでそのまま中央線で立川へ。立川駅構内の崎陽軒で夕飯のお弁当を買って、谷保に向かいました。


山の紅葉をたっぷり楽しんだ後の「おべんとう秋」。谷保天満宮でだんご汁の振る舞いを食べていたので、少し小さめのお弁当が丁度良かったです。

念願だった牛ノ寝通り。期待以上の素晴らしい紅葉を満喫しました。ずっと下り道でほとんど登った記憶がないので、こんなに楽して紅葉を楽しんでいいのだろうか?と(小菅の湯側から歩けば普通の登山になります)。

行き帰りの公共交通の混雑には少々驚きましたが、紅葉シーズン、快晴の連休初日ともなれば仕方ないことか。マイカーアクセスでは難しい片道コースですし、紅葉時期の週末は車でも中央道の渋滞が待っています。
山の中は静かに歩けたので十分に満足しています。

秋の西沢渓谷ハイキングで見頃になった紅葉を満喫した週末

10月29日、久しぶりに山梨県の西沢渓谷に紅葉狩りハイキングに行ってきました。

西沢渓谷へ紅葉狩りに行こう

西沢渓谷」は山梨県山梨市を流れる富士川水系笛吹川の上流部にある渓谷で、美しい渓相や様々な滝を手軽に楽しむことができるように渓流沿いにハイキングコースが整備された人気の景勝地です。私もこれまで何度か行ったことがありますが、紅葉の時期に訪れるのは2015年の10月以来、8年ぶりとなります。

2015年秋の西沢渓谷。今見ると写真がとてもビビッド……(笑)

今回はいつものマイカーでなく公共交通を使っての移動。朝、9時半に西沢渓谷入口のバス停に到着してから、5時間近く掛けてのんびり西沢渓谷を周回しました。紅葉時期の週末でしたが、登山道が渋滞するほどの混雑もなく、見頃を迎えた渓谷と周囲の山々の紅葉を堪能することができました。

ちなみに現在、西沢渓谷のラスボス的な渓谷最奥の「七ツ釜五段の滝」は、コース(滝見橋仮設歩道)の崩落により近くで見ることはできなくなっています。七ツ釜五段の滝を楽しみにしている方はご注意ください。

現在行われている滝見橋本橋の復旧工事期間は、来年2024年の6月頃までとのことですが(現地の工事看板より)、最新の通行規制については山梨市のサイトなどでご確認ください。
西沢渓谷通行規制のお知らせ(令和4年5月6日更新)|山梨市観光協会
【観光情報】西沢渓谷通行規制について(一部通行止め解除) - 山梨県山梨市オフィシャルサイト『誇れる日本を、ここ山梨市から。』


電車とバスで西沢渓谷へ

高尾駅で中央本線に乗り換えて塩山駅まで1時間ちょっと。休日の中央本線のハイカー需要がどの程度か分からなかったので、高尾駅の接続に丁度よりも少し早くなるように行きましたが、出発間際で座席は7〜8割ぐらいでした。ギリギリの接続だとグループは分かれてしまうことがあるのかも。

塩山駅のバスターミナルは南口(北口には栄和交通のバス停があるようですが、西沢渓谷入口や大菩薩峠登山口に行く山梨交通のバス停があるのは南口です)。1番の乗り場に並んで、乾徳山登山口経由の西沢渓谷入口バスに乗り込みます。そこそこの乗客が並んでいましたが、2台目の増発があり無事に座ることができました。

塩山駅から西沢渓谷入口までは1時間、座れないと結構辛そうなので駅を下りたらひとまずバス停に急ぐのが良さそう(この日は全員座れたようです)。トイレは駅の南口側にあるので、並んだ後で行くことができます(又は西沢渓谷にもあります)。山梨交通のバスはパスモ対応で、西沢渓谷入口まで1220円でした。

バスの中から見える広瀬湖周辺の紅葉もいい感じ。甲武信ヶ岳方面に掛かってる雲がやや笠っぽいでしょうか……? 渓谷のハイキングなので風の影響はありませんが、気温はそこそこ低いかもしれません。

西沢渓谷入口に到着。既に周辺の紅葉がかなり鮮やか! お天気はやや雲のある晴れ。徐々に雲は増えていったようですが、基本渓流沿いを歩いているので、そこまで青空には拘りません。

西沢渓谷にかけての舗装路もこの紅葉&黄葉。直前の情報では少し早いかもと聞いていましたが、前日から寒気が入ったこともあってなのか、良い感じに紅葉が進んでくれたのかも?

笛吹川を挟んだ山はこの通り色づいています。


グループで西沢渓谷を紅葉狩りハイキング

周回コースの起点となるナレイ沢広場。西沢渓谷に入る前のトイレはここで済ませておきましょう。西沢渓谷の周回コースはスムーズに歩いて3時間程度、昼食を挟んだり紅葉狩りでのんびり歩く場合は4〜5時間ぐらいみてもいいかもしれません。トイレはコースの折返し地点にもあります。

来るたびに見ている使われなくなった吊り橋。さらに崩壊が進んでいます……。

この日は珍しく4人でのグループハイキング。実はこの週末に計画していたアルプス方面の登山計画が、天候により中止になりそうなことをツイッターでボヤいていたところ、ricoさんから予報の安定していた山梨方面のハイキングに声を掛けて貰ったのでした。お陰で素晴らしいタイミングの紅葉が楽しめました。感謝します!

明るい日差しの中を歩きます。西沢渓谷といえばいつももっと早い時間のスタートで、まだ日陰も多くコントラストの強い光線ばかりだったので、10時過ぎてのすっかり昇った太陽光の中を歩くのは始めて。

そうか…… 朝早ければいいってものでもないんですね。

二俣吊り橋。ここからの紅葉も見事でした。

ここで二俣に分かれる笛吹川の西側の支流が西沢渓谷(写真右下方面)です。この二俣吊り橋で越えるのは東沢で笛吹川の本流側。ハイキングコースではありませんが、東沢渓谷も当然あります。

特徴的な鶏冠山。


「西沢渓谷」滝と渓流、紅葉のグラデーションが美しい渓流沿い

いざ、西沢渓谷へ。カエデでしょうか、真っ赤な紅葉が目立っています。

「大久保の滝」、これは西沢右岸にある支流の滝で、すぐに西沢に合流します。

整備された階段と遊歩道。

「三重の滝」です。長秒っぽい写真は基本OM-1のライブNDを使ってます。

この滝直下の細長い淵が面白い。どんな水の力が働くとこんな形に削れるのでしょう……。

渓谷の右岸側を上流に向かってハイキングコース(登山道)が整備されています。三重の滝から先は写真のような場所が増えるので、できればトレッキングシューズが欲しいです。

周囲の山の紅葉はかなり進んでいましたが、渓谷内は丁度紅葉が下りてきたところなのか、鮮やかなオレンジや赤をアクセントに、黄色と緑色のグラデーションが見られてとても美しい。

