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Kenkoの接写リングセットを使ってキットレンズでも手軽にマクロ撮影


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突然ですがこれらの写真、いかがでしょうか? どう見ても専用のマクロレンズを使って撮った写真のように見えると思いますが、実はエントリークラスのキットズームレンズ(LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」)を使って撮っている写真です。

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実際、こんな感じで撮っています……。外出自粛が続くと毎日マクロが捗りますね!?

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察しの言い方ならすぐお気づきになったかもしれませんが、これは「接写リング」を使ったマクロ撮影です。今お持ちの普通のレンズをマクロレンズに変えてしまう、接写リングが今回紹介するアイテム。

お題「#おうち時間

Kenko デジタル接写リングセット(マイクロフォーサーズ用)

カメラアクセサリではお馴染みのKenko Tokinaが製造販売する「デジタル接写リングセット」。私が購入したのはかなり前で、今から5年程前のこと……。
デジタル接写リングセット マイクロフォーサーズ| ケンコー・トキナー

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かつてブログでこの接写リングを取り上げたこともあるのですが、当時は撮影結果を少し載せたのみで、詳しい製品の紹介は全くしていませんでした。外出自粛によりマクロ撮影需要が高まっている今だからこそ(?)、改めてこの接写リングについて紹介してみようと思います。

接写リングはレンズと撮像センサーの間に挟んで使うアダプターリングで、中にはレンズが入ってないスカスカの「筒」です。この接写リングをレンズとボディの間に挟むことでレンズの最短撮影距離が短くなり、レンズのスペック以上の拡大撮影ができるようになるアイテムです。

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ただし、欠点として無限遠のピントは一切合わなくなり、近接つまりマクロ撮影しかできなくなります。ピントが合う範囲もかなり狭くなり、限られた距離での撮影しかできません。しかしながら、手持ちの普通のレンズを活かして手軽にマクロ撮影ができる魔法のアイテムとも言えます。

私が持っているのはKenko Tokinaが出している接写リングの2本セット。見ての通りマイクロフォーサーズ専用で、10mmと16mmの長さの2つの接写リングがセットになっています(その他、各社マウントの一眼レフ/ミラーレスカメラに対応する接写リングセットがラインナップされています)。この2本の接写リングを単独で、或いは2本重ねて使うことになります。

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電子接点を持っているので使用レンズのEXIFは記録されますし(接写リングの情報は記録されません)、オートフォーカスも効きます(場合によってはMFも併用することが推奨されています)。

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保存用のポーチが付属します。レンズに付属するケース(ポーチ)は箱から出さない私ですが、なぜかこの接写リングセットはポーチで保存しています。

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マイクロフォーサーズマウントなので当たり前ですがレンズキャップ、ボディキャップも装着可能。埃避けにキャップを付けてもいいかもしれませんが、スカスカの筒なので基本的にはキャップも付けずにそのままポーチに入れてます。

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重量は10mmリングが48g、16mmリングが70g。2枚合わせて118g。なるべく軽く済ませたければ、1枚だけでも十分に効果があります。

接写リングの使用方法とマスターレンズによる撮影倍率の変化

接写リングを使い、レンズの鏡胴長を伸ばすほどに増倍率は大きくなりますが、広角レンズなどはレンズの内側にピントが来てしまうので、焦点距離25mm以上のマスターレンズを使うことが推奨されています。撮影倍率はマスターレンズの焦点距離によって変化し、付属取説には計算式が載っていますが、少々ややこしい上に35mm版換算の場合の見方(計算も)よく分からなかったので省略します……。
気になる方はメーカーサイトで取説(PDF)が公開されているので、ご覧下さいませ。
デジタル接写リングセット NEX・マイクロフォーサーズ用共通取扱説明書 (1.2MB)(Kenko Tokina)

撮影倍率や使えるリングの枚数はマスターレンズによっても変わるので、手持ちの中の代表的なレンズのサンプルをいくつかご覧ください。

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO+接写リング

まずはオリンパスの標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」のテレ端40mmにて。そのままでも最大撮影倍率0.6倍相当、ハーフマクロレベルの「寄れるレンズ」です。テーブル上の花びらを狙ってみると最短撮影距離でここまで寄れます。

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撮った写真がこちら。一般的にはかなりの接写になると思います。

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M.12-40mm F2.8 PROの最大近接撮影

10mmの接写リングを1枚取り付けてみます。OM-D E-M1 MarkIIとPROレンズだとあまり目立ちません。

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いきなりめちゃくちゃ寄れるようになりました。

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これ。完全にマクロレンズですね。ピントは薄々。

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M.12-40mm F2.8 PRO+接写リング(10mm)

続いて16mmの接写リングの交換してみます。

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はい、アウト。完全にレンズフィルターと被写体が接触してしまいました(笑)

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撮影結果はこれ。一応花びらにピントは合ってますが、レンズフィルターの埃にも全てピントが合って見えています(笑)

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M.12-40mm F2.8 PRO+接写リング(16mm)

ということで、2枚重ねにした場合、ヒントは前玉よりも手前側に来てしまうので使えません。というかマクロレンズとしてならば10mmリング1枚でも全く問題ないでしょうね。

LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4+接写リング

マイクロフォーサーズの標準単焦点レンズ(25mm)は持っている人も多いレンズだと思うので、「LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4」でも試してみました。写真は恐らく2本付けしてる状態かと……。

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リングを付けない状態だとこれ。SUMMILUX 25mm/F1.4はマイクロフォーサーズにしては、特別寄れるレンズという訳ではありませんが、それでも0.22倍相当なので一般的には寄れる方ですかね。

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SUMMILUX 25mmの最大近接撮影

まずは10mmの接写リング1枚装着。やはりいきなり完全なマクロですね。リングを付けると元々の焦点距離では全くピントが合わなくなるので、上の写真とこの状態の間が自由に使える訳ではありません。「いきなり激寄り専用」のレンズになってしまうのです。開放のF1.4ではピントが薄すぎるので、F2.8まで絞ったものも並べてみました。

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SUMMILUX 25mm+接写リング(10mm):F1.4(左)/F2.8(右)

続いて16mmリング。周りボケボケな幻想マクロの世界に突入です。こちらも絞りを変えながら。どちらにしても三脚がないと難しいので、被写体ブレがないならガンガンに絞ってもいいでしょう。

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SUMMILUX 25mm+接写リング(16mm):F1.4(左)/F2.0(右)
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SUMMILUX 25mm+接写リング(16mm):F2.8(左)/F4.0(右)

最後に10mm+16mmの26mmリング。実用性は知りません……。

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SUMMILUX 25mm+接写リング(10mm+16mm)

安価なキットズームレンズ+接写リングでマクロ撮影を楽しもう!

ここまでオリンパスのPROレンズ、パナソニックのSUMMILUX(パナライカ)と比較的グレードの高いレンズを使ってきましたが、このクラスのレンズを使う人はそもそも専用のマクロレンズを買っている可能性も高いかもしれませんね!? ということで誰もが最初に手にする、標準キットズームレンズで使って接写リングのマクロ撮影に挑戦してみましょう。

エントリー機とセットになっているキットレンズで、この接写リングを足すとどうなるのか? 現在私が所有しているキットズームは、パナソニックの「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」です、沈胴機構のコンパクトな標準ズームで、テレ側は32mm(64mm相当)とやや物足りないものの、広角12mm(24mm相当)から使えるのが魅力のレンズです。

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まずはこのレンズのみでの最短撮影を確認。素の状態でも先ほどのSUMMILUX 25mm/F1.4より寄れているのが分かると思います(0.26倍相当なのでクォーターマクロですね)。

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10mmの接写リングを1枚でこれ。相変わらず一気に近くなってしまいますが、結構使いやすい距離感ではないでしょうか。被写体サイズは桜の花(が枯れて萎んだもの)を想像して貰えればと。

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LUMIX G VARIO 12-32mm+接写リング(10mm)

16mmの接写リングを1枚。レンズの32mm側を使っているので、絞りは開放でもF5.6、フルサイズだとF11相当の被写界深度です。ボケにくいマイクロフォーサーズのキットレンズですが、マクロ域になることで適度な被写界深度を稼いでくれています。ISO400でシャッター速度は1/5秒ですし(手持ちでは少々厳しい)、もっと絞って被写界深度を深くすることも比較的容易。

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LUMIX G VARIO 12-32mm+接写リング(16mm)

10mm+16mmの2枚重ねでもまだ現実的なマクロの描写。F5.6、ISO400でシャッター速度は1/4秒。

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LUMIX G VARIO 12-32mm+接写リング(10mm+16mm)

接写リングを使った3種類の写真を並べてみました。キットのズームレンズがこの接写リングセット1つで、これだけ倍率の異なるマクロレンズとして使えるのはかなり魅力的ではないでしょうか?

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LUMIX G VARIO 12-32mm+接写リング:10mm(左)16mm(中央)26mm(右)

最後にもう少し、LUMIX G VARIO 12-32mm+接写リングの作例を乗せておきます。全てリング2枚重(26mm)で撮っています。そうそう、今更ですがカメラはGX7MK2です。

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LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. +接写リング作例

お約束の紙幣と硬貨を最大倍率で。マクロレンズではないのに完全にマクロレンズ。というか「マクロしか撮れないレンズ」と言った方がいいですね。もちろんトリミングは行っていません。

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盆栽の桜は完全に葉桜になっていますが、枯れた花がマクロだといい味出してます(?)。

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枯れた花すら魅力的な被写体になるのがマクロ撮影の魅力!? マクロレンズや専用の機材を導入するのを躊躇っている方は、まずこのような手軽なアイテムから試してみるのもいいかもしれません。

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Kenkoの接写リング、マイクロフォーサーズ用とソニーEマウント用は結構格安なのですが、キヤノンRF用やNIKON Z用は後発だからか少々高めの設定。ミラーレス用は2個セットですが、一眼レフマウント用は3個セットになっているようです。また、実際に使ってないので精度等は不明ですが、Kenko製の半額程度で買える接写リングのセットもあるようです。

個人的には接写リングは面白いと思うのですが、まだMFTのマクロレンズの選択肢が少なかった5年前に買ったものです。今はハイコスパな30mm F3.5 Macroが約2.5万円で買えてしまいますし、今からマクロ撮影を始めるならばこのレンズの方がオススメかも……?

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