本日（6月24日付）、オリンパスからデジタルカメラを始めとする映像事業を分社化し、投資ファンドである日本産業パートナーズ（JIP）に事業譲渡する旨が発表されました。
これにより80年以上の歴史を持つカメラとしてのオリンパスブランドは（恐らく）市場から名前を消す可能性が高そうです（実際どうなのでしょう。例えば「オリンパスイメージング」という名の新会社とか可能なのでしょうか？）。
記憶に新しいところでは2011年にペンタックスがHOYAからリコーへ売却された件が思い出されますが、あれはカメラメーカー間での譲渡だったこともあり、ペンタックスブランドについては現在も健在です。現状では新会社の名称や事業規模等々全くの不明ですが、発表を見る限り新会社の元に「OM-D」「PEN」「ZUIKO」等のブランドは継承され、研究開発、製造販売、サービスの提供は維持されるとのこと。
オリンパスのイメージング事業売却に関しては、数年前から常に噂がありましたし、今月いっぱいで韓国でのカメラ事業からの撤退発表や、身近な所では会員向け写真サービスのフォトパス終了がつい先日発表されるなど、今回の発表への布石は常にある状況だったと言えるでしょう。
約10年弱のオリンパスカメラユーザーとしては、驚きやショックよりもは「遂に来てしまったか……」と、ある程度の覚悟はしていたけど、実際に発表されてしまうととなんとも言えない（寂しいような？）気持ち。
来年以降に設立されるであろう新会社の元、OM-DやZUIKOブランドは継続されるという発表ですが、これまでのような医療機器という強い屋台骨がない状態での再建は決して安泰とは言えないでしょう。同様にソニーから切り離されながら、JIPの元で復活を遂げたVAIOは目指すべき道筋のひとつかもしれませんが、現状のカメラ業界を見渡してみても楽観視する気にはなれないのが正直なところ。
現在ある全てのカメラメーカー（ブランド）が数年後に残っている保証など全くありませんし、今考えてみたところで流動的な要素が多すぎて読めないことだらけです。
私自身は現在のオリンパスをメインにしたマイクロフォーサーズマウントのシステムをとても気に入って使っていることもあり、すぐにユーザーを離れることは全く考えていませんが（現在のカメラやレンズはまだまだ現役ですし）、先のことについては新会社の事業がスタートしてみないことには何も分かりません。望むべくは、例えば現在のシグマのような、カメラ専業メーカーとして独自のポジション確立を夢見たい所ですが……。
一旦はオリンパスブランドを冠したカメラが消えてしまうのかもしれませんが、新会社へと移ることになるスタッフの方にはこれまでと変わらぬ製品作りを続けて貰いたいなと。オリンパスのカメラや高い技術力のファンでもあるユーザーの一人として、微力ながら応援したい気持ちです。
ただし、応援したい気持ちはありつつも、今回の発表があったことで新たにオリンパスの製品を購入する件については、少し慎重になってしまうかも……。
実はフォトパス廃止の件もあって、近日中にPROレンズ1本と、場合によっては年内にE-M1 MarkIIIの買い増しも検討していたのですが、この発表もあって新たにオリンパス製品を購入する人は減るでしょうし、早々に見切りを付ける人も出てくるかもしれません。シェアの一時的な減少は避けられないと思いますし、その中で現状のサービスを維持しながら、どれだけ魅力的な製品を市場に送り出せるのか（既に発表されていたり、噂の出ているレンズやボディのリリースなども）。まずは今年いっぱいの動きを見守りたいところです。
引き続きこのブログでは変わらずに、私自身が気に入って使っているオリンパス製のカメラやレンズの魅力をお伝えしたい所ではありますが、今までと同じトーンで積極的にアピールしていいものか少々迷いつつ…… 特に何も変わらないことでしょう。
2011年に最初に手にした中古のE-520から始まり……
オリンパスのカメラと本当にたくさんの思い出を作ってきました。恐らくこれからも……