「竜神の滝」。

「恋糸の滝」

前を見るばかりでなく、たまに後ろを振り返ると……

「貞泉の滝」

同じ沢沿いでもまだ緑が濃い場所もあれば、一気に紅葉が進んだ場所もあります。

倒木でなぎ倒されたのでしょうか……。

「母胎淵」。


ランチ休憩〜少ししか見えない七ツ釜五段の滝

渓谷の折り返し地点まで行くと結構休憩している人が多そうな気がするので、ここでランチタイムにします。川沿いを流れる風は少々冷たいですが、温かいカップラーメンが美味しく感じられることでしょう。

ちなみにこの日は朝から長袖ベースレイヤーにソフトシェルを羽織った状態。同行者もそれぞれ薄いシェルやフリースなどを着たままの行動で丁度良かったようです(登山要素はないのでほとんど汗はかきません)。

渓谷もいい雰囲気だけど……

山を見上げるとこの紅葉。

緩いアップダウンはあるものの、ゆるハイキングでのこの景色が眺められてしまうのが素晴らしい。

本来は「方杖橋」で渓流の対岸に渡り、右岸沿いの道で「七ツ釜五段の滝」の展望ポイントに向かうのですが、この先の歩道が崩落により通行止めとなっています。

何か足場を作って工事をしているのが見えます……。

これがかろうじて見えている七ツ釜五段の滝の一番下の段。残念ながらここから滝の全体像は見られません。

前回、8年前に来た際の七ツ釜五段の滝の様子です。また次回のお楽しみということで。

方杖橋を渡るとその先で通行止めとなり、ハシゴで直登する迂回路に誘導されます。

急斜面をジグザグに登って行く迂回路。この迂回路が作られるまでは、三重の滝から先が閉鎖されていた時期もあったようです。この迂回路の整備もかなり大変だったことでしょう。

迂回路から折返し地点から橋数個下の旧森林軌道(トロッコ軌道跡)に出ます。そのまま戻れますが、せっかくなので本来の折り返し地点まで行きます(景色的にも行った方がオススメです)。

橋を渡る工事車両とすれ違いました。

「五つ淵・42号橋」から七ツ釜五段の滝が見えました。

現在、七ツ釜五段の滝が一番よく見えるのがここでした。望遠レンズで撮ってみるのもいいかも?

この一段目と2段目の滝でしょうか(写真は前回のもの)。

滝見橋の復旧工事、来年5月頃の完成を目指していいるようです。

現場。かなり大掛かりな足場が組まれています。

そしてここからの紅葉がまた見事だったりします。

折返し地点の「黒金山登山道入口」。やはりここでランチにしている人が多い。

トイレも設置されていてありがたい。一応、このコースの最高標高です。


戻りの旧森林軌道の紅葉も素晴らしい!

ここからは歩きやすい旧森林軌道をゆるゆるを下りながらの紅葉散歩です。渓谷の中よりも明るくなり周辺の山の紅葉もよく見えるので、この時期は行きと帰りで二度おいしい西沢渓谷。

見事な紅葉のグラデーション!

手前側の紅葉も良いし、向こうに見える山の紅葉もすごい!

大展望台から見える甲武信主脈山塊。鶏冠山と木賊山。

にしざわけいこくたのしいな。わかる。

先ほどから旧森林軌道と読んでるこの道は、かつてのトロッコ軌道跡。

スタンドバイミー(古い)。

行きに渡った二俣吊り橋と砂防ダムが見えました。やっぱり周囲の紅葉が素晴らしい! 午後になり太陽光はかなり西日になっていますね。

先ほどすれ違った重機でしょうか。ここで車に乗り換えているのか。並んだ姿がかわいい。

「ネトリ大橋」、戻ってきました。

例の崩壊吊り橋。一部足場?が残っているのが確認できます。

既に太陽は山の影に入ってますが、柔らかい光線で見る紅葉もいいものです。

紅葉シーズンの週末にしてはそこまで混雑もなく、のんびりとハイキングを楽しむことができました。

朝、塩山駅から乗ってきた山梨交通バスの他に、山梨市駅に行く山梨市営バスもあります。時間的に山梨市営バスが丁度良かったのでこちらで。山梨交通バスはパスモ対応でしたが、山梨市営バスは現金のみ。

ただし山梨市駅まで乗って運賃900円と山梨交通バスより結構お安いです。

今日見られなかった七ツ釜五段の滝も最後に見られましたね!?


山梨市駅前の「お食事処 歩成 本店」の下山めしも大満足

立派な山梨市駅。新しめの橋上駅舎でもこのデザインはあまり見た記憶がありません。

下山めしとしてやってきたのが山梨市駅駅前の「お食事処 歩成 本店」。Google Mapで調べていて過去の訪問歴があるもののすぐに思い出せなかったのですが、以前冬の雁坂小屋に泊まった際の帰りに来たことがある店でした。車で来たこともあり、こんな駅前の店だということすら気付いていませんでした。


「歩成」は山梨県内の数店舗ある「ほうとう」専門店ですが、こちらの本店はかなり居酒屋系のメニューも充実しています。以前来た際は馬刺しなども食べたようです。

山の帰りに美味しいビールを飲める幸せよ。料理も何を頼んでも美味しく、久々に山が好きな人たちとの会話も盛り上がりとても楽しいひとときとなりました。

お通しのポテトサラダは刻んだチョリソーが入っていて、肉の味とちょいピリ辛がビールに合う。普通にこのポテトサラダを単品で注文したいと思える味。

「あん肝」。

メニューの超人気コーナーから「ホルモン焼き」。炭火焼きでしょうか、香ばしくて美味しい。これとご飯があれば最高の定食!?

富士桜ポークみそ漬けステーキ。良い豚は脂がうまい。4人では瞬殺で、即もう1皿追加!

手作り餃子、ニラとニンニクがめちゃ効いていてうまい!

もやし炒め。なんかもううまい(雑)

ほうとう。専門店なのでもちろんうまい。満足して(実際満腹だと思った)これで〆ましたが、帰宅してから「ほうとう、追加しても良かったかも…… もう食べたい」とか思ってしまった(笑)

以前来た際も下山めしを堪能したはずですが、やはり気兼ねなくビールが飲めるのは素晴らしい。公共交通移動は朝の乗り継ぎやバス行列など気をもむこともありますが、これができるのは何にも代えがたいですね。

登山要素のないハイキングでしたが、今年の紅葉はこれで満足かも!?と思えてしまうぐらいの充実した1日となりました。最近何かと出掛けることに億劫になりがちでしたが、機会を作って貰えて良かったです。



西沢渓谷ハイキング / OKPさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

車で一気に山頂へ、秋の蔵王山を歩いて少し早い紅葉とエメラルドグリーンの御釜を見る

今年の3月以来、半年ぶりに蔵王連峰の刈田岳と熊野岳に行ってきました。紅葉にはまだ少し早い時期ではありましたが、車を下りて5分で山頂という超お手軽な絶景ハイキングを楽しみました。

宮城〜山形旅行に行ったので、もちろん?蔵王にも立ち寄る

10月1日、2日と1泊2日で宮城〜山形旅行に行ってきました。
9月末が自分の誕生日なのでこの時期は毎年地元で外食してますが、3月に行った湯河原のオーベルジュがとても良かったので、またどこか食事の美味しい温泉宿に泊まりに行こうかと計画。

