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残雪の八方尾根を歩いて北アルプス唐松岳に登ってきた


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先週末4月21日の土曜日、北アルプスの唐松岳に登ってきました。

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関東は既に春山シーズン真っ盛りですが、もう少しだけ雪山を楽しみたい我が家。本当は厳冬期の間に行きたかった山のひとつ、北アルプスの唐松岳へと向かいました。

八方尾根から北アルプス唐松岳へ

唐松岳は長野県と富山県の県境に位置する標高2,696mの山。北アルプス立山連峰の一角になります。白馬連峰や五竜岳、鹿島槍ヶ岳といった名峰たちに囲まれ、その山頂からは“岩と雪の殿堂”剱岳を始めとする立山連峰の山々を望むこともできます。

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山頂から東に延びる八方尾根が最もポピュラーな登山ルートで、その麓には長野オリンピックではアルペンスキー競技の会場となったことでも知られる八方尾根スキー場があります。
このスキー場のゴンゴラやリフトを乗り継ぐことで、標高1830mまで楽に行くことができ、そこから約866mの標高差を登ることで、比較的手軽に北アルプスの山頂に立つことができます(もちろん冬期・残雪期は相応の装備があってこそですが)。

長野県・白馬八方尾根スキー場へ

唐松岳登山の玄関口である長野県の白馬村までは、東京の自宅からは約260kmほど。以前、同じ長野県の信濃町まで頻繁に通っていたことを考えると、そこまでのロングドライブではありませんが、何時の頃からか片道200kmを越える運転が結構キツくなってきた私。車の力を借りて少しでも運転が楽になるならば、ありがたいものです。

深夜3時半に自宅を出発して安曇野インターで長野自動車道を下り、147号線をほぼ一直線に北上するルート。更埴IC又は長野ICまで高速に乗って、そこから西へ走るのとではどちらがいいのか微妙な所ですが、高速はほぼアイサイトが運転してくれるので、もしかしたらそっちが良かったかな?

そんなこんなで、白馬八方尾根スキー場の駐車場に車を入れたのはすっかり夜が明けた朝の7時前。駐車場は最もゴンドラ乗り場に近いA駐車場が殆ど埋まった状態でラスト2台(600円/1日)。北アルプス麓の白馬村にはまだ桜が咲いていました!

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この時期の八方ゴンドラリフト「アダム」は8時始発ですが、既に行列ができていました。ゴンドラ列とチケット列が別にできるので、先にゴンドラ列を荷物で場所取りしてからチケット列に並ぶアレ。木曽駒ヶ岳の菅の台バスセンターなども同様ですが、結構初見殺しのシステムですよね。

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スキーや荷物で場所取りされたゴンドラの待合列(左)とチケット列(右)

八方尾根の登山口までは「白馬八方尾根スキー場」のリフトを乗り継ぐのが一般的で、この「八方アルペンライン」のチケットは往復で2900円。登山・バックカントリーでの利用の場合は、チケット購入時に窓口で登山届けの提出が必要です。用紙はチケット売り場の脇に備え付けてあるの列に並ぶ前に書いておきましょう。

我々は事前にコンパスで作製、プリントした登山届けを提出しましたが、無事受け取って貰えました(様式に不備がないかちょっとドキドキした)。長野県警はコンパスと連動してるので、口頭でネット提出済みである旨を伝えた場合はどうなるかは不明ですが、朝は窓口も混み合ってますし念のためプリントも用意しておいた方が安心でしょう。
あと、荷物が15kgを越える場合は追加料金が必要になるので、テン泊装備だと越えてしまう人が多いと思います(特に積雪期、残雪期は)。

最初のゴンドラ(アダム)はほとんど雪の消えたスキー場を上がっていきますが、頂上に着く頃にはなんとか雪景色になっていました。

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ただし足下はグサグサのシャーベット雪、朝からこの状態では午後にはどうなってしまうことやら…。ここからさらにクワッドリフトを2本乗り継いで上を目指します。

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登山用のザックを背負ってリフトに乗る経験は始めてですが、意外と普通に乗れました(登山客だと2人ずつ乗る感じなので、横にザックを置けます)。
振り返ると春がすみの空にしてはなかなかの展望が広がっています。彼方に見えるのは八ヶ岳と南アルプスかな?

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3本目のリフトは8時半スタートなのでしばらく待機。そしてこの日はこの上にある八方池山荘が水道設備不具合のため営業してないそうなので(つまりトイレ利用も不可です)、この人達がこの日の登山者第1便になるようです。

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この日のリフトの営業終了は3時50分(時期によって変動)なので、9時のスタートで6時間50分以内に戻ってくる必要があります。一般的な八方尾根からの唐松岳ピストンのコースタイムは6時間半〜7時間と言われているので、休憩を入れると結構ギリギリに思われるかもしれませんが、基本的には冬期でも日帰り可能なコースとされているようです。

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もちろん天候や雪の状態次第なので、個々の体力経験なども鑑みて判断して頂く必要があります。この日はかなり雪が腐っていて、八方池の先からアイゼンを履くような状況でしたが、写真を撮りつつ山頂で40分程の休憩を含めて往復6時間が我々のコースタイムでした。