自分は相変わらずやる気がないので、宿選びから新幹線の予約まで全て妻任せ。やったことは現地移動のレンタカー予約だけ。そんな東北旅行については別途レポートしますが、新幹線で仙台まで行き現地行動はレンタカー。刈田郡蔵王町にある遠刈田温泉のホテルに宿泊し、翌日は蔵王に行きました。

蔵王にはこれまで2回行ったことがありますが、どちらも季節は冬。山形県側の蔵王温泉から蔵王ロープウェイを使ったアプローチでしたが、今回は宮城県の蔵王町にある温泉地、刈田岳温泉に宿泊したのでそこから蔵王エコーラインを使って刈田岳山頂を直接目指します。

「蔵王エコーライン」は蔵王連峰を東西に横断して宮城県と山形県を繋ぐ山岳観光道路。11月初旬から4月下旬は積雪期のため冬季通行止めとなり、私が利用するのも今回が初めてのこと。10月のこれからの時期は紅葉ドライブが楽しめる道路としても人気のようです。

今年は全国的にやや紅葉は遅れ気味のようで、蔵王エコーラインも下の方はまだまだグリーンシーズンの景色でしたが、標高1600mあたりを過ぎると徐々に周囲の木々が色づいてきました。

蔵王エコーラインから「蔵王ハイライン」に入り「蔵王刈田岳山頂駐車場」にレンタカーを停めました。蔵王ハイラインはエコーラインの最高地点から分岐した、ラスト2.5kmの短い区間のみの有料道路(普通車550円)で、これは山頂駐車場の駐車場料金を兼ねたものかもしれませんね(そのせいなのか蔵王ハイラインの料金所手前には、駐車スペースを超えて路駐している車も……)。

平日の昼前ですが、山頂に近い第一駐車場が7割ぐらい埋まっていました。

駐車場から南西側の斜面を見下ろします。あと1〜2週間すると、よりオレンジや赤色が増えた鮮やかな紅葉が見られるようです。でも下の方に緑が残ったこれはこれで綺麗。

「蔵王山頂レストハウス」と右手に見えているのが刈田岳の山頂(1758m)。標高1700mの山頂直下まで車で来られてしまいました。仙台では半袖でしたが、東北10月の1700mなので気温は既にひと桁台(予報で最高8℃)、さらに10m/sの風が吹いているのでそれなりに寒いです。レストハウスから出てきた人はダウンを着ていますが、観光目的でも最低限長袖シャツとウインドブレーカー程度は必要でしょう。

私達はここまで長袖のベースレイヤーでしたが、薄いソフトシェル、レインウェアを羽織って丁度良かったぐらい(気温より風が厳しい)。手元も夏用の薄いグローブではちょっと寒かった。

御釜周辺や刈田岳は短時間なら軽装でも大丈夫ですが、今回紹介している熊野岳まで行く場合は登山ルートになります。歩きやすい靴や強風を防ぐウインドブレーカーやレインウェア、防寒着はお忘れなく。熊野岳周辺はだだっ広い吹きさらしなので、強風の影響をモロに受けますしガスに巻かれたら方向も見失いやすいです。

いきなり山頂、刈田岳

レストハウスで防寒を整えたら、まずはすぐ目の前の刈田岳へ。すぐに火口湖の「御釜」が見えてきます。空にはやや雲がありますが、エメラルドグリーンの水面を見ることができました。

3月に来たときは完全に結氷していたので、グリーンシーズンの御釜も見ておきたかった。

こちらも半年ぶりの刈田嶺神社。

冬には閉鎖されていた授与所も営業していて、御朱印の受付などもしていました。

そういえばまだ蔵王のバッジを持ってなかったな…… と雪景色とグリーンシーズンのバッジを購入。

前回は誰もいなかった刈田岳山頂。この日も平日だからはそこまで人の姿はありません。
御釜はレストハウスからすぐの御釜展望台でもよく見えますが、せっかくここまで来たなら刈田岳の山頂から眺めるのもオススメ。山頂といってもレストハウスから5分も掛かりませんので。

ちなみに御釜展望台からだとこんな感じ。散策路に沿ってもう少し下まで行く観光客は多いようです。


御釜を見ながら馬の背を歩く

我々も御釜展望を楽しむことができる散策路へ。手前に黄色い黄葉が入ると秋の山感がグッと出てきますね。

こんな感じで御釜をずっと右手に眺めながら馬の背の肩に散策路が作られています。

やや秋めいてしまいましたが、なんとかエメラルドグリーンの水をたたえた御釜を見ることができました。

工事用のモノレール線路が下に向かって伸びています。

エコーラインを上がってきた蔵王町方面。

少しずつ御釜を見る角度が変化して行きます。

強風で水面にさざ波ができているのが分かるでしょうか。

アップにしたくなる御釜の縁。

御釜越しの仙台方面。海の向こうに伸びて見えるのは宮戸島なのか牡鹿半島なのか…… いまいち規模感が分かりません。

刈田岳方面を振り返り。この緩やかな稜線が「馬の背」と呼ばれています。このエリアは既に森林限界でもあり常に強風が吹き付ける稜線なので、紅葉するような草木は殆ど見られません。蔵王の紅葉はもう少し下のエコーライン沿いや蔵王ロープウェイ周辺が一番の舞台になるのでしょう。


蔵王最高峰の熊野岳へ

このまま向かうのは右奥に見える蔵王最高峰の熊野岳(蔵王山:1,841m)です。

熊野岳避難小屋から回るか……

直接山頂に向かう道か。冬とは逆でこちらから登ります。今回の唯一の登山ぽい?部分。

まだイワカガミが咲いていました。夏前の花だと思っていたけど……。

だだっぴろい熊野岳山頂。に到着。本日2座目、駐車場から5分で最初のピーク、30分で歩ける縦走路!?


冬は雪に埋もれて屋根しか見えなかった蔵王山神社、こうなっていたのですね。周囲の石垣は風避けだと思いますが、この中は全て雪が積もっていて分かりませんでした。

石垣の内側には熊野岳山頂避難小屋もあります。熊野岳避難小屋とは別にあるのですね。これも完全に雪に覆われていたので、岩か何かだと思っていました。積雪期には埋まって使えない避難小屋ですね。

中には御朱印スタンプなども設置されていました。

地蔵山や蔵王ロープウェイ方面。紅葉していたらもう少し行こうかと思っていましたが、まだこの通りに緑色。

冬に歩いたルートですが、雪がないとまた雰囲気が変わります。中腹に付いてる登山道ががロープウェイを使わない登山ルートの祓川コースですね。

冬にはこの岩が雪に覆われて、地蔵山側が見た際に熊野岳のかっこいいシンボルになってるんですよね。

山が崩れて白い色が見えてます。

蔵王ロープウェイの樹氷高原駅。

空に雲は多いですがかなりの速度で流れていて、青空や太陽もそれなりに見えます。

前回来たときの蔵王山神社周辺。右手前の雪の塊が鳥居だったりするのかな?

先程よりも青空の範囲が広くなり、このまま更に晴れるかも……と一瞬期待したのですが、これ移行、急激に雲の量が増えて一気に西の空から山頂付近を覆って行きました。

それでは熊野岳避難小屋側を回って戻ります。山頂からほぼ平らです。

地蔵山側からの緩やかな方の登山道。

1918年に発生した遭難事故(学校登山の生徒と教員の9人が低体温症で死亡)の慰霊碑が、熊野岳避難小屋の近くにあります。当時は周辺に現在のような避難小屋や観光施設もなかった訳ですが、今でもガスが出て強風となれば十分に道迷いや遭難の危険があることは容易に想像できる熊野岳山頂付近です。
蔵王遭難事故 - Wikipedia

雪の中で見たた謎の空洞はかつての石室(簡易的な避難小屋)跡でしたか。

熊野岳避難小屋。

中はこんな作り。太い柱の枠に台形のコンクリートでかなり頑丈そう。冬の稜線の強風に耐えるにはこれぐらいの構造が必要なのかもしれません。

馬の背に向けて一気に下ります。フードを被ってるぐらいには風が冷たい。

この間、どんどん雲が上空を覆って行ったのですが、刈田岳まで戻ったら1700m辺りから上だけ厚い雲、下は晴れていて境目には雨が降って虹が見えるという、山の天気らしい面白い光景が見られました。



目まぐるしく変化する天気とお手軽ハイク

そして刈田岳山頂エリアも雲に飲み込まれて雨となりました。なんだか忙しい天気だ。

ナナカマドの実は赤くなってますが、葉は殆ど見られずに枯れていました。既に終わっているだけなのか、猛暑の影響などもあるのでしょうか……。


ちなみに刈田岳山頂には白石蔵王駅、山形駅からのバス路線が通じています。当初はバスを利用しての移動も検討していましたが、日程や行動の自由度を考えるとやはり現地移動はレンタカーだなと、仙台レンタル&山形返却という乗り捨てレンタカーの利用となりました(詳細は別途)。

蔵王エコーラインを山形方面に下り始めてすぐの蔵王刈田リフト駐車場あたりからの紅葉を見つつ、今回のレポートは終わりにします。これから数週間、日に日に紅葉は鮮やかになり、観光客も増えて行くのだと思いますが、空いてるうちにのんびりと蔵王を歩くことができて良かったです。

まだ緑も目立つ紅葉の中を上がっていく蔵王刈田リフト。このまま御釜鑑賞ができる馬の背まで行けますし、蔵王ハイラインや蔵王ロープウェイともまた別の、紅葉を身近に楽しむことができる観光手段かもしれません(くれぐれも防寒対策はお忘れなく)。

境川の源流を訪ねて、高尾山口から町田市最高峰の草戸山へ

以前から訪れたいと思ってた境川の源流(水源地)を訪れてみました。

境川の源流は町田市の最高峰

「境川(さかいがわ)」は東京都町田市の相原町に端を発し、町田市と神奈川県相模原市の市境を流れ、神奈川県中央のやや東寄りを流れて江ノ島の脇で太平洋に注ぐ二級河川。小田急線の片瀬江ノ島駅を出るとすぐ正面を横切って、そのまま片瀬海岸に流れ込んでいる川として記憶している人も多いかもしれません。
境川 (東京都・神奈川県) - Wikipedia

相模原市育ちの自分にとっては「町田市との市境(県境)を流れているので境川」だと子供の頃は思っていましたが、武蔵国と相模国の国境(ただし町田市南端あたりまで)に由来する名称です。

相模原市南区鵜野森付近の境川

相模原市の古淵あたりから町田駅に掛けての境川沿いは子供の頃にいつも自転車で走っていたのでとても馴染み深い川ですが、実は源流部をよく知りません。恐らく相模原市緑区の城山湖(本沢ダム)あたりだろうと思ってましたが、城山湖は津久井湖の水を揚水発電のために汲み上げて作られた人造湖なので、自然の流入流出河川はありません。
城山湖のオーバーフロー分は境川に流しているので一応は水源の1つではあるのですが、源流地とされているのは城山湖のすぐ北にある「草戸山」の北東面となります。

草戸山は多摩丘陵の西の端に位置する、町田市の最高峰(標高364m)。これより北西は秩父山地(奥多摩)となり、南西側は丹沢山地。つまり関東山地と多摩丘陵の境目。それぞれべつの山域というよりは、多摩丘陵が関東山地と平野部のスロープになっている感じでしょうか。
町田市の最高峰 草戸山/町田市ホームページ

草戸山の西斜面は多摩川水系の南浅川の支流になるので、東京湾と相模湾(多摩川と境川)の分水嶺にもなっています。ちなみに草戸山と尾根を繋ぐ榎窪山あたりは相模川(津久井湖)と多摩川水系の分水嶺にもなるようです。さらに多摩川水系と境川の間には鶴見川の水源もあり、多摩丘陵にはかなり複雑な分水嶺が存在します。

そんな東京湾・相模湾の分水嶺になっている草戸山から大弛峠までの尾根道(南高尾山稜コース)に、高尾山まで繋いだ縦走路は山と溪谷社の萩原浩司氏が「南高尾セブンサミッツ」と名付けて紹介したこともあり、人気のハイキングコースになっているようです(NHKの番組で見た気がする)。

さて、そんな境川の水源を訪れるには草戸山の麓になる町田市相原町まで車なりバスでアクセスするのが最も手っ取り早いのですが、今回は境川の水源地から川の流れに沿って歩きたいと思っていたので、まずは京王線の高尾山口から草戸山を目指し、そこから境川沿いを下流に向かって歩くことにします。

高尾山口から草戸山を目指す

府中から京王線に乗って高尾山口駅に13時。縦走路を歩くにはやや遅いスタートですが、山歩きは草戸山までのみなのでコースタイムで1時間半程度、相原方面の下山路はあっという間なので十分に時間があります。
個人的にはいつもの多摩丘陵散歩の延長ですが、人によっては十分に「登山」と感じるコースではあるので(高尾山稲荷山コースぐらいの負荷)、実際に歩く際は下調べしておきましょう。

甲州街道の高尾山入口信号から高尾山とは逆方向の細道に入ります。

すぐに城山湖方面の案内があります。ここで見覚えのある「かたらいの路」という文字。どうやら高尾駅から草戸山に掛けては「かたらいの路 高尾〜大戸コース」と呼ばれているみたい。

民家の間の細道を入って行きます。

すぐ普通の登山道になります。今で歩いた多摩丘陵のハイキングコースでは最も登山道してますね。

10分ほどで「四辻」という分岐のある尾根にでます。

山と高原地図登では三叉路だけど、道は名前の通り4方向。写真の左手が高尾山口、正面が高尾、右手奥の細道が高尾霊園方面(撮影側が進行方向)。オリエンテーリングのチェックポイントも数か所で見かけました。

四辻から先は緩やかな尾根道。トレランもちらほら。

登山道の雰囲気も多摩丘陵というより陣馬山あたりに近いですね。スニーカーでも歩けるハイキングコースですが、下りは滑りやすいのでソールのしっかりした靴があるといいでしょう。

日当たりの良いベンチがあったのでランチにします。

家を出る前にいくら入りの鮭の炊き込みご飯おにぎり(はらこ飯おにぎり)を作ろうと思ったけど、うまく形にならなかったので、そのまま詰めてきたもの。さっと食べて出発。

尾根道なので軽いアップダウンが何度かあります。平日ですが逆方向からの高齢者登山客とたまにすれ違います。時間的に大弛峠や高尾山からの縦走でしょうか。

山の中の鉄塔を見るとつい撮ってしまいがち。


拓殖大方面の分岐がある三叉路(マジックで「拓大尾根」と書き加えてあります)。

しばらく左手(東)側に有刺鉄線が貼られているエリア。保護林なのか私有地なのか……?


相模湾と東京湾の分水嶺を歩く

「草戸峠」。この標識から向こうが境川、手前が多摩川水系の分水嶺になります。

西側が少し開けています。

あの尾根はなんだろう。人工物っぽいものが見えるので高尾山の稲荷山かな?と思ったけど違うかも。

草戸峠から相原の青少年センター(旧大地沢青少年センター → Nature Factory 東京町田)方面に直接下りられます。大地沢青少年センター、青少年だった頃に泊まったことがあります。懐かしいな。

峠なので草戸山までは少し登り返します。

山頂ぽいのが見えてきました。


町田市最高峰、草戸山山頂

草戸山の山頂に到着しました。

北側の展望が開けています。都心方面ではないので分かりやすいランドマークは特にありません。

山頂は「松見平休憩所」という名前が付けられた、ちょっとした休憩所になってます。展望台は老朽化のためか入れません。そういえば山頂標識をちゃんと撮っていませんでした(笑)

山頂は三叉路になっていて、高尾(高尾山口)方面、榎窪山(南高尾)方面、そして城山湖方面。

町田市最高峰。相原側からだとちょっとした周回コース。高尾山、大弛峠、津久井湖方面と低山ハイキングコースとしてはほぼ多摩丘陵ながら、それなりに山歩き気分が歩けそうなエリアですね。
奥高尾縦走路も悪くないですが人が多いので、静かな山歩きを楽しむにはなかなか穴場なスポットなのかもしれません。低山なので夏は暑そうですが……。

草戸山は八王子市、町田市、相模原市の市境になっているせいか、ハイキングコースの案内看板が多め。久々に城山湖にも行きたかったのですが、今回は城山湖方面に進んだ途中で境川源流に下ります。

少々長くなりましたが、ここまでがイントロダクションです!?

境川源流にたどり着く

草戸山山頂の北東斜面を城山湖方面に少し下って行くと……

「境川源流 入口」の看板が見えたところを、さらに谷側に下って行きます。

折り返してさらに下って行くと……

谷状の地形の中央に「境川源流」の看板がありました。


確かに斜面の地面から水が湧き出しています。

草戸山の山頂方面を見上げて。この谷全体が境川の水源地のようです。

山頂や尾根から少し下りただけなのに、これだけ水が枯れずに湧いているのが不思議ですね。下りていくと分かるのですが、あちこちの沢筋からいくつもの支流が集まって行きます。相模原の市境を流れる三面護岸のドブ川(子供の頃の印象です)の上流にこんな豊かな水源地があったことに今頃驚かされます。

流れ出した清水はすぐに小さな沢を作って谷の底を流れて行きます。谷の左岸側に登山道が作られているので、そのまま境川に沿って下って行くことにします。登山道はあと5分ほどでおしまいです。

さて、ここからが境川ハイキングの本番なのですが、ひとまずここまで。実は個人的にこの先の境川沿いの平地歩きがかなり楽しかったので、そちらの方が写真もテキストもかなり多くなりそうです(書きました)。



散策ルートとGPSログ

境川源流へのアクセスは町田市の相原町側から行った方が手っ取り早いのですが、それだと面白みに欠けてしまうので、高尾山口からの尾根歩きはちょっとした山気分も味わえる楽しいアプローチでした。気が向いたら南高尾山稜コースや南高尾セブンサミッツを歩いてもいいかもしれません。


草戸山・境川源流ハイク / OKPさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

パーゴワークス BUDDY 22 / 33のショルダーハーネスが破れてきたので、カーブ針で補修しまくっている

2018年に発売された初代モデルからずっと愛用しているパーゴワークスのBUDDY 33(中央:ダークベージュ)とその後追加で購入したアーバングレイのBUDDY 22とBUDDY 33。アーバングレイは2019年からの追加色で、サイドベルトやジッパーなどのマイナーチェンジ後のモデル。

このBUDDYシリーズは昨年2022年に現行モデルへのマイナーチェンジがあったのですが、ショルダーハーネスの幅が極太のデザインになってしまったことで、ピークデザインのCAPTUREをショルダーハーネスに装着している自分には使えないモデルとなってしまいました。


ということで手持ちのBUDDYシリーズを大事に使っていきたいところですが、気がついたら荷重の掛かるショルダーハーネス周辺に縫い目の綻びや破れが発生していました。特にBUDDY 33は夏山のテント泊から冬山でもずっと使っているものなので、負担も大きかったようです。(もしかしたら現行モデルへのショルダーハーネスのマイナーチェンジは同様の経年による破損の報告が寄せられたことによる対策とか?)

気に入ってるバックパックなので修理できないものかパーゴワークスに問い合わせてみたのですが、残念ながら修理は不可能とのことでした。現行モデルへの特別価格での交換を提案して貰ったのですが、それではCAPTUREが使えなくなってしまうので諦めました。


こうなったら自力での補修しかありません。軽く縫っただけではすぐに糸が切れてしまいそうなので、見た目は気にせずとにかく繰り返し縫っては結ぶ作業の繰り返し。ちなみに補修の作業をしたのはかなり前です。

補修作業は普通の縫い針では縫いにくいので、針全体がカーブした「カーブ針」を使いました。

耐久性が出るように、2本取りで何度も縫って行きます。

メッシュとナイロン部分の縫い合わせがほつれてしまったような場所も補修します。

メッシュ周辺の破れができていた場所は、縫い合わせた上から補修テープを貼って補強。

それぞれ補修後に数回使ってみて、今のところ補修箇所が再び破れたりほつれたりはないようです。

使用頻度の高いはBUDDY 33は2個ありますが、恐らくあと数シーズンは使えるかと思いますが、いよいよ買い替えが必要となったら何を選べばよいのか……? BUDDYがとても気に入ってるだけに困ってしまいます。

ハードシェルのシームテープが剥がれや日傘の穴をGEAR AID シームグリップWPで補修

雪山で着るハードシェル。ざっくり言えばレインウェアの頑丈なやつ。2018年から5シーズン使っているものですが、前シーズンの後半からフードや襟周辺のシームテープが剥がれてきました。


他の場所は特に問題ないようですが、フードなどの首周りは強風に吹かれてバタついたり、頻繁に動かす場所だからなのか、よく調べてみると数か所で剥がれが見られます。

首から下の剥がれは見られませんし、表生地は洗濯後に熱を与えればまだ撥水効果は回復するレベル。着用するのはほぼ雪の中なので、水が染みてきたようなことはありませんが、口元で剥がれたシームテープがピロピロしてるのだけは鬱陶しい……。そろそろ買い替えを検討してもいい頃かもしれませんが、これといって欲しいモデルがある訳でもなく、シーズンに入ってからじっくり探せばいいかと考えていますが、とりあえず剥がれているシームテープだけは補修しておくことにしました。