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八方池山荘から登山スタート

八方池山荘前から9時前に登山スタート。通常ならば八方池山荘にてトイレを借りたり有料で水を買うこともできるそうですが、先ほども書いたようにこの日の山荘はお休み。ちなみにこの時期、開いているトイレはこの先にはないので、水のがぶ飲みには注意です。

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てっきり歩き始めからアイゼンを付けるものかと思っていたのですが、登山道は既にこのような状況…。このお天気もあり(各地で真夏日を記録した日でした)まるで夏山登山のような陽気。いきなりフリースを脱いで、ベースレイヤーの上に薄手のソフトシェル(ニュウモラップ)を羽織るスタイルです。半袖シャツで登ってる人も結構見かけました(笑)

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右手には白馬三山。手前側の足下に緑が見えるのが残雪期らしい光景です。

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このような“いかにもな登山道”を歩くのは久々な気がします。オール雪道歩きを期待していたので、ちょっと出鼻をくじかれました。

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白馬盆地と松川。いかにも山間の扇状地といった光景ですね。

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しばらくはグサグサの雪と露出した登山道を交互に歩きます。

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木道の階段もすっかり出ているのでアイゼンは当分履けそうにありません。

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この辺りは定期的に目印のケルンが続くエリアです(手元の地図によると第1ケルン→八方山ケルン→第2ケルン→八方ケルン→第3ケルン)。

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八方尾根の向こう、左手には五竜岳と鹿島槍ヶ岳、鹿島槍の双耳峰は格好いいですねー。

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ひろーい尾根、遮るものがなにもない雪原を、夏のような日差しを受けて汗をかきながら歩いて行きます。気温も恐らく既に2桁近く、これはハイドレーションで水を持ってくるのでした(普通に冬山感覚でケータイマグに熱い紅茶を入れてきてしまったので、雪を入れて溶かしながら飲んでましたw)。

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この辺りが八方池かな? 池ができるのはいつ頃なのでしょうか。

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八方池を過ぎたあたりから尾根を左手側から回り込むようにカーブしつつ、斜度が上がっていきます。そろそろアイゼンを履いた方が良さそうです。

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今回も12本爪で。夏靴に軽アイゼン(10本爪位?)を履いている人もそれなりに居ましたが、雪の状態が悪いので何やかんやでこちらの方が安心感があります(過去、残雪期に10本爪を使っていた経験からも)。

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グサグサな雪にアイゼンを噛ませながら登って登って…

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ひゅー!

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雪の八方尾根でライチョウに出会う

八方尾根はアップダウンは殆どなくひたすら緩やかに登って行きます。いや、緩やかじゃない斜面もありますし、なにせ気温が高いので思ったよりもペースが上がりません。

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砂漠のように広い雪の尾根。夏の登山道はどうなってるんでしょう?

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見えそうで見えない山頂、ひたすらこんな景色が続きます。

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これは丸山ケルンかな?

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おやおや…?

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こんな快晴だというのに雷鳥が出てきてくれました。嬉しいなー。

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残雪期らしい羽根の色。めっちゃ保護色になってますね。

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そして、雪の上をよく見ると羽虫が大量に… 何処から出てきたのだろう? 雷鳥はこの虫も食べているのかな?

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そうかぁ… 春は雪融けと共に虫が増える季節なんですよね。虫のいないテン泊シーズンが終わってしまいます…(悲)

山頂が近づいてくると雪が消える?

なだらかなピークをいくつか越えると、いよいよ山頂が近づいてきたようです。

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唐松岳頂上山荘の手前までくると、徐々に岩や地面が露出した場所が増えてきます。冬も雪が積もりにくい(風で飛ばされてしまう)のでしょうかね。

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雪の合間からはハイマツの緑が顔を覗かせています。

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比較的気軽に来られますが、北アルプスの山を歩いているのでした。しばらく雪と岩のミックスが続くので、アイゼンの歯を引っかけないように歩いていきましょう。

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ちなみに山頂は右手の方。もうひと頑張り。

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左手には五竜岳の勇姿。この辺りまで来ると、鹿島槍は五竜の陰に隠れてしまいました。

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ちょっとしたピークを抜けると、突然美しい唐松岳の山頂が目の前に広がります。山頂付近はかなり雪が落ちています。日差しの影響か風の影響か… 不思議なものですね。

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そうそう、左手には唐松岳頂上山荘があります。この時期はまだ営業していませんが(GWに入る4月28日より営業開始とのこと)、かなり大きな山小屋ですね。

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そして唐松岳の左手奥に見える、ひときわ異彩を放つあの山は…

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岩と雪の殿堂・・・・・

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剱岳!