用意したのはGEAR AIDの「シームグリップWP」。同ブランドの補修材にはいくつか種類がありますが、レインウェアやテントなどの縫い目の目止め材(シール材)、破れた箇所の補修用途で使う接着剤がこれ。
塗ることで小さな穴や破れを補修できるようですし(被膜になる感じでしょうか)、もちろんテープ剥がれや補修パッチの接着にも使える万能補修材みたい。

付属の塗布用ブラシ。テントの目止め作業など一度に大量に塗る用途のために、チューブに調節取り付けられるブラシも付属しています。一度使ったらダメになってしまいそう。

チューブに最初に穴を開けるためのトンガリが蓋側にないので、千枚通し的なもので開けましょう。

作業はシームテープが剥がれた箇所の両側にシームグリップWPを塗り、しばらく置いてから貼り付けるだけ。つい素手で作業してしまいましたが、防水の接着剤なので洗っても落ちませんし、すぐに乾くことなくずっとベタベタしているのでシンナーを使って落としました。

以後はニトリル手袋を使うようにしてますが、細かいところの作業はやっぱり素手がやりやすい。

フード周辺は立体になっているので、一度に複数箇所を処理するとうまく乾燥できなかったり、あちこちがベタベタになってしまうので、数回に分けて補修を行いました。乾燥までは8〜12時間程度とのこと。

一晩経ちましたが、結構しっかり接着されてるように思います。効果は半永久とのことですが、実際どうなのか? 数カ月後から始まるスノーシーズンで使って確認したいと思います。

使える限りは補修して使いつつ、並行して新しいシェル探しも続けてみることにします。

そういえばこの夏活躍したモンベルの日傘(トラベル サンブロックアンブレラ)にも一箇所、いつの間にかぎ裂きのような穴が空いていたのを、GEAR AIDのリペアテープを貼って補修していた箇所。

裏側にもシームグリップWPを塗っておきました。これで仮にリペアテープが剥がれても大丈夫なはず!?

シームグリップWP、結局使ったのは少しだけ。注意通りに冷蔵庫で保存しますが、保存中に硬化してしまった等のレビューも目にしました。せめて次のシーズン中ぐらいがは持ってくれるといいなと思いますけども。

Amazonやヨドバシカメラでも買うことができますが、シームグリップWPを含めたGEAR AID製品はモンベルで取り扱いがあるので、商品説明はモンベルのオンラインストアでも見ることができます。

曇天の鳥取・大山に登り島根でラーメンを食べた日

今月初めの9月1日(金)、鳥取県の大山(だいせん)に登ってきました。残念ながらお天気は曇り、山頂付近では雨となってしまいましたが、下山後のラーメンも美味しく楽しい山陰旅行の締めとなりました。

日本百名山、大山(伯耆大山)に登る

サンライズ出雲で訪れた山陰地方。初日の大山登山を見送って出雲地方をドライブしましたが、結局翌日の天気もあまり変わらないものとなりました。出発前の天気予報だと初日は山中はずっと雨、2日目も曇りながら昼頃から回復傾向だったのですが、直前には2日目も雨と曇り予報となってしまいました。


大山(だいせん)は鳥取県の西部に位置する標高1,729mの独立峰で、日本百名山にも数えられる中国地方の最高峰です。西側から見た山容は富士山のような両側に長い裾野を引く姿なこともあり「伯耆富士(ほうきふじ)」とも呼ばれます。冬には富士山のような冠雪した姿も見られます。
ただし、山全体は円錐の一部を残して大きく崩れたような形になっていて、山頂付近は登山ピークの弥山(みせん:1,709m)の他、最高峰の剣ヶ峰(1,729m)など複数のピークが東西に伸び、眺める角度によってその山容は大きく変化します(国土地理院の3D地図表示で見ると大山の特徴的な形がよく分かります)。

「大山」の呼称は音声ならすぐ分かるのですが、テキストの場合は首都圏でも人気の丹沢(神奈川県)の「大山(おおやま)」との区別もあってか(WEBの場合は検索対策なども?)、登山系メディアなどでは「伯耆大山(ほうきだいせん)」と表記されることが多く、このブログでも両方の表記を使っています。

日本海側にある大山は低山でも冬になるとしっかりした積雪があり、以前から大山に登るなら積雪期が良いと思っていたのですが、せっかくサンライズ出雲に乗る機会があるなら大山登山をしないのは勿体ない。
今回は2日間とも天気は微妙ですが、登れない(荒れる)天気ではありませんし、公共交通の予約が先行する旅行ではこればかりは仕方ありません。夏の低山登山は日差しや気温の上昇で何かと大変なので、そこまで気温が上がらなそうなことを前向きに捉えることとします。

南光河原駐車場からスタート

8時過ぎに島根県の玉造温泉を車で出発して、コンビニで飲み物などを買いつつ9時半過ぎに大山夏山登山コースのスタート地点である「南光河原駐車場」(鳥取県西伯郡大山町大山)に到着しました。
曇り空の平日ですが駐車場は6〜7割が埋まっていました。夏山登山口周辺には他にもいくつか駐車場があるようですが、この南光河原駐車場が最も登山口に近く、公衆トイレも整備されています。

準備をすませて9時40分頃のスタート。標準コースタイムは上り3時間、下り2時間程度とのことです。帰りの電車は米子発17時26分、レンタカー返却の時間を考えると16時が下山のリミット。標準コースタイムはかなり余裕のある設定のようなので、ひとまず15時頃までの下山を目安にすれば良いでしょう。

夏山登山口周辺は古くより山岳信仰の拠点となる「大山寺」の門前町でもあるようです。

整備された階段で登れてしまう登山道

ここからが大山の夏山登山道の本格的なスタート。1合目から9合目までの分かりやすい道標が立てられているので山頂までの目安にするとペースを作りやすいかも。

5、6合目あたりまでは整備されたほぼ階段状の登山道。登山道の階段は歩幅が合わなかったり、土砂の流出によるエグレなどで登りにくい場所も少なくないですが、大山の階段はピッチも細かく、とても歩きやすいです。

登りなのでで決して楽ちんという訳ではないですが、足元の不安もなく登りやすい階段を地道に登っていれ5合目まで行けてしまいます。このスムーズさは登りよりも下山時に感じられることでしょう。

景観は期待できないので足元の草花を見ながら登って行きます。照りつける日差しもなく夏にしては涼しい日ですが、それでもすぐに汗が吹き出します。

振り返ると登山口の一帯が見えました。リフトや草原が見えますが、冬にはスキー場がオープンするようです。

平日なので登山客が少ないかと思ってましたが、人気の百名山だけあって思いの外に登山客を目にします。高齢者ツアーの他、この日見たのが小中学生の団体(夏休みの学校登山?)、高校、大学の運動部、消防士のブループなど…… たいていはペースが異なるので(ツアー系はゆっくり、運動部系はほぼラン)、渋滞のようなことはありませんでしたが、ちょっと驚いてしまいました。

色づいたナナカマドがありました。そうか、あと1ヶ月もすれば山は紅葉の季節なんですね。今年も夏山にちっとも登らないまま、もうこんな季節になっていることすら忘れていました。


6合目からは普通の登山道に、すぐに森林限界

六合目避難小屋では複数の団体、小中高校が休憩中でした。とてもよく整備された歩きやすい登山道ですし、学校登山や初めての登山で登るような地域に親しまれた山であることがよく分かります。

それこそ私達にとっての高尾山や大山(おおやま)ですね(どちらも子供の頃に登りました)。そういえば丹沢大山の階段地獄に苦しめられた系の感想はよく聞きますが(山歩きに慣れるようになんてことないレベルなのですが)、こちらの大山でも同様の感想を持つ人はいるかもしれませんね。

避難小屋前からの北側。かろうじて日本海が見えてます。前日より平地の天気も微妙なのでは?

それでは再び足元を見ながら進みます。カヤの実がなってますね。

なんだろこれ。枯れた花?…かと思って写真拡大したら小さな虫がたくさん付いてた(拡大注意)。虫によるものなのか、カビや菌類によるものなのか……?


六合目避難小屋から先はややザレた登山道となります。

日本海からの風が吹き付ける山だからか、1,500mあたりで森林限界になります。

山頂付近は少し平坦になっていて、植生保護のためか木道が整備されています。

山頂周辺は周回できるコースになっています。このお天気だと何も見えないのでそのまま山頂を目指します。

もう花ぐらいしか見るものがない。

7合目あたりからポツポツと振り始めていた雨がかなり強くなって、この山頂付近に出ると遮るものがなくなって風も吹き付けていたのでレインウェアを着ました。


大山頂上避難小屋が見えたら山頂その向こうです。

まずは先に山頂に行っていきます。新しめの木道が整備されていて、やはり植生保護をしているようです。

山頂周辺、ちょっとしたお花畑になってると思われます。晴れていたら気持ちよさそう。


ということで大山(弥山)山頂です。

この先、最高峰の剣ヶ峰方面は立入禁止となっていますが、何も見えません。

山頂で荷物をおろしてゼリー程度は食べてますが、避難小屋には売店もあるようなので立ち寄ってみます。ちなみに今回は特別昼食は用意せず、ゼリーやアンパン等の行動食のみ。

避難小屋内は2階建てになっていて、結構な數の人が休憩をしていました。このあと、子どもたちや団体が次々に到着してかなりの混雑となります。

避難小屋ではありますが、夏山シーズンは小屋番が在中して管理や売店の営業も行っているようです。飲み物、ビールの他、Tシャツや手ぬぐいの販売もありました。バッジ等を購入。

大山入山の協力金500円。こんなに整備された登山道、さぞ維持管理に手間が掛かっていることでしょう。もっとしっかり徴収しても良いぐらい(駐車場も無料だったし)。

山頂に到着したのが11時40分ごろ。丁度2時間ぐらいでした。久々の登山でしたがコースが整備されてるので、とても歩きやすかったです。山頂と避難小屋で30分ちょっとの休憩になりました。

これから下れば遅くても14時頃には下山できるでしょう。レンタカーの返却まで3時間近くあるので、下山飯やお土産、駅弁をゆっくり選ぶ時間も取れそうです。

下山は整備された階段でスムーズ

それでは下山します。しばらくレンズの前玉が曇っていることに気づかなかった……。山頂付近は雨雲の中でしたが8合目あたりまで下りてくると、下のほうが晴れているのが見えてきました。

先程とは打って変わって人がいない六合目避難小屋。

見事に6合目から上が雲の中。この方向に大山の北壁が見えそうなのですが、それはまたの機会に……。

前日にドライブした弓ヶ浜半島と美保、中海が見えています。ということは向こうからも雲を被った大山が見えてることでしょう。

ピッチの細かい階段のおかげで下山はらくらく。自然を感じるには少々手が入りすぎな気もしますが、久しぶりの山歩きなのでこれぐらいで丁度良かったかも(なんやかんやで後で筋肉痛になっていますし)。

黒いヘビがいました。すごいスピードで逃げてしまったので上手く写真を撮れず。かすかに見える模様からするとヤマカガシの黒化個体でしょうか?

1合目に降りてきました。下りは1時間半ほど、時間に余裕があるのでちょっと寄り道してみます。


阿弥陀堂とモンベル 大山店

古いお堂がありました。

室町時代の末期(1552年)に建てられたという「阿弥陀堂」。

山の中にそんな古いお堂が朽ち果てもせずに残っているとはすごいですね。

山頂は虚無の大山でしたが、見るものは他にもあります!?

周辺に多く見られる立派な石垣も古いものでしょうか。

無事下山しました。14時少し前なので、下山は1時間半ぐらい。

駐車場とは佐陀川を挟んでモンベル 大山店があります。ちょっと立ち寄ってみたりなど。

佐陀川と大山の下の方。

新大山橋、車で少し下りてきたら少し雲が晴れていました。

大山の富士山っぽい部分と、その向こうのに伸びる崖の両方が見えています。

駐車場で濡れた装備を干したり荷物を整理していてちょっと時間を使ってしまいましたが、まだ15時前。レンタカーを17時までに米子駅前に返却すれば電車には間に合うのであと2時間ちょっとの余裕があります。ラーメン程度の食事をしてから、お土産を買う時間は十分にありそうです。

鳥取と島根を行き来して下山ラーメン&道の駅

ということで米子東ICから米子西ICまで山陰自動車道の無料区間を走ってやってきたのが、国道9号沿いの「ローダンのラーメン 安来店」。この他に米子駅前店があるみたい。

ラーメンが600円からと今どきリーズナブルな価格設定で、醤油焼豚ラーメンでも800円。当店自慢と書かれていいた、醤油焼豚ラーメンと餃子をそれぞれ注文しました。うーん、これはおいしそう!

喜多方ラーメンを彷彿とさせるビジュアルですが、麺は中太麺。

スープは一瞬塩ラーメンかと思うぐらいのあっさりさですが、しっかりと旨味があっておいしいスープです。角煮を薄切りにしたタイプのチャーシューも柔らかくてうまい。

そして餃子、こちらも軽めでこの倍ぐらい食べられそう…… ですが、帰りの電車でも駅弁をしっかり食べたかったので、下山飯として今回はラーメン餃子で我慢しておきました。

ご当地ラーメンという訳ではなさそうですが、島根と鳥取に一店舗ずつある「ローダンのラーメン」、山陰旅行の最後にいい思い出となりました。米子起点で大山の日帰り登山をした人の下山飯にも最適かも!?