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そんな剱岳を左手に眺めつつ最後のひと登り。この山頂手前の辺りにザックをデポしていく人も結構いるみたいです。アイゼンも人によっては外してます(私たちはずっと付けてたけど、正直山頂付近では邪魔でした…)。

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唐松岳頂上山荘を振り返る。

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山頂へは直登か巻いていくか… ここはせっかくアイゼン履いたままなので真っ直ぐで。

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お・・・・お・・・・・

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360度の大展望が広がる唐松岳山頂

正午を迎える少し前、唐松岳山頂に登頂しました! 9時前に八方池山荘から登り始めてから、丁度3時間ほどが経っていました。
そうして考えるとそれ程時間も掛かっていませんし、コース自体も歩きやすかったのですが、久々の暑さに体がなかなか慣れずに難儀しました。

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左は五竜、右は白馬、そして正面には剱岳!

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剱、立山方面、かなり岩肌が目立ちますが、残と岩、そしてハイマツの緑のコントラストが楽しめるのは残雪期ならでは。

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剱から少し左手を見ると五竜岳。

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逆側(北)を見ると不帰嶮から白馬へと続く尾根。尾根の東西で雪の付き具合が随分と違うのが分かります。

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白馬から少し右手(東)、奥に見えるのは妙高とか黒姫とかあの辺の山域でしょうか?

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ちなみにここまでピッケルは結局使うことなく、帰りも含めてアイゼンとストックのみで十分でした(厳冬期はまた違うと思いますが)。
この日のカメラはE-M1 MarkIIを1台のみ。携行はいつものキャプチャーV3ですが、カメラケースとしてマインドシフトギアのアウトバウンドホルスター20を使っています。

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様々なオプションパーツ、ベルト等でショルダーから、ザック正面や上部に括り付けることができるこのケース。改めて詳しくレビューする予定ですが、この日はあまりの暑さにリフトを下りてすぐに脱いでしまったフリースを突っ込んでおりました(笑)

写真を撮ったりパンを食べたりと山頂で40分程過ごした後、そろそろ戻ることにします。丁度お昼どきで、次々に登山者が登ってきます。

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冬山では基本的に食事は取らない(ひたすら行動食を食べている)のですが、そろそろちゃんとお昼を食べてもいい季節になりましたね。次回からカップラーメンかな。

下山はスムーズだけど、結構長く感じる八方尾根

あとはひたすら八方尾根を下るのみ。登り返しのないひたすら下り斜面ですが、雪の状態はますます悪くなり標高を下げる程に踏み抜きも増えてくるので、意外と疲れます。

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結局午後までこのお天気で、稜線歩きなのに風もなく雪山で夏山登山をしているような不思議な1日。
ロケーションの素晴らしさはよく分かったので、来年こそは厳冬期に訪れてみたいですね。コンディションのいい天気を狙うのはもちろん、風も凄そうなので頑張らなくては…。

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八方池のあたりまで下ってくると、所々で雪融けが小川になっていました… もうそんな季節なんですよね。アイゼンも靴も泥で汚れるので、帰ってからが大変なんです(苦笑)

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リフトが見えてきました。GW頃にはこの辺の雪もすっかり融けているのかな。

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後はここからリフトを乗り継いで…

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駐車場でコカコーラタイム。お疲れさまでしたー。

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残雪期の晴天ということもあって(腐った雪と日差しには悩まされたものの)とても登山日和な1日でした。ただし、冬山登山に比べても水分補給の不足を感じることも多く(ゼリー飲料だけでは追いつかない)、凍る心配のなくなったハイドレーションを使わなかったことはかなり後悔しました。
先日finetrackのセミナーでも習ったことを参考にして、次回の登山からはハイドレーションの水+スポーツドリンク(マルトデキストリン入り)という組み合わせも試してみることにします。

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さて、次回のお山はGWの真ん中らへん、もう少しだけ残雪登山の続きそうな我が家です。

山と高原地図 鹿島槍・五竜岳 (山と高原地図 36)

山と高原地図 鹿島槍・五竜岳 (山と高原地図 36)

山と高原地図 剱・立山 (山と高原地図 37)

山と高原地図 剱・立山 (山と高原地図 37)

おまけ:白馬村で昼食&温泉

遅くなってしまった昼食は、白馬駅まで移動してこちらの「藤屋食堂」にて。1階は土産物屋になっていて、店の前には自転車用のバイクラックと駐車場もあります。

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奥さんが頼んだ手打ち蕎麦。長野と言えばお蕎麦、山の後にあまり食べないけど… そんな気分だったようです。サッパリしてて美味い。

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そして私はカツカレー。昔ながらのタマネギたっぷりの甘いカレールー(豚ロース角入り)にサクサクのロースカツ。

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登山後補正を差っ引いてもこれはとてもよいカレー。

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その後すぐ近所の温泉「みみずくの湯」へ。

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こぢんまりとした温泉施設ですが、お風呂はキレイですし、露天風呂からは八方尾根がバッチリ。写真は男湯のすぐ横ですが、桜と雪の北アルプスを眺めながらのいいお湯でした。

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駐車場には牛乳やソフトクリームなどが売っている売店。残念ながら牛乳は売り切れてしまっていたのですが…

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栂池高原の雪どけ水で仕込んだという「つがいけ雪どけサイダー」が美味しかったなー。

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カレーと温泉で登山の疲れを癒し、帰りのドライブに向けて鋭気を養いました。

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