その後はレンタカー返却の前に「道の駅 あらエッサ」でお土産を探します。前日の出雲大社があまりの観光地だったために、ついお土産を買い忘れてしまい、ギリ島根県(安来市)の道の駅に立ち寄ったのでした。

家用にはギリ持ち帰れそうなノドグロ、アジ、キスの干物を保冷剤、保冷バッグと合わせて購入。車だったらもっと色々と買えたのですが、特急と新幹線移動なので程々にしておきました。

なんとなく米子から西はすぐ松江市かと思ってましたが。中海の南側は間に安来市があるようです。安来市はあの「安来節」の安来、道の駅の名前になっている「あらエッサ」はどじょう掬いの掛け声ですね。山陰土産の「どじょう掬いまんじゅう」(旅館にもあったやつ)はこの安来がルーツでしたか。

米子駅前でガソリンを入れてレンタカーを返却。帰りの特急やくもまで50分ほどとかなり余裕のある時間ですが、米子駅でじっくり駅弁を選んだり、鳥取のお土産も多少追加して帰路に着きました。

サンライズ出雲を使えば前夜車中泊の日帰り大山登山はかなりメジャーなようですし(帰りもサンライズで車中2泊でも)、米子からはレンタカーの他にバスを使って大山登山口まで行けるようです。

米子から東京までの電車移動は、サンライズ出雲の乗車記事にまとめてあります。

登山ルートとGPSログ

大山夏山登山コースはとても整備されていて歩きやすかったですが、休日や週末や混雑することも考えると、往復で休憩込み5時間〜ぐらいは見ておくといいかもしれません。



大山登山 / OKPさんの大山(弥山)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

ディートかイカリジンか、サラテクト リッチリッチ30とスキンベープミスト イカリジンプレミアムの体感効果比

虫が多くなる季節になると、アウトドアはもちろんちょっとした外出でも欠かせないのが虫除けスプレー。

先日紹介したおにやんま君はお守りみたいなものでしたが、本当に守ってくれるのはこっちです。

2016年にこれまでの虫除け(忌避剤)の主成分だった「ディート」の濃度を30%まで高めた市販の虫除け剤が解禁となりました(第2類医薬品扱い)。さらにそれまでは国内承認されてなかった「イカリジン」を最大15%まで含む忌避剤も販売されるようになりました。

ディートとは | 虫よけ剤サラテクト | アース製薬
イカリジンとは | 虫よけ剤サラテクト | アース製薬

  • ディートってどの虫に効くの?
    • ディートは日常生活に潜む様々な害虫に効果を発揮します。マダニなどのニュースで話題になったあの虫、おでかけの際に気になる蚊やアブ・ブユ(ブヨ)など、実に多くの種類に対応しているのです。
  • イカリジンってどの虫に効くの?
    • イカリジンは同じ虫よけ成分であるディートと同等の効果があり、蚊やマダニなどに効果を発揮します。ですが、ディートの方が対策できる虫が多いのが現状です。

ディート30%の虫除けは発売当初からかなり効果があると、ツイッター山クラスタなどでも話題になっていたこともあり、自分も数年前から使っています。具体的にはアース製薬の「サラテクト リッチリッチ30」。
医薬品 サラテクトミスト リッチリッチ30 200mL | 虫ケア用品(殺虫剤・防虫剤) | アース製薬 製品情報

フマキラーの「スキンベープミスト プレミアム」も同様のディート30%虫除けスプレーです。
医薬品スキンベープミスト プレミアム 200ml|殺虫剤|フマキラー製品情報サイト

さらに昨年あたりからイカリジン配合の虫除けスプレーの効果も話題になることが増えました。これら強めの虫除けは、アウトドアブームと合わせてマダニ感染症の報告増加もあり、需要が増しているように感じます。
ディートで忌避効果があると言われてる「蚊、ブユ、アブ、ノミ、イエダニ、マダニ、トコジラミ、ヤマビル、サシバエ」に対し、イカリジンは「蚊、ブユ、アブ、イエダニ、マダニ、トコジラミ、ヤマビル」と、ディートの方がやや効果のある虫が多いようです。

ディート剤は腕時計のバンドやスマホケース等、プラスチック製品に付着すると変色させてしまうことがありますが(以前うっかりPRO TREKにかけてしまいバンドやベゼルに白点状のシミが……)、イカリジンの方がプラスチックへの影響は少ないそう。また皮膚への刺激もマイルドとのこと。

その他にも、ディート30%では使用年齢が12際歳以上と制限があるのに対してイカリジンは子供から使えること、服の上からのスプレーも(素材によるものの)イカリジンは可能となるなどの違いがあります。

「サラテクト リッチリッチ30」の効き目に特に不満はなかったものの、今シーズンは同時にイカリジン配合の虫除けスプレーも使ってみることにしました。製品は「スキンベープミスト イカリジンプレミアム」。
スキンベープミスト イカリジンプレミアム[イカリジン配合]200mL|殺虫剤|フマキラー製品情報サイト

その他、「天使のスキンベープミスト プレミアム」も同様にイカリジンの濃度は15%の虫除け。同じメーカーのディート15%同士ですが、何が違うのでしょうね……。
天使のスキンベープミスト プレミアム[イカリジン配合]200mL|殺虫剤|フマキラー製品情報サイト

蚊に対する効果は大差ないかも?

ということで先月から外出のたびに、1種類の虫除けを全身に塗った場合、2種類を半身(身体の左右)ずつに塗布した場合の効果を記録しているのですが、今のところ蚊に対しての効果はかなり拮抗しています。

刺されるときは刺されてしまうものの、概ね塗布から数時間程度の時間に関しては神社の周辺や緑道などを歩いても蚊に刺されることはありません(虫除けを塗らないと結構刺される場所です)。

夜間の緑道でセミ観察をしている際はさすがに刺されやすくなるものの、それでも塗布から3時間程度の間はほぼ無傷なことが大半。重ね塗りをせずに8時間ほどの間に何度か外出した際は、ラスト1時間に一気に刺されてしまいましたが、これはディートもイカリジンも同様の結果。

効果の持続性はどちらの薬剤も5〜8時間程度とのことですが、今の時期は外で活動していると汗で流れてしまうこともあるので、3〜5時間程度で重ね塗りをするのが安心でしょう。
蚊以外のブヨやアブに対してはまた別の効果があるかもしれませんが、市街地で蚊避けを目的に使う分には、ディート、イカリジンどちらの虫除けスプレーもそれなりの効果が期待できそう。

個人的にはディート30%剤にはかなり絶大な信頼を持っていたので、半分の濃度である15%のイカリジンにどれだけ……? とやや半信半疑だったものの、しっかり体感できるレベルの効果はありそうです。

さらに長期間使ったらまた感想も変わるかもしれませんが、とりあえず現状はこんな感じ。今後明らかに違いを感じるようなことがあれば追記したいと思います。

あとは製品(メーカー)の違いによる香料等の調合の違いもありそうですが、「サラテクト リッチリッチ30」の方はスプレー時にムセやく、塗布後の肌は薬剤を塗ってる感が強い(少しテカテカする感じ)のですが、「スキンベープミスト プレミアム」は香りが優しく肌触りもサラッとしていて使いやすい印象があります。
同じフマキラーの「スキンベープミスト プレミアム」だと同じディート30%でも何か違うのか、次回試してみてもいいかもしれません。

最後にメーカー的にはNGな使い方になりますが(特にディートは)、両方の虫除けは無印良品のポリエチレン小分けボトル(アルコールOKのボトル、PET素材のものはアルコール不可)に小分けにして、外出時の携行用として使っています。シールの色でサラテクトとスキンベープも見分けがつくように。

しばらく効果の比較のために増し塗りには使っていませんでしたが、効果に関してはどちらもそこまで変わらないようなので、これからは増し塗りにも積極的に使ってみることにします